例年にたがわず、我が家ではもうすでにお雑煮がお昼のメニューに登場しました。毎年ご紹介していますが、これは姑譲りで、慌ただしい開業医の師走の内部事情による・・・・・そういう環境に育った夫は、お餅があればお餅を食べる。至極もっとも(?)な感覚です。
そういうわけで、お雑煮が登場するのですが、平戸のお雑煮といえば『あご』!!!!!昨年は大手企業があごを買い占めたとかで、平戸のあごの値段も急騰しました。それが今年は、漁師さんも当てが外れたらしく、あごの値段は落ち着いています。どうしてなのかと考えてみましたが、これは『あごだし』の特性の所為ではないかと思います。頂いたあご入りとかのだしパックを試してみました。それで煮物を作ってみたのですが、一緒に煮てみました。つまりだしを取って引き上げずに煮てみました。すると、あの『えぐみ』が・・・・・・なんとも、残念な味でした。これが不人気の理由ではと思います。
『あご』は煮立たせたらすぐに引き上げなければなりません!!!!!
私の知る限りですが、平戸のお正月用のあご出しは、前夜からの『焼きあご』と『昆布』の水出しです。時間がない場合は、昆布を引き上げた後ほんのしばらくで引き上げます。『あご出し』は本当に素晴らしいと思います。でも煮すぎると、急転直下、最悪の味になります。この手間を楽しんでいただきたいと思います。これこそが料理人の醍醐味だと、楽しんでいただきたいと思います。
平戸のあごは、小さいあごです。鹿児島近海で取れるあごは『ウバあご』と平戸では呼んでいる種類の違った大きなあごです。五島近海のあごは多分同じ種類ですが、回遊期による成長の違いだと思います。それで昔より『平戸のあご』が最上とされていました・・・・・と、聞いています。小さすぎると味が無く、大きくなると大味になってうまみが無くなるのです。
昨年平戸の漁師さんたちによると『あご御殿』が建つ・・・・・という夢だったそうですが、儚く消えてしまったそうです。でも『あご出し』は長く続いてほしいと思います。