(きょうやさか ぎおんかいわい ゆきじょろう)
京都には上七軒・祇園甲部・祇園東・先斗町・宮川町という五つの花街があるそうだ。夕刻過ぎに近くを通ると、舞妓さんが歩いていたりする。特に目を引くのが、白粉(おしろい)を塗った肌と鮮やかな口紅。
歌舞伎役者と同じような厚化粧を美しいと感じる男達がいるから、白粉を塗るのだろうけれど、私にはゲテモノ趣味と思われてならない。
花町では、成金坊主たちが札びらを切っているような話も聞くが、いずれにしても伝統・文化という、庶民感覚からかけ離れた世界。
この句は、その舞妓さんを「雪女郎」と思わせたところが、元遊び人である作者の功績。