アスリートの魂「17歳 高みへ フィギュアスケート 羽生結弦」、BS1の放送を見た。
さすがNHKだな~と思うのは、ハイスピードカメラなどを使ってスケートの動きを実際に見せるところ。大きく傾けて一方のエッジにぎゅっと乗った瞬間にすうっと滑っていく映像を見ると、なるほど~と納得させられる。
カナダでの練習風景、ブライアン・オーサーコーチへのインタビューは他局でもやっているが、時間をたっぷり取っている分、詳しい内容になっている。"foundation""mature"といった単語が示す、オーサー氏の青写真。10代のうちに自分の下へ来て、時間をかけて育てられることを楽しみに思っているようだ。
スケーティングの基礎を上げていけば、もっといいジャンプが跳べる、ミスがあっても挽回できる・・・新しい戦略が気持ちと体にしみこみつつある時期。いきなりショートプログラムで歴代最高点という成果が出たかと思えば、翌日のフリーでは集中力を失ってミス続き。「人生経験が成熟を与えてくれるはず」とコーチはどっしり構えている。
コーチが不在の間も「頑張ってたんだね、と思ってもらえるように」と気合を入れて練習している姿、わずかな間にもう信頼関係が出来上がりつつあるのだった。
アイスショーのパンフレットに名前がミスプリントされて苦笑いしていたが、スケートファンでなくても知らない人はいないくらいの選手になるだろう。いずれ、近いうちに。
今季の日本の選手たちの活躍を見て思うんだけど、、、なんだかんだいって、“スケーティングが上手くなる”ことが結局は好成績につながっている。で、スケーティングが上手くなったきっかけの多くは「海外の誰某に指導を受けて」なのである。
高橋大輔選手はアイスダンスのコーチに指導を受けたし、町田樹選手はアンソニー・リュウコーチや振付のステファン・ランビエールの影響が大きい。無良崇人も振付のトム・ディクソンの指導がきっかけ。。。日本人コーチでは駄目なのか?!
佐藤信夫&久美子門下の選手たちは、スケーティング技術の評価が高い。しかし、小塚崇彦選手は元々上手いだけに急に上手くなってびっくり、ということがない。浅田真央選手は良くなったけれど、やはり元々が天才だし、、、
ジュニアの間は多人数の中で上位に入るためにまずジャンプが跳べないと話にならない。しかし若いうちにスケーティングの基礎が十分に身につかないと、結局シニアに上がってから厳しい。特に今のルールでは。
一蹴りが効率よくきれいに伸びるようなスケーティングが、日本の選手たち皆ができるようになっていってほしい。やっぱり、“滑りの美しさ”がスケートの醍醐味だから。コーチ&選手の間で情報を交換・共有していってほしい。
再放送は火曜の深夜と日曜の深夜
こうなったらいいなぁ~と思ってたとおりになっちゃった
フィギュアスケート・グランプリシリーズ第5戦エリック・ボンパール杯(フランス大会)、男子フリー(ジャッジスコア)。無良崇人がSPに続きフリーも2位、合計230.68で優勝!グランプリシリーズ初の表彰台が真ん中 2位は227.63でジェレミー・アボット、3位に地元期待のフローラン・アモディオが入った。
154.03、もちろん自己ベスト大幅更新でフリー2位の無良崇人。
スケートカナダで見たとき、顔の前で重ねた腕の上から一瞬目を閉じるような最初のポーズが印象的だったんだけど、まっすぐ立ったので変えたのかと思ったら、「間違えた」だって(爆)。ポーズは違っても、一瞬目を閉じたのは演技開始の時の癖なのかな。ちょっとカッコいいんだけど
まるで3回転のようにスムーズに4回転トウループを決め、その後も次々決めていく。三味線や尺八が中心の曲「Shogun」の緩急と、ジャンプが決まるタイミングやステップの振付がぴったり。欧米の人にはエキゾチックだろうけど、比較的メロディアスでわかりやすい曲で、観客も飽きてない感じ。
衣装の上着がボーダー柄というか横縞で、ジャンプの回転のときぐるぐるっとするので、“回転してる”感が強調される。(ネットでは「ゲゲゲの鬼太郎っぽい」という意見も)
英語解説で「以前はジャンプばっかりだったけど、ごめんねムラ、このプログラムは動きと音楽がすべてリンクしてたね」みたいに言われていた。振付のトム・ディクソン氏にスケーティングなどの指導を受けてから変わったと記事にあるが、やはりポイントはそこか~。演技構成点で全項目7点台、平均7.69は中国杯で優勝した町田樹と大差ない。
最後のフリップが1回転になって解説の佐野稔氏が「なんで!頭コツンとやりたい」と口惜しがってた。しかし、もったいなかったのはTime Violationの減点1。これは最初のポーズを間違えたために、本来の予定より早く動き始め、最終的に規定をオーバーしてしまったのでは?
