(くちなしや シャワートイレの ぜんじどう)
とうとう、ここまで来たか、と唖然。トイレのドアを開けると、まず電灯が付き、トイレの便座の蓋が開く。
便座に座ると消臭ファンが回り出す。用を足してシャワー洗浄、乾燥(これだけはボタン操作)。立ち上がれば除菌の水が流れ、トイレの蓋が閉まる。部屋を出ると電灯が消える。これら全てが全自動。
つい数十年前の「ボットン便所」からは、想像を絶する世界だ。徳川の将軍様だって、仰天するに違いない。
そこで、活けられたクチナシの花を眺めながら考える。
しかし、どうしても手放しでは喜べない。糞尿が金肥と呼ばれて、農家が買い取りに来た江戸時代の方が、遥かに合理的だったのではないか。
膨大な税金を使い、整備された日本中の汚水処理場には、糞尿以外の様々な生活排水、工業廃水も流れ込み、それに含まれる、様々な有害な有機化合物や毒物が、たんまり混ざっており、どう処理しても、まず堆肥としては使えないだろうからだ。
チダケサシ(乳茸刺) ユキノシタ科 チダケサシ属