(へこみたる ふみえごとうに のこりをり)
江戸時代、キリスト教を禁じた幕府は、長崎奉行に命じ、年に数度「キリシタン狩り」のためにキリストや聖母が彫られた板などを踏ませたという。
長崎丸山町の絵踏は、旧暦1月8日。化粧し着飾った遊女たちが居並ぶ中、役人は遊女の源氏名を読み上げる。遊女は次々と素足で踏んだという。絵踏の日に衣装を着飾ったのは、多くの人出があり、店も立ってお祭りムードに包まれたためだそうである。
何百万人もの人々が踏んだ銅板の踏絵は、きっと擦り切れてへこんでいるに違いない。
ヤマナメクジ