最近久しぶりに私が以前参加していた魚図鑑サイトを閲覧してみた。しかしながら、最近はどうも質の低下が著しいように思える。釣りや採集、水中写真、市場の魚もそれなりに投稿があるのだが、最近は熱帯魚屋で購入した魚や、水族館の魚も多く投稿されている。
かつてその魚図鑑サイトは高いステイタスを持っていた。誰でも投稿できていたのだが、水族館の魚については自主規制を敷いてそれを貫いていた。購入した観賞魚も同様である。しかし最近、特に私がはなれた年以降は一気に価値が急落した。というのも、収録種数1位を目指そうとして、水族館や博物館、購入した観賞魚も図鑑に入れようとしているからだ。目標は日本産魚種の全種収録というが、観賞魚や水族館の魚を収録することにより、逆にステイタスが落ちていく。
なぜステイタスが落ちるのかといえば、水族館や観賞魚は金さえあれば誰でも投稿でき、それがたくさん収録されていくと、なんでもありの安っぽいサイトになってしまう。
観賞魚については、自然界に存在しない模様の改良品種も多い。たとえば、キンギョは色や模様など様々だし、背鰭がなかったり頭にコブができていたり眼が突き出ていたりと、もとのギベリオブナからは想像できないほど形が変わってしまっている。ほかに其々別の魚を交配させた個体もいる。パロットファイヤーシクリッド、レッドテールタイガー、など。そんな人工交雑の魚を魚図鑑に掲載しても図鑑の品位が落ちるだけである。もちろん私はアマゾンの魚や、アフリカ、東南アジアの熱帯魚を拒否しているということではない。安易に購入した魚の投稿を認めるべきではないという話だ。一方、魚屋や魚市場で購入した魚を収録するのも問題あるのではないか、という声も聞こえてくるが、これらについては産地もしっかりしており、ペットショップで魚を購入するだけのものとは異なる。
さらに問題がありそうなのは、海外の魚を購入して、それを国内で採集した、と見せかけるという手法である。すでに疑わしいものを数件確認している。これは論文などで公表された場合は最悪、詐欺にあたる可能性も出てくる。そんなことがあればステイタスどころか、信用をなくすのでサイト消滅の危険がある。
なおこの魚図鑑サイトに対しては意見することは許されないし、そもそもできない。というのも意見をしようとするとすぐにブロックしてくるからである。TwitterもFacebookもその関連コミュニティさえもブロックするという徹底ぶりはある意味素晴らしいものがある。もっとも、そのおかげで私はもう二度とあのサイトに戻ることはない、と決意を明確にすることもできるのだが。