一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

659  2012年 7月 岩戸句会 

2012年07月31日 | 岩戸句会

梅雨霧の谷といふ谷埋めつくす     章子

落し文秘めごと抱き老いるなり

 

炎天下鳶職人の幼顔           鼓夢

甚平とゆっくり歩む白き傘

 

落し文折り目きっちりにて候       炎火

縄文の土偶の光り夏の夜話

 

手花火や囲む人の目みなやさし     歩智

風鈴の吊り処きく風もなし

 

青葉風入れて戸棚の大掃除       洋子

前むきに生きよ生きよと落し文

 

泰山木の白き玉割る金の蕊       薪

片足は小室山に掛けて海の虹

 

念力を昆布茶にまぜて土曜凪      正太

バス停の風のすきまの祭笛

 

風鈴を日がな一日眺めおり        遊石

夕焼けて婆の影踏む子等の影

 

洗車する水が呼ぶのかトンボきた    空白

くちなしが土質検査で切り取られ

 

閉じておく明日への扉落し文       雲水

ひぐらしのその哀しさを愛しむ

コメント
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