ある日の教室で、私は自分の柄絵を眺めていました。
どう評価しても褒められた絵ではなく、どうしてうまく絵が描けないのだろうと嘆息していました。
絵を描く事自体は好きなのに、その絵が私自身が見てもうまいとは言えない出来なのです。
『こういうのを下手の横好きと言うのだわ。』
そんな事を考えていました。
すると、Junさん、何見てるの?と脇からFさんの声がします。
ああ、Fさん、自分の絵を見てたのよ。どうしてうまく書けないんだろうって
、
と言うと、一応うまいじゃない、と言われます。
私は苦笑いしながら、ありがとう、でも何だかこう、自分の思うようにうまくかけたことがなくて、
この絵もそうだけど、何だか出来上がりが気に入った仕上がりになった絵が、今まで1度も無いのだと話しました。
いいな、という、自画自賛できるような会心の出来という作品に出会いたいと訴えました。
そうねえ、そう言われれば、Junさんの絵って、何だか妙かも。
写真でいえばフイルターが掛かった写真というか、すっきりして無いかも。
Fさんに言われて、やっぱり、どこが妙だと思う?
と、
私は自分の欠点について探ろうとFさんに救いを求めます。
気が付いたことがあれば教えて。そう言うと、そうねえと、Fさん。
「Junさん、目が悪いとか?」
言われて、視力は普通に1.5はある事、目は変じゃないと言いながら、
そう言えば目医者さんで視力を測った時に乱視の気があるかもと言われたと言うと、
ハァーん、それでじゃないかな、と言われます。
乱視って随分違うものなのかしら?と、私は不安になってしまいました。
かもしれない程度なら、そんな事も無いかもと私の話しを聞きながら、
Fさんは、他に何か思い当たることは無いかと聞くのです。
物がすっきりと見えないとか、そう言った事の原因になりそうな事は?
他に…
そういえば、と、私は思い当たった事を話します。
かなり幼い頃の事です。