さて。みなさん。こんばんは。
今回は久しぶりの環境問題の記事。本来はようつべでアップする予定であったが、あまりにも仕事が忙しく結局旬を過ぎてしまったのでこっちでアップする。
最近三重県の河川にコイを大量に放流して話題になったが、いまだにこんなことやっているところがあるのかと驚かされる。しかも「環境美化」や「魚がいっぱい住めるような河川にしたい」というのが理由だとか。環境美化のために色のついた美しいニシキゴイを放流するのでは中国でかつて行われニュースにもなった「はげ山をペンキで緑化」と何も変わらないし、コイは大食いでなんでも食し排せつの量もすごい。やがてはヘドロになり堆積されてしまう。さらに「魚がいっぱい住めるような河川」というならコイは小魚を食べてしまうこともあるし、小魚の餌になる微小な生物もコイはよりたくさん食べてしまう。水草もコイの好物だから、魚種によっては産卵場所までなくなってしまう。
コイを日本の国の「国魚」にしようとする意見がある。浜田靖一元防衛大臣が会長をつとめる「ニシキゴイ議連」というものが発足している。産經新聞の記事では小泉進次郎厚労部会長が「田んぼにコイが泳ぐ養鯉池の景色は外国人も感動する」などと述べていたが、やがて大雨で氾濫しそこから抜け出してしまい問題になるのは想像ができる。しかもご存知この小泉氏はのちに環境大臣にまでなる人物なのである。本当に駄目かもしれないこの国。そもそも外来生物であり、「世界の侵略的外来種ワースト100」に選定されているオージャンカラーカープを国魚とすること自体もどうかと思うのだけれど。これでは酷魚である。
なおコイは外来生物の種であるが、コイ属というくくりでは、在来のコイ属の魚も存在する。しかしこの種は現在は琵琶湖の一部にいるだけらしい。大昔からコイ属の化石は日本で発見されていたが、本当は昔はもっといろいろなコイ属がいたのに、いつのまにかコイに変わってしまったのかもしれない。
Yahoo!ニュースなどのポータルサイトでは意見も色々見られるが多く目立つのは「日本の自然の川にニシキゴイは似合わない」というもの。しかし、ニシキゴイでなければいいのか。そうではない。もともといなかった魚を河川に放つのはどんな場合でもいけないのだ。交雑とそれによる系群の減少および不稔の問題、他生物とのバランスが崩れるのがその理由である。さらにいえば採集した生物を飼育し河川に逃がすこともまた問題である。道徳上での問題もあるが、道徳を馬鹿にする人でもわかるようにいえば、寄生虫の問題、さらに感染症の問題(18年前のコイヘルペスをもう忘れている!)、水の中の成分の問題etc...。
というか、こんな記事は5年も前にほとんど同じ内容の記事を書いたような気がする。というか5年の月日が流れてもいまだに改善しないのかこの国は。はぁ~。やっぱり環境行政はアクアリストとかそういう人がやるべきだーねー。