かー君は、やはり成績もよく、お家も大きかったのでよくクラス委員長に選ばれていました。
そのせいでしょうか、クラスの皆に気配りし、まとめ役として、代表然とした責任感があったようです。
私を家に寄せていてくれたのも、そういった責任感があったからだったように思います。
おー君の事で、親しくしてねと言われて私はとても驚きましたが、
同じクラスだから親しくした方がいいでしょうという物言いからは、やはりクラス委員長の態度、風格が伺えます。
しかし、過去の私の流れから言うと、
おー君に愛想をつかし、交友関係を打ち切りたいと彼を避けて町へ。
私の町歩き周遊コースの1地点が偶然かー君の家であった。
その後弾みでかー君宅を訪問するようになった。
ある日、かー君のお陰で、おー君の痛手が癒えたことに気付く。
かー君に感謝の気持ちが湧き、お礼に彼に気配りするようになった。
かー君本人には好かれたようだが、家族から交際を断られる。
よく分からない内にプロポーズされて恐怖心が募る。
職員室で気にする事は無いと言われ徐々に不安感は遠のく。
今は1クラスメートとして接している。
という流れでした。
今更、折角おー君と疎遠になってホッとしている私が、何故またおー君と親しくしなければいけないのか?
私には気の重くなる話でした。
しかも、勧めたのはかー君です。
話が事、おー君の事でなければ、かー君の勧めです、私は相当な無理難題でもOKしたのですが、渋い返事を返すしかありませんでした。
「考えてみるね。」
普通、商談で考えてみると言われた場合、お断りの言葉です。ほぼ不成立です。
私が断ったと判断し、かー君は失望したでしょうね、商店のお子さんですから。
過去から今までの流れで行けば、彼にすると私が大抵何でもOKしてくれると考えていたでしょうし。
落胆も大きかったことでしょう。
一気に私への信頼感と言うか、好感が覆されたしまったことでしょう。
それでも、放課後しぶしぶおー君に誘われて付き合って、家に行く途中で思いがけずお開きとなった事は
、私にはとてもラッキーな事でした。
そして、往来を帰宅する私は、後ろから声をかけられてかー君が付いて来ていた事に気付きました。
「Junさん、行かなかったの?」
振り向くと、かー君はちょっと沈んだ感じでそこにいました。
行ってもらった方がよかったという事でした。
かー君にすると確かに私がおー君の家に行った方が良かったようです。
おー君が無理に来なくてよいと言ったというと、おー君がそう言うならいいよ。
と、承諾してくれました。
結局、私にはおー君とかー君の間で何があったのかわかりませんでしたが、これで私は万事無罪放免
となったと
ホッとしました。
私は信号でかー君と分かれると家路を急ぐのでした。
多分、この一件でかー君と私の仲も、すっきり終焉を迎えたのだと思います。