一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

前を行く犬の身軽さ木の芽坂

2011年04月14日 | 

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前を行く犬の身軽さ木の芽坂   多可

 

犬の臭覚、聴力は並外れてすごいが、脚力もすごい。我が家の犬でも、時速30キロなら平気で走る。

 

マラソン選手は、ほぼ時速20キロで走るから、人間も本来はその程度の脚力はあるのだ。マラソン選手を江戸時代の飛脚に例えて単純に計算すると、東海道500キロを25時間だから、まあ2日もあれば十分だ。

 

だが人間は、牛や馬に乗り、自転車、自動車、汽車、飛行機に乗るようになった。そして、歩かず走らなくなって、脚力を喪失した。

 

この句、作者の喘ぎが聞こえてくる。きっと、ハンカチで汗を拭い、深呼吸して、犬を見送りながら苦笑いしているのだろう。

 

 

アオキ(青木)

コメント (1)
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