2度目の会話になると、今まで話も無かった2人が1日の内に、そうそう渡り廊下で出会うのはいかにも不自然です。
偶然の訳が無いと思われるのは必至です。
それで、今回は正直にFさんから頼まれた旨を告げます。
そして、こう短時間に、今までも私にはよく分からなかったきー君の事を理解するのはとても無理と、
Fさんの気持ちに絞って話しを進めることにしました。
実は、ここに来たのは偶然じゃなくて、Fさんから頼まれたからなの、と、話を進めます。
私にはきー君の気持ちは分からないけれど、と、付属に行くかどうか迷っている理由は分からないけれど、
Fさんはこう言っていたと言い、Fさんの様子、Fさんの言葉から、
どうもFさんはきー君が好きらしいと告げます。
「Fさんが」
きー君は驚いていました。
あれ?気付いてなかったのかな、と、私もきー君の反応に驚きました。
てっきり、それなりにきー君はFさんの気持ちに気付いていると思っていました。
その後私達は少しFさんについて話しましたが、
ふと、きー君は私に、もし私が付属を受けて受かっていたらどうするかと聞くので、
私は山を見ながら答えました。
「私だったら、難しい試験に受かって、費用もあれば、迷わず自分の可能性にかけて付属に進学すると思う。」
と、答えました。私だったらよ、私はきー君じゃないもの。
私にはFさんみたいに心を寄せてくれる彼女はいないし、迷う事も無いからと。
私はここでちゃんとFさんのアピールも忘れません。
きー君は考えていましたが、分かったよ、皆と同じ中学に行くよと言ってくれました。
それは、Fさんにとって良かったと、私は早速Fさんに報告しておくねときー君から離れ、
渡り廊下を後にするのでした。
そして、この事をFさんに話すと、Fさんは満面笑みでとても喜んでいました。
「やっぱりJunさんに頼んでよかった。」
と、言われた私はFさんの現金さに苦笑い。
Fさんに振り回された今日の私の気苦労を思うのでした。