(たんそくが しつじつごうけん かんだちめ)
私の子供の頃は、荷物を曳く農耕馬が結構いて、道路に馬糞、牛糞がよく転がっていた。馬糞はコロコロしていたし、牛糞はベチャベチャしていた。
この句の通り、確かに荷を曳く馬は、胴体が大きく、足が太くて短かった。馬の目は優しかったし、おとなしっかった。正に、質実剛健だったのだ。今の北海道のいわゆる「道産子」や青森の「寒立馬」が同じ種類ではないかと思う。その後、テレビで競馬場のサラブレッドを見た時、あの足の細さに驚いたものだ。
ところで私達日本人も、農耕馬的体形からサラブレッド的体形に変化している。身体は五等身から七等身へ、顔立ちは武士的から貴族的に変わりつつある。食事や労働などの生活の変化は、短期間に体形までも簡単に変えてしまうのだから、驚きである。