日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

雫井脩介「銀色の絆」

2014-11-29 | 読書
久し振りの雫井脩介
「銀色の絆」上下 PHP文芸文庫刊



雫井脩介はミステリー作家と思い込んでいたが
近頃はジャンルに括り付けられない作品が多い
(どの作家でも同じだが)

カバーイラストは幻想的な可愛い姿
フィギュアースケートの上を目指す子ども達と母親の物語

スケートリンクに女の子を送り、
練習の合間にママ友とおしゃべりをしたり、ランチを取ったり
それなりに裕福な親子

ヒョンな事から夫の浮気を知り子供と名古屋で暮らす事にする。
名古屋はスケートの優秀な選手達が出た現実
コーチと二人三脚で子供を上達させる。

コーチのお弁当を作り、アドバイスは正座をして聞く

この辺りで親戚の子の事とバッティング
やはり母親が子に付きっきりでクラブチーム通いをしていたっけ
(スケートではないが)
家族の団らんよりクラブの練習が優先し
家族の海外旅行の計画を告げると、コーチは
「行ったら後が無いと思いなさい」

あんまりでした。

そんな気分で読んでいたが
お弁当コーチは人間味豊かで、指導は的確
子供達は堂々たる選手に育つ。

巻末にジャンプの図解が載っているがよく分からない

ちょっとした精神の揺れが演技に反映する
メンタルなスポーツがフィギュアー

昨日のNHK杯の男子ショートプログラム
スマートで氷上に立っただけで視線を釘付けにする羽生選手、
衝突の怪我から2週間、ジャンプ2つは失敗したものの
スケーティングは目を見張る。

本の中にも衝突場面があり
「気をつけなさい!」母親にきつく注意をされる。

経済的理由から高校で競技生活を終えた親子
力を出し切り、次の人生のステップに乗り出した。

競技では上に上がりきれなかったけれど
人生ではきっと豊かな経験を積める事だろう。

しかし、今名前の知れたスポーツ選手達
普通の生活をなげうって、のめり込んでお金をつぎ込んで
ようやく一流選手になれる。

怠惰な生活を送っている大多数は
うらやましくもあり、うらやましくも無し・・
(誰でも出来る訳ではない)
コメント
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