演技時間は音楽の開始から終了までではなく、選手が動き始めてから終わって静止するまでを計時するそうで、ときどき音楽が鳴り始めてもすぐ動きださない選手がいるのは、演技時間と音楽の長さが完全に一致してない場合調整が必要だから。この減点がなければフリー1位だったのに^^;
「まぐれといわれないように」とコメント、これからはいい演技を続けていくことが大事。全日本がんばって
146.45でフリー3位ながら総合2位、ジェレミー・アボット。
「レ・ミゼラブル」から「Bring him home(彼を帰して)」、しっとりした曲になめらかなスケーティングが映える。一応着氷した4回転がダウングレード。後半のトリプルアクセルがきれいに決まったのに、直後のトリプルアクセルがシングル。これとダブルになった最後のサルコウ、どちらかをあと1回転しただけで実は勝てた。それくらい接戦だった。
しかし、単独のトリプルアクセル直後、長い滑走無しでコンビネーションのトリプルアクセルという構成はけっこう大変だ。いっそここはダブルアクセルからのコンビネーションに変える手もありかも。
SPの不調から見事フリー1位で期待に応えた、フローラン・アモディオ。
なんか前日と違う人みたい^^; 4回転サルコウ完璧だし、トリプルアクセルもばっちりだし。でも2本目をコンビネーションにしなかったのは、忘れた?! スピンであまりレベルが取れなかったが、おかまいなしにガンガン踊った。またヨーロッパ選手権から大暴れしそう。
139.73のフリー4位で順位を5位に上げた宋楠。チャイコフスキー「交響曲第4番」と振付が完全にかみ合ってない感じがするのは、足の怪我などで十分な練習ができてないからなのか。昨季より演技構成点が全体に下がってしまっているが、シーズン後半に向けて上げたいところ。中国の枠獲得は彼にかかってるし
フリー5位134.70でSPから順位を上げられなかったブライアン・ジュベール。4回転は1本回転不足で転倒、1本は3回転に。でもそれ以前に演技構成点が伸びない・・・滑りそのものの魅力が弱くなっている気がするのは私だけだろうか・・・
フリー6位の関金林、126.22でもかなり頑張った感じ。細くてカキカキした動きだけど、スピンは佐野稔氏に褒められていた。フリー7位シャフィック・ベセギエ(という読み方でいいのかがわからない^^;)、4回転決めたしトリプルアクセルもほとんど決まりかかってた。会場が盛り上がったほど点が出ないのは、スピンやステップのレベルが原因かな。
フリー8位と低迷のままのトマーシュ・ベルネル 両足着氷ながら4回転を下りたのはよかったが、トリプルアクセルがヤバい。スピンでレベルB(Basic)って、シニアの大会で初めて見た…。きれいに回ってるので「レベルを上げる条件」が足りないだけなんだけど。
ヨーロッパ選手権までには復活して
ヨリック・ヘンドリックス(ベルギー)が練習中に足を痛めたとかでフリー棄権したのは残念。彼もヨーロッパ選手権や世界選手権でぜひ見たい。
この大会でファイナル進出を決めた選手はなし。(ポイント、最高順位)はアボット(20、2位)で現在4番手。ということで、残り3枠はNHK杯で決まる。
フェルナンデスは4位以上、高橋大輔と羽生結弦は3位以上&ヴォロノフ及びリッポンより上位で決まる(はず^^;)。いよいよ今週!