草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

埴谷雄高と「自立する戦闘者」

2009年10月29日 | Weblog
民主党が政権をとり、エセサヨクが歓喜するさまをみて、嫌悪感を禁じえないよね。右であれ、左であれ、日本の変革を夢見た者たちは、挫折を余儀なくされるほど純粋であったのに。あまりにも酷すぎるんじゃないかな。鳩山は何をしようとしているのか、まるっきり分からないし。国民との約束も平気で破るよね。それでいて、権力を維持するのに汲々としているのは見苦しいし。社会主義組織(革命党)が強大化するにつれて、その大きさを保持するために戦闘力を失い、理論も失ってしまった、と埴谷雄高が嘆いていたっけ。「戦闘力の保持はより少数者に、そして、極端にいえば、より少数の極限であるたったひとりの自立する戦闘者にまで移りいったのが現代である」(『兜と冥府・象徴のなかの時計台』)とも書いていた。40年近く前のことだけど、社会主義組織も体制の補完物になり下がりつつあったんだよね。「たったひとりの自立する戦闘者」が今の日本にいるとすれば、鳩山政権打倒を叫ぶと思うよ。背信やいかさまを断じて許さないはずだから。埴谷のような思想家が、どこを見渡してもいなくなってしまったのは残念だよね。
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政治の閉塞感と夢野久作

2009年10月29日 | Weblog
 鳩山由紀夫が首相となり、民主党が与党になって、世の中がなおさらつまらなくなったよね。自民党より嘘つきでひどいことがわかってしまったから。それってとんでもないことだよね。多くの国民は裏切られた気分ではないかな。ついつい夢野久作の「猟奇歌」の詩が口をついて出てしまうよね。
 
 闇の中に闇があり
 又闇がある
 その核心から
 血潮したたる

 自分より優れた者が
 皆死ねばいいにと思い
 鏡を見ている

 民主党に過大に期待した国民は、どうしようもないやり場のない怒りを、どこに向けるのだろう。そもそも、小沢一郎や鳩山にそれを求めたのが間違いだったんだよね。でも、もはや引き返すことはできないから、これから四年間にわたって閉塞感が支配することになるんじゃないかな。辺見庸もどこかで夢野久作のその詩を引いて、現代の危機は深刻であるとしゃべっていたっけ。政治がそれなりの役割を果たさないと、なおさら絶望的になるんだよね。
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