昨日は大変だったけど、もう問題は解決したとあっけらかんとしていた翌日の朝。
教室でのんびりしていた私に、Fさんが登校して来た途端、おはようと言う間もあればこそ、
「Junさん、昨日きー君にどんないい方したの。きー君付属に行く手続しちゃったんだよ。」
と、文句を言うのです。
えーっと私は驚きました。
だって昨日きー君は皆と同じ中学に行くと言ってたけど、そう言ったでしょうと私。
確かにJunさんからそう聞いたし、きー君もそう言ってたけど、とFさん。
でも、きー君付属に行くって言って、もう手続しちゃったんだよ、と、Fさんは私を責めるように言うのです。
何時聞いたのと聞くと昨夜との事、一体何時2人は会っているんだと思いながら、
昨日のきー君を思い出してみても、話の最後に、にこやかに分かったよと言って、
皆と同じ中学に行くよと言っていたきー君の顔しか浮かびません。
私にはあの様子からどう転んだら正反対の行為が出来るのかが不思議でした。
それにJunさん、何か変なこと言ったでしょうと言われても、
全く付属に追い風となるような事を言った覚えのない私でした。
もう、朝から問題が解決した翌日と気分さっぱり晴天の候だった私ですから、
突然の暗雲の広がりに気分の落ち込みも急激なものがありました。
あーだから、あそこと関わりあうとろくな事無いのよ、と机に突っ伏してしまいます。
あーあーと、Fさんの口車に乗ってきー君と関わりあってしまったことを本当に後悔しました。
また、変な事になるんだ、そう思ったのです。
また私が悪いという事になるんだわ。
来るべき複雑な事態の展開に戦々恐々としてしまいます。
私の酷く落ち込んで憂うつそうな様子や態度に、Fさんは何かあったの、と聞きます。
別にと答えながら、言おうかどうしようかと迷う私です。
それで、きー君は何か言っていたの、私が何か機嫌に障ることでも言ったって?
と、話を戻します。
そうそうとFさん、Junさん、きー君に私がきー君の事を好きだって言ったでしょう。
あーその事ね、と私は合点がいきました。
嫌だったんだって?、きー君。と、私がやけになって聞くと、Fさんは急に笑顔になって、
その事はそれでよかったのよ、と言うのです。
馬鹿々々しい、やっぱりねと思います。
一応2人の橋渡しをして上げたのに、何でキューピッド役の私に文句があるのかと腹が立って来ます。
もう、Fさんの話に付き合う気がしなくなってきました。
きー君が承諾した事を覆してしないという事は、過去にも例があるので、
今回もその類かなと何となくその事には納得する私です。
Fさんの気持ちについてきー君に言った事がFさんにとって良かったのなら、
友達として私はこれでこの件は終了にしたいと思いました。
「昨日の話の後で即、付属の手続きしたのなら、きー君最初から付属に行くのに決めてたのよ。」
と、私は、私に限らず、誰がきー君に話しても結果は同じだとFさんに言います。
良かったじゃないの、Fさんの気持ちにはきー君喜んでいたんでしょ、と言うと、
ウフフと、うんと言う感じで、てき面に機嫌よくうきうきした様子になるFさんでした。
これで打ち切りよ、私も話すことは無いから、と、Fさんの話は聞かないことにします。
丁度担任の先生も教室に来られたので、私はこれからまた先生に呼ばれて重たい気分にならなければいけなそうだと思います。
とりあえず、喜んでいるFさんの感情の方には、もう関わらないことにしたのでした。