少し調べてみてから、と父が言うので、私はこの話を切り上げます。
受けられたら良いなと思います。受けるだけでもいいから、と。
さて、2日ほどしてから、父は兄さんにも聞いて調べてみたけれど、やはりあの件は駄目だなと言います。
受けるのに費用が掛かるし、受かっても通うのに費用が掛かるし、授業料もいるようだし、と、
費用がかなり掛かるようだから家は駄目だという事でした。
そこで私はまた、受けるだけでも駄目かなと言ってみます。
受けるだけでも受験料がいる、と父、もし受かっても行かないんだから、最初から受けない方がいいと一言です。
そう言われればそうなんですが、
「もし受かったら、入学も考えてみるとか。」
と私は父を茶化してみるのですが、フフフという感じで、父はやはり苦笑いをして、
そうお父さんを茶化しても駄目なものは駄目、お前はよくお父さんをコケにする。
と言ってそれっきりこの話題は打ち切られたのでした。
私もそれ以上は言いませんでした。
隣市、または隣県まで行かなければいけない事、
交通費や授業料の事、費用がかなり掛かるという事が、
家の経済状態にはなり負担となるだろう事は、当時の私にも分かっていました。
もうこの頃は家事の手伝いや買い物、自分のお小遣いのやりくりで、それなりの経済観念が出来ていましたから。