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ぬかどこ

2008-10-09 00:39:31 | 出版記事
農業をやっている従弟が農業に使う微生物を活かして作ったという“ぬかどこ”を持ってきてくれました.開けてみると麹のような甘い何とも言えないにおいがします.そしてぬか漬けに手ごろな大きさのナスを一緒に持ってきてくれました.

マクロビオティックを知ってからあんまり使わなくなったナスですが、それでも長年日本人が愛してきたナスです.一富士、二鷹、三なすび???初夢の縁起物にまでなっています.トマトやピーマンは普及が明治以後ですが、ナスは日本人の食卓にいつ頃からあったんでしょうか.私はナスが大好きでした.色もきれいだし・・・・、形も面白いし・・・・・、幼い日母が語った〈茄子紺〉という単語に惹かれたのかもしれません.それにそれに今年は特に葉物が無くて、ナスしかないような日がありました.先日娘の所に行って分かったのは、東京には9月にもオーガニックの葉物も蕪までも何でもあるということです.東京ではどんなメニューも簡単です.でも田舎(平戸方面)では、毎日同じものばかり、やっと10月になって間引き菜がちらほらという状況です.安全野菜は弟や従弟達がくれる茄子しかありません!

私には母の味の〈アチャラ漬け〉も懐かしい.焼き茄子のあの芳醇なジュース(?)は特筆すべきだし・・・・それに何よりも茄子のぬか漬けが好きだったんです.特にへたの近くの首の部分が.でも茄子はなかなか上手には漬かりません.きゅうりのように簡単ではありません.それなのに従弟が言うにはその微生物とやらのおかげでナスも簡単に美味しく漬かるというのです!!!

半信半疑ながら非常に期待してやってみました.時間をおいて取り出せるよう3本漬けてみました.明くる朝1本を出してみると、何と良さそうな感じです.味見をしてみると、なるほど自慢もしようというものです.美味しく漬かっているではありませんか.漬かり過ぎないようにお昼には残りも出してしまいました.それから人参を漬けてみたり、キャベツを漬けてみたり、どれも上首尾、ぬかどこも臭くありません.ただ茄子はしっかり塩で揉まないとうまく漬かりません.

マクロビオティックの訓練は陰陽を上手に扱って自由になることだそうです.夏の終わりから貰う物はナスばかりでしたがまもなく終わります.さればされば、うまく茄子をお料理しましょう.と言うわけで皆におすそ分けして、あんまり食べすぎないように気をつけて・・・・・切り抜けるしかありません.お醤油やお味噌と相性抜群です.今日のお昼はぬか漬け茄子のチャーハンにしてみました.これがまた乙な味でしたよ.

今日は弟から大根の間引き菜と栗を貰いました.残念ながら今年は父の思い出のとんご柿は無いのだそうです.でも10センチくらいの間引き菜は、父が『小菜の汁』と言って、何が無くてもこれさへあればと、戦後の食糧難の時期に楽しみにしていた味です.根っこも柔らかく美味しいのです.もやしも髭根を取るととてもきれいですが、味が物足りなくなります.根のまま食べられる小菜の汁は本当に美味しいと思います.栗は当たり年だそうです.栗ご飯が楽しみです.

大昔の人たちは栗をどうやって食べたのでしょうか.椎の実は生でも食べられると思います.私も食べたことがあります.でもマテやどんぐり、栗は渋皮のえぐみがきつくて、生では食べにくい??煮ても渋皮はきついですよね.石の包丁で向くのも大変だったでしょう.なかなかたくさんは食べられそうにもありません.やっぱりイネ科の種子(穀類)は食べやすかったんだろうと思います.それに『桃栗三年柿八年』と比べてすぐに実りがあります.こぼれた種から芽が出て収穫できた時の喜びはどんなだったのでしょうか.農耕への道はやはり人間の辿るべき運命(?)だったのだろうと思います.
コメント
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