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葱(ねぎ)坊主窯場の客を見てをりぬ
10年ほど前、ホトトギス系の先輩に、句会場に作業場をお貸ししたことがある。当日は、窯焚きの最中で、吟行を兼ねての句会であった。私も忙しい中、急遽参加することになった。
掲句は、その時の提出句であるが、先輩から、「見てをりぬ」と擬人化せず、
葱坊主窯場に客の来てをりぬ
の方が良い、と指摘された。その時、私はどちらも一長一短で大して違わないのではないか、と思った。そしてあれから10年経って比べてみても、未だに優劣を付けかねている。
ヒメツルニチニチソウ(姫蔓日々草)