(ははとにる つめつくづくと はつゆかな)
風呂に入って、つくづく眺めるのは、自分の体の部分で言えば、確かに手の平や指や爪かもしれない。しかし、腑に落ちないことがある。
私などは、自分の爪と母の爪を比べたことは一度もないし、母の爪をじっと見つめたことすらないのだ。当然、父の爪だってまともに見たことがない。
ところが、どうして、作者は母の爪をよく知っているのだろうか。それは、老いた母の爪を何年も切っていたからではないのか。かくして、この句の謎は解けた。
三石
注連縄が張ってあるから、伊勢の二見が浦と同じように
太陽信仰や豊漁祈願と関係があるのかもしれない。