「機動戦士ガンダム」と言えば、20年以上も続く人気アニメです。
私と「ガンダム」との出会いは、1982年の「劇場版 ガンダム めぐりあい宇宙」でした。当時、松竹の映画館で清掃のアルバイトをしていた私は、翌日から始まる「ガンダム」という映画に何の予備知識もなく、ただの子供用アニメだと思っていました。オールナイト上映後の清掃が終わって、ゴミを捨てに外に出たところ、未だ朝5時だというのに何十人という小中学生が並んでいるのを見てビックリした記憶があります。映画を見るのに、人が並ぶというのは正月の「寅さん」映画だけで、普段は閑散としている田舎の映画館が、早朝の一回目(予定を前倒しして朝7時から上映した)から満員になったのは、この時だけだったように思います。アルバイトの合間に、この映画を何度も見ましたが、今でも大人の鑑賞にも堪えられる良いアニメだと思います。
先週末、NHK BS放送で久し振りにこの映画を見て、大変懐かしかった。
「ニュータイプ」という言葉が頻繁に出てきて、登場人物が「ニュータイプ」の定義について盛んに議論をします。主人公のアムロは16歳だけれど、使う言葉や議論の内容は、20年経った今でも、とても16歳の少年のものではないように思います。初めてこの映画を見た時は、16歳の少年が小難しい言葉を使って、仲間と議論している内容が私にはよく判りませんでした。何度も見るうちに何となく判ってきて、自分の頭の理解力レベルの低さにショックを受けた記憶があります。
ちなみに、当時この映画の前に上映されていた映画は、武智監督の映画「白日夢」でした。ビデオが無い時代だったので、純情な私は、初めてこの映画を見た時に、人間の営みとはどういうものかを知って、「ガンダム」以上にショックを受けたのを覚えています。
小難しい「ニュータイプ」論を展開する16歳の純情なアムロも、幼馴染みのフラウ・ボウと「ニュータイプ」の子供を作る前に、武智監督の映画を見て勉強する必要がありそうです。