Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

青葉若葉の季節、7

2016-10-29 22:38:32 | 日記

 何日かして、妹が、両親の喧嘩はお姉ちゃんが言っていた通りで、2人の仲が悪いからじゃないか、

と、私に問いかけてきました。

私はあれはお姉ちゃんが間違っていた、やはりお父さんとお母さんは仲が良いから喧嘩しているんだ、

お前の言う通りだった、と言っておきました。

内心、どうして妹の為だからって嘘をつかなくちゃいけないのよ、と腹立たしかったものです。

妹の方はにっこりして如何にも嬉しそうでした。

 私はこんな事があってから、物事の真実を見ることや、それを主張する事、

事実を言う事が馬鹿々々しくなってしまい、どうでもいいように思えてしまいました。

学校でも家庭の事を聞かれると、離婚しないから仲がいいんじゃないの、あの2人の事はどうでもいいじゃない。

と言葉を濁し、家の事は話したくないと話さなくなりました。

妹さんは、と聞かれると、さぁ、機嫌よくしているんじゃないの。

と、大体どうして人の家の事を気にするの、家の事について聞かないでちょうだい。

と、友人に対して当たってしまったのでした。

この件についてはもう誰にも話す気はないのでした。

 中1の私といえば学校ではクラスの男子との確執、家では両親や妹の問題と、

気が休まる暇がない感じでしたが、

どう切り抜けたのでしょう?

私自身は全然、こうという解決策を覚えていません。

 いじめ問題については先に書きました。学校でかなり配慮があったと私は感じていました。

最後は個人の問題になってしまい、親同士の問題になってしまったのかもしれません。

同じように、家庭の問題も保護者面談で先生から母に一言なり、何かあったようです。

「お子さんは家庭の事で酷く悩んでおられます。」

そんな事を言われたと、母が父に話しているのを聞きました。

 中1の2学期過ぎから、両親の喧嘩は徐々に鳴りを潜め、冬を越す頃は祖父の容体に皆関心が向くようになり、

よく言われるように、物事は段々となるようになったのかもしれません。

 

 


青葉若葉の季節、6

2016-10-29 21:37:25 | 日記

 さて、そう待ちくたびれる事もなく、何時ものように両親の真夜中の喧騒で目が覚めました。

何時もはうんざりして、早くまた寝てしまいたいと思うのですが、

今回は耳を澄まして両者の言い分を聞こうと私は布団から身を乗り出してみます。

何だ、かんだ、と2人の言い争い(怒鳴り合い)が聞こえてきます。

 私は、仲が良いのかな?これはじゃれ合っているのかな?ふざけたり、揶揄い合って楽しんでいるのかな?

そんな事を考えながら話の内容や、声の調子、物音等等しばらく念入りに聞いていました。

そして、これは、やっぱり普通に喧嘩だなと結論すると、溜息、やおら布団に潜り込んで、

早くまた寝てしまいたいと目を閉じて思うのでした。

 夜中煩くて目が覚めると、目が冴えてしまってなかなか2度寝が出来ません。

睡眠不足とまでは言いませんが、そんな点でも甚だ迷惑に感じていました。

精神的にも、肉体的にも、子供に負担を掛けていると親は気付いていたんでしょうか。

私だっていい加減、腹が立つのが分かってもらえるかと思います。

 それで、翌日妹に両親の喧嘩は仲が悪いからだ、と私はハッキリ言ったものです。

昨晩、お姉ちゃんは注意して聞いていたけど、仲が悪くて喧嘩しているとしか思えなかったと。

妹の方は昨夜の喧嘩を聞いていたのかどうか、そう、と答えて特に反論はしてきませんでした。

 そんな妹とのやり取りがあって、学校で友人にもそんな話をして、

妹の言い分は言い分として、私は確認してみたけれど、やはり自分の見解に変化は無かったと告げるのでした。

 友人は、妹さんに言ったの、小1なのに可愛そうに、と言うので、

そうかなぁと、私。

事実そうなんだし、じゃあ、私の意見が間違っていたと妹に言った方がよかったの?

