魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ミカドハダカ

2022年04月01日 01時14分20秒 | 魚紹介

今日から新年度です。

最近入手したハダカイワシ科魚類。ミカドハダカという。ハダカイワシ目ハダカイワシ科トミハダカ属に含まれる、もしくはトンガリハダカ属に含まれている。小型種が多いハダカイワシ科ではあるが、本種を手に取ってみるとずっしりと重い。まさしく「帝」である。

ミカドハダカの胸鰭

ミカドハダカなど、トミハダカ属の一部の種はトミハダカ属から独立した属であるトンガリハダカ属に移されることも多くある。胸鰭はトミハダカ属のものよりも短く、胸鰭後端は腹鰭基底後端をこえないのだ。またヒレナシトンガリハダカのように胸鰭を欠くものさえいる。

ハダカイワシ科の魚は発光器がないと同定が困難である。それはこのミカドハダカも例外ではない。本個体も脱落してしまっていたが、本個体を送っていただいた青山沙織さんがTwitterで発光器の見える写真をアップされており、ミカドハダカであるとわかった。しかしやっぱり、ハダカイワシ科は苦手である。

ミカドハダカの頭部のアップ

ハダカイワシの仲間は同定が難しい。写真があっても同定が難しい場合が多いので、正確に同定したいなら現物は確実に残しておかなければならないだろう。幸いに今回は個体をそのまま残して耳石を採取することに成功した。分布域は北海道のオホーツク海、青森県~駿河湾の太平洋沖、北太平洋、ベーリング海ということで、やや冷たい海のハダカイワシの仲間なのだろうか。昼間は水深1500m付近の深海に生息するが、夜間は浅いところに上がってくるようだ。餌は小型の甲殻類や稚魚などを捕食していると考えられる。

今回の個体はヘンテコ深海魚便の青山沙織さんから。いつもありがとうございます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする