Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

青い事典、まとめ13

2016-10-07 22:06:22 | 日記

 少し調べてみてから、と父が言うので、私はこの話を切り上げます。

受けられたら良いなと思います。受けるだけでもいいから、と。

 さて、2日ほどしてから、父は兄さんにも聞いて調べてみたけれど、やはりあの件は駄目だなと言います。

受けるのに費用が掛かるし、受かっても通うのに費用が掛かるし、授業料もいるようだし、と、

費用がかなり掛かるようだから家は駄目だという事でした。

 そこで私はまた、受けるだけでも駄目かなと言ってみます。

受けるだけでも受験料がいる、と父、もし受かっても行かないんだから、最初から受けない方がいいと一言です。

そう言われればそうなんですが、

「もし受かったら、入学も考えてみるとか。

と私は父を茶化してみるのですが、フフフという感じで、父はやはり苦笑いをして、

そうお父さんを茶化しても駄目なものは駄目、お前はよくお父さんをコケにする。

と言ってそれっきりこの話題は打ち切られたのでした。

 私もそれ以上は言いませんでした。

隣市、または隣県まで行かなければいけない事、

交通費や授業料の事、費用がかなり掛かるという事が、

家の経済状態にはなり負担となるだろう事は、当時の私にも分かっていました。

もうこの頃は家事の手伝いや買い物、自分のお小遣いのやりくりで、それなりの経済観念が出来ていましたから。


青い事典、まとめ12

2016-10-07 21:42:57 | 日記

 その日家に帰ると、早速仕事から帰ってきた父に相談します。

付属中学というのがあって、入試があるんだって、合格するとそこの大学の中学校に通うんだって、

等々、聞きかじって来た事を父に話します。

父もよく知らなかったようです。私の言う事はよく分からないと言っていました。

 大学の付属中学と言うのがあって、入試があるから、受けたいなら先生に言ってくださいって、

今日学校で皆に、担任の先生から言われたの。

そう話すと、父はそうだな、そういう話は聞いたことがあると言っていました。

 優秀な人でないと行けないそうだから、私は無理だと思うけど、

と、私は続けます。

試験を受けるだけでも、広範囲の地域の優秀者が集まるだけに、自分の今の実力が分かるいいチャンスだ、という話だった。

と、にこやかに言って、

私、受けてみたいんだけど、と切り出します。

 途端に父はうんともすんとも、苦虫を噛み潰したような顔をして黙ってしまいました。

 

 


青い事典、まとめ11

2016-10-07 00:07:11 | 日記

 受験したい人は申し出てください。

そんな話を担任の先生がされたのは秋の事だったでしょうか。

小学生に受験があるなんて、私は全く知りませんでした。

同級生は皆、地域の小学校を卒業し、中学校に自動的に進学し、当たり前に入学するものだと思っていました。

所謂、中学受験は私にとって『寝耳に水』の出来事でした。

 傍にいた人や先生の話から、大学には付属中学というものがあって、そこに進学できる事、

その中学には入学試験があり、合格しないと入学できない事、高い学力が無いと合格できない事が分かって来ました。

 私にとっては本当に初めて聞く内容でした。

そんな物(付属中学や中学入学試験)が世の中にはあるのかと思いました。

そして、この話は私にとって、とても魅力的な物でした。

何しろ自分の実力を試すチャンスなのですから。

 地域の広範囲の小学校の最優秀者達が受験して、その中から合格不合格が決まるのです。

現在の時点での自分の実力を試すことができます。

自分の実力がはっきり分かる訳です。

 この時、常日頃から抱いていた曖昧模糊とした自分の学力について

実際にはどの程度の物なのか、私ははっきりと知りたいと思いました。

きちんとした結果が出れば、自分の将来についても、はっきりした答えが出ると思ったのです。

 「Junさん、受けたら。」

考えていた私は、Fさんの声で我に返りました。

落ちても普通だし、受かれば最優秀者だと証明されるし、Junさんならきっと受かるよ、優秀だもん

…等、Fさんにおだてられて、

私なんて駄目よ、にこやかに照れながら、実は受けたいなと思ってしまうのでした。