と、聞くと、友人もそれはどうとも言えないけれど、と、言葉を濁してしまうのでした。

結局、Junさんの家庭の事だから、とこの話はそれ以上掘り下げた話題にはならないのでした。

 それから4、5日して、私がただいまと家に入ると、座敷から祖父の声がしました。

待っていたというような感じで、こっちまで来てくれと言います。

私は祖父が自分を呼ぶなんて珍しい事と思いながら座敷に入って行きました。

 「お前、妹が可愛そうだと思わないのか。」

祖父はいつになく怖い顔をして私を睨むと、一言だけ、そんな事を言いました。

 祖父に冷たくあしらわれるのは、5年生の時の交通事故以来です。

あの時も怖い顔をしていましたが、今回は2度目でした。

滅多に見ない祖父の怒りの形相に、やはり私は悪かったらしいと反省してしまうのでした。

 多分、両親の喧嘩の事を、2人の仲が悪いせいだと妹に言った事が悪かったのだな、

と大体察しが付きました。

その事について察しはついたのですが、私はこの時祖父に謝ったかどうか覚えがありません。

ごめんねと言ったかもしれませんし、しょんぼりして気を付けるねと言うと、そのまま部屋を出てきたかもしれません。

そして、妹の事は妹の事として、私の立場は誰も考えてくれないのだなと寂しく思ったものでした。

 それでも、私の小学生の頃には祖母がいて、私は祖父母2人の仲睦まじい姿を見る事が出来たこと。

その為その記憶が良い思い出として私の中にはあるので、結婚に対しても憧れを持つことが出来る。

しかし、両親の不仲だけを見る事になる妹は、

結婚に対して失望感だけしか持たない事になるんだと察しが付くのでした。

 そうか、だから両親は本当は仲が良いという事にしてあるのだなと、祖父の真意を私なりに汲み取るのでした。

それにつけても、上って損だなと私はげんなりするのでした。

年を食っているだけに真実が分かってしまうと。 

 


誕生日ですね

2016-10-29 21:25:37 | 日記

 特にこれといって記念になる日が思い浮かばないので、自分の誕生日ですね。

自分の人生がはじまった日、一番の記念日といえば記念日です。

 物心つくと1年のサイクルがあるのが分かり、

昨年もこんな事があったと思い、翌年にはやはりこういった事が行われたと再確認したものです。

寒くて暗い冬、春になって家の中が明るくなって、衣類も風も軽やかになって、

冬の後の春が来るのを待ち焦がれ、春の暖かさを満喫したものです。


青葉若葉の季節、5

2016-10-29 13:52:26 | 日記

 さて、この時期、妹の方は如何だったかというと、

私が中学1年の時だったと思うのですが、やはり妹に両親の喧嘩の事を聞いてみたことがあります。

何故突然、妹に聞いたかというと、

両親のことを相談した友人に、妹さんにもどう思っているか聞いてみたら、

妹さんは違った事を言うかもしれないわよ、と言われたからでした。

 それで、お父さんとお母さんが喧嘩をしていて嫌だね、というような事を訊きました。

すると、妹の方はケロッとして全然という答えでした。

え!、と驚いた私は、はじめ妹が両親の派手な喧嘩の事を知らないのではないかと思いました。

何しろ2人の喧騒は真夜中の事ですから、妹は寝ている訳です。

 夜中の喧嘩の事よ、寝ていて知らないんだ?

と言うと、知っている、という返事です。当たり前だわという感じでした。

えー、それでどうして嫌じゃないの?と聞くと、

「お姉ちゃんこそ如何して嫌なの?」

と、妹の方は平然とした中にも憮然とした感じで言うのです。

しかも嫌だというお姉ちゃんの方がよっぽど不思議だと言わんばかりに不満げでした。

姉妹で如何してこんな見解の相違が出来たのだろうと、私にも不思議でした。

 「仲がいいから喧嘩してるんだよ。」

と、続けて妹がしらっとした感じで言うので、

瞬間、眉間に皺を寄せて私は絶句してしまいました。

 確かに『仲が良いほど喧嘩する』という言葉はありますが、

中1の私にすると、あれは如何聞いても仲の良さからくる喧嘩とは思われないのでした。

実際、両親はお互いに青アザなど作っている時もあり、

そんな時は恥ずかしくて外を歩けないとこぼしていました。

 一体だれが小1の妹にそんな間違った見解を教えたのか?

妹と話した私にはそんな疑問が残ってしまいました。

 そして、思案投げ首、首を傾げた私は、

次回の2人の喧嘩を、妹のいうような別の観点で確り検討してみようと思うのでした。