魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

いきもの六法を読んで思ったこと

2022年04月08日 22時45分34秒 | 書籍

つい最近こんな本が出版されたので購入してみた。いきもの六法という本である。

いきなり5ページ目に「『愛好家の採集を規制するよりも、環境破壊を規制しろ』という意見もあります。おっしゃるとおりですが、それでも、それらの法律を守ることが、私たちが今後も生き物との豊かな関係を維持して楽しむために必要だと思います」とあり、いきなり環境破壊軽視発言が登場。実際に採集が規制され、禁止されるだけで生物多様性保全にとって大いなる脅威となっている開発についてはほとんど何もない。確かに法は守らなければならないが、はたしてその法はだれが作ったのだろうか。考えなければならないだろう。この本の著者中島慶二はもともと環境省の人間であり、法で愛好家を縛る立場の人間であるということを忘れてはならない。

さらに種の保存法の項目では「絶滅危惧種を守るためどんどん指定種が増えている」などとしているが、なぜどんどん指定種を増やしているのか。ということになるだろう。確かに愛好家に人気の高い種で乱獲により姿を消しつつある種も多くいるが、多くが開発で姿を消しているのに、その生息場所のそばまでメガソーラーを立てたりしてるし、石垣島に至っては希少な生き物の宝庫である場所が多大な悪影響にさらされるようなところにゴルフ場が建設されようとしている。はたして、法律とは何なのだろうか。条例とは何なのか。そして何のために守るべきなのだろうか。環境省など行政はそこのところを本当に勘違いしているように思える。

中身については、ただ法律や条令のことについて詳細に記述しているのではあり、丁寧ではあるのだが、上記のこともあり、私はこの本についていかがわしさを感じた。結局、環境省の考える「生物多様性保全の重要さ」の押し付けにしかなっていないと感じた。

コメント
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