住み慣れし小さき庭も枯野かな 稱子
空ッ風絵馬一斉に騒ぎ出す
水虫の薬ころがる炬燵かな 炎火
初売りや産地不明の加工食
コリコリと数の子を食み子を持たず 章子
脳細胞キーンと鳴れる寒さかな
好色な夢に目覚めし二日かな 遊石
「美容院」こたつの上の走り書き
梅まだき坂を見上げて腰伸ばす 静江
この辛さ異国で夢みた冬大根
藍瓶の冬日に醸す匂いかな 正太
埋み火の灰足してゆく初あかり
高層ビルの玄関に松飾り 豊春
ふっくらと幸せそうな初雀
大寒という字の中にある静寂 雲水
初手水娘は少しおとなびて
ホルスタインの隆々たる乳淑気満つ 薪
はや三日牛舎に痒きとこ掻くブラシ
食後薬飲み忘れては三が日 洋子
生前のままの表札冬旱
この葉っぱは、たぶん40センチはありました(ハワイにて)