昨夜、香港を語る茶話會に参加。この企画は、写真展「香港トラムにのってぶらり旅」とのコラボレーションで、黄昏時のカフェでスイーツをいただきながら、チャットリーダーの方のお話を聞く。日によってテーマと担当リーダーが決まっている。
写真展は、香港のトラム(2階建て路面電車)を撮り続けている永田幸子さんの写真に、イラストレーター小野寺光子さんのイラストと、フリーライター池上千恵さんのコラムが加わったもの。写真の中のトラムの窓から、イラストで小野寺さんや池上さんが顔を出してたりして、可愛らしい 詳しくはこちらとmixiのイベント案内、facebookを。
昨夜は茶話會初日で、テーマは「香港 トラムに乗ってぶらり旅」。いろいろテーマがある中で私がこの日を選んだわけは、私自身香港島に住んでいたのでよく利用していたのと、蘇永康に「尾班電車」(終電トラム)というタイトルの曲があるから(笑)。
時間が夜7時~8時半なので、出かける前にパンを食べて行ったが、会場に着くと「粽あります~」とご案内が。1個100円で可愛らしい粽が提供され、ほどよくお腹があたたまる。お茶とスイーツ(オリエンタル・ホンコンパイ、アイスクリーム添え)が出る。たっぷり小豆と栗が美味しいパイ
参加者十数人のうち、「まだ香港に行ったことがない」方が数人いらした。香港旅行を計画中で参考にするなら、これはぴったりの企画だ。用意された資料を見ると、2004年で開通100周年だったそうで、、、知らなかった(住んでたのに^^;)。その前は鉄道馬車が走っていたそうな。
「輪ゴムをぎゅっと引っ張った形」の線路で、東のターミナル筲箕灣や西のターミナル堅尼地城では、ぐるりとターンする電車が見られる。日が沈むころの堅尼地城の写真、美しすぎる~。
163両の車両の中で、1両だけ1949年からずっと使われているものがあるそうで、外は木枠、中のいすも木でできているとか。私はまだ遭遇したことがない。これから何度も香港には行くつもりだけど、いつか遭遇できるかしら? 車両番号120番。
2000年に登場したミレニアム型新型車両というのは、2階の席が一部向かい合わせになってて、席数が少なくなってるやつのことだろうか? 進行方向逆向きの席があって、ちょっと乗りにくかったけど。現在3車両あるようだ。
停留所の数はおよそ122。後ろから乗るとき、荷物を持ってると回転バーをぐいっと回転させるのが意外と大変という話。あまり意識したことなかったけど、そういえばあの回転バーはそもそも何のためにあるんだろう
地下鉄やバスと違って「次は〇〇」みたいな表示はなく、「次降ります」のボタンもないので、降りる停留所が近づいたら運転席・出口近くに陣取る。運賃は現在大人2.3HK$だが、おつりは出ないのでオクトパスが便利、とオクトパス実物も紹介された。
降りたいところで正確に降りられなくても、数百メートルごとに停留所があるので、あまり心配いらないのがトラムのいいところ。筲箕灣から上環まで80分くらいかかるのだとか。地下鉄なら20分ほど^^;
展示の写真を見ながら、トラム沿いの街の景色を見て行く。市場の中を突っ切ることで有名な北角、賑やかな銅鑼灣、おしゃれな金鐘からセントラル、乾物屋や骨董屋が並ぶ上環。たしかに、トラムに乗ってるだけで、香港の様々な顔を見ることができる。
私にとってトラムは、地下鉄の駅と駅のちょうど中間あたりの場所に行くのに重宝する、手頃な交通機関。香港に行くこと自体が私にとって“旅”ではないので、“旅のツール”という視点でトラムを見るのが新鮮だった。
申し込みメールで質問やリクエストを受け付けていたので「九龍や新界の人にとって、香港島のトラムはどんなイメージですか?」と訊いてみた。「九龍や新界で『香港島で美味しいお店とかありますか?』ときいても『あんまり行かないから知らない』と言われてしまう。日常生活は狭い範囲らしい。でも『トラムの写真を撮ってるんです』というと、懐かしいという人が多い」ということだった。なるほど
蘇永康の曲は、事前にmixiのメッセージで歌詞と私の簡単な訳をお送りしておいたら、話の中で紹介してくれた。ちなみに、こんな曲♪
「尾班電車」by蘇永康(William So)(アルバム「笑下去」収録)
作詞:黄偉文 作曲:蘇永康
# 慢了沒緊要 夜了不緊要 ゆっくりでかまわない 夜遅くなってもいい
伴你歸家去 未介意慢些少 君を家まで送る もう少しゆっくりでいい
越過祟光了 越過修頓了 そごうの前を通り 修頓運動場を過ぎ
情調全變了 路人漸覺稀少 # ムードがすっかり変わった 道行く人が減っていく
* 踏進中區了 望見燈色照 セントラルに入って 町の明かりを見ている
亦有些心照 又靠緊些少* 心は通じて また少し近づく
由人們聚散 駕著快車溜後了 人が集まり散って 電車は進んでいく
不緊要 情願你我熱情逐吋加深 あわてないで 君と僕の情熱をもっと深めたいから
誰急於 太輕佻 急いで軽々しくしたくないから
Repeat # *
微微搖盪裡 那是晚風 還是我的心跳 カタコト揺れるのは 夜の風それとも僕の心のときめき
還是剎那動情讓這班車 亦差點要出軌了 一瞬の動く心 電車はもうすぐ終点
沿途在計算 路程尚有多少 ずっと考える あとどれくらいの距離か
假使必須送別 得幾公里還嫌少 送っていくなら 何キロあっても足りないのに
下了車可要停留在那裡 降りてもずっとそこにいて
漫談直到通宵 夜通し話していたい
最近、香港電車公司サイトを見つけた。トラム停留所の看板には停留所名が書いてないが、道路の真ん中にプラットフォームがあるタイプの停留所だと、屋根のところに番号と停留所名が出ている。路線図で停留所名をクリックすると地図が表示されるので、ある程度事前に調べることができる。降りたいところとその前の停留所名をメモっておき、2階に乗って一つ前の停留所の名前が見えたら1階に降りるようにすれば、初めてでも比較的確実に使えそう。
インデックスページでは停留所名を指定すると、次のトラムがあと何分で到着予定かも調べられる。スマートフォンやiPadで運行状況がわかったら、いらいら待たずに「やっぱり地下鉄にしよう」「もうちょっと待ってみよう」と判断できる。これはなかなかすぐれもの
帰りに永田さんの写真集「香港路面電車の旅」を購入 またじっくり香港気分に浸ろう