だいぶ前の画像ですが、このぶろぐでは紹介できなかった魚をアップします。ガンギエイ目・ガンギエイ科のコモンカスベという魚。板鰓類(サメ・エイ)のアップは久々なような気がする。
コモンカスベは体盤の様子がすこしユニークな気がするが、雌を多く見てきたせいだろうか。この個体は立派なクラスパーを有する雄の個体。コモンカスベの雌は写真でしか見たことがないが、以前このぶろぐでもご紹介してきたモヨウカスベとはあまり違わないような気がする。
コモンカスベの背面には小さなサイズの暗色斑がある個体が多い。また腹面にも模様があるとされるが、どちらの斑紋もこの個体にはない。
しかしほかのいくつかの特徴はコモンカスベのようであった。とくに尾部側面皮褶は尾鰭中央よりも明らかに後方に達している(メダマカスベでは尾鰭中央よりも前方で終わる)。ガンギエイの仲間は小さい尾鰭を有するものが多いが、一部の種では極めて微小である。撮影後唐揚げにして食べるが、かなり美味しい。なお、今回の個体は長崎県産。印束商店 石田拓治さんより。いつもありがとうございます。
こちらは18年前、2004年3月14日、つまりマリコさま18歳記念日から3日後、マリコさまの地元の福岡県糸島市で撮影したガンギエイの仲間。最初はメガネカスベとしていたが、これもおそらくコモンカスベの雄。しかし残念ながら尾鰭の先端の様子がわからない。福岡では小型の底曳網か、刺網が行われており、アマダイ、ホウボウ、カレイ類、ミシマオコゼなどとともに、このカスベも水揚げされていた。コモンカスベは水深100m以浅の浅海に生息しており、底曳網や刺網のほか、大型の定置網などでも漁獲されて食用になる。