(はいくちょう こちゅうのてんち はつあかり)
市中に薬を売る老人が、売り終わると壺の中に入るのを、後漢の費長房が見て、一緒に入れてもらったところ、りっぱな建物があり、美酒・佳肴が並んでいたので、ともに飲んで出てきたという。(「後漢書」方術伝)
この故事から、「壷中の天地」とは、俗世間を離れた別世界。また、酒を飲んで俗世間を忘れる楽しみ。壷のような小さな中にも、仙境や大きな世界、天がある、ということらしい。確かに、575、17文字の中にも、壷中と同様「天や地」を入れて表現することはできるだろう。
「てふ」は、「ちょう」と読み、「という」という意味。「初明り」は、元旦に白々となる明かり。