(あらそえぬちや ふゆめえと かようなり)
「血は争えない」を直訳すると、「血族同志は、争わない」となるが、昔から親子・兄弟が争うのはざらで、現代でも遺産相続などで骨肉の争いなど良く聞く話だ。
しかし、「子どもが父母から気質・性向を受け継いでいることは否定しようがない」というのが本来の意味だから、日本語は難しい。
さてこの句、父母の、たぶん父親の気質を受け継いでいて、冬芽へと通うという。そんなに、たびたび見に行くのは、尋常ではない。もしかしてお父さんは園芸が仕事だったのかもしれないし、植物学者だったのかもしれないし、単に俳人だったからかもしれない。
いづれにしても、酒乱・短気など悪い方の「争えぬ血」ではなくて良かった。作者は、実に良い気質を受け継いでいるんですね。