羽田の「ハブ化論争」は、あっけなく幕引きです。
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<羽田ハブ空港化>トーンダウン 国交相が森田知事と会談で(毎日新聞)
前原誠司国土交通相は14日、羽田空港の国際拠点空港(ハブ空港)化をめぐり、成田国際空港の存在感低下を懸念して反発していた千葉県の森田健作知事と国交省内で会談。会談後、記者団に「成田が国際線のメーンという位置づけは変わらない。(2010年10月に)羽田の第4滑走路(D滑走路)ができても成田が中心的な役割だ」と述べた。「羽田を国際ハブ空港にする」との前日までの発言はトーンダウンし、千葉県への配慮を強調した形だ。(中略)
会談で国交相は成田空港に配慮した考え方を森田知事に説明。「両空港を一体的にとらえ、合理的にすみ分ける」ことで一致した。森田知事は会談後、記者団に「千葉に対しての思いやりが感じられた。大臣と私の考え方は同じ」と満足そうに語った。
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朝のワイドショーで真っ赤な顔で「激怒する森田知事」の姿を見たのに、夜のテレビでは「爽やかな笑顔の森田知事」に変わっていました。言った言わないで、こんなに感情の起伏を露わにする人も珍しい。大臣の発言の重さを弁えろと吼えていましたが、本人の発言の軽さも問題です。あまり言わないほうが良いと思いますけど。
本論の「ハブ化」ですが、正直羽田も成田も国際線のハブ化は無理でしょう。他国のハブ空港とは規模が違いすぎるし、ハブ空港かどうかを決めるのは、国や県ではなくて路線を持つ航空会社や利用する顧客なのですから、いくらハブ化したいと言っても路線が開設されなければ、ハブ空港にはなり得ないと思います。まあ羽田は既に「国内線ハブ空港」なのですから、無理に国際線まで取り込んで大きくする必要もない。ただでさえ狭い東京の空域が混雑して危ないです。成田は今まで通りの国際線空港で良いと思います。不便と言われますが、成田への「列車の旅」も楽しめるわけですから、飛行機も鉄道も好きという人にはたまらない空港です。観点を変えてアピールすれば、退屈な移動も楽しくなるものです。別に森田知事が怒るようなことでもない話題だけど、目的は自己アピールだったのかもしれません。昔は毎週テレビに出ていたけど、今はこんな時しかメディアに取り上げてもらえませんから。