私の中学での苛め問題は、詳しく書きませんでしたが、実は4回目がありました。
3年時の問題集盗難の件ではありません。
4回目にもなると、もううんざりしてしまいました。それに、その男の子は同じ小学校出身の男の子でした。
向こうの小学校の男の子だから如何とかいう問題では無く、男の子全般と気が合わないのだ、
と思った私は、暫く男の子とは話もしたく無い、付き合いたくも無いと思ったのでした。
これが中学2年の、何時だったでしょうか?
もう何でも、如何でも、男の子の事なんか如何でもいいわ、と思ったので覚えていません。
(6月頃だったかもしれません。)
以降、私は本とに男嫌いになってしまいました。女の子のお友達onlyです。
彼氏など作りたいとも思わないまま中学3年生、夏休み、夏の課外授業、2学期と来て、
学校祭も過ぎ秋も深まって行きます。
そんなある日の指先ちょん事件でした。
一体どうしたんだろう?私には指の先の男の子が不思議でなりませんでした。
何を考えているんだろう?
私達はほぼ横に並んでいましたから、意識的に覗き込まないと男の子の顔は見えません。
何を考えているのか表情から読み取ろうと思い、私は首をかしげて顔を見てみます。
が、丁度真横の顔しか見えません。
ふざけて笑いながら近寄って来ただけに、横顔も笑っているようです。
もう片方の手は相変わらず相手の丸めたノートと打ち合いをしていて、
バシバシ丁々発止という感じで忙しなく動いています。
行き成り如何いうつもりなんだろう?
と、私にはムッとした怒りの感情も湧き上がって来そうでした。
ここは強く言った方がいいんだろうか?
私が抗議の言葉を探そうとしたところで、すーっと男の子の手は離れていきました。
この間、私は話をしていた女友達とお互いに怪訝に思い、目を見かわしたりもしていましたが、
彼女も如何いうつもりなのかと尋ねる間もなく、
男の子達2人はそのまま教室の後ろから出口へと回り込むと、
それっという感じで廊下に出て行き、後にはまだ打ち合いをしているらしい気配と声が続いていました。
私は打ち合いの相手の男の子についてもそれとなく表情を見ていましたが、
如何という変化も無く、普通ににこやかに私達の傍らを撃ち合いながら通り過ぎて行っただけでした。
相方の指ちょんについてもおやっと驚いたり、囃子立てるような、あれれというような反応や言動の無いまま、
2人は私達に不思議な疑問を残して去って行きました。
何だったんだろう?
胸に疑問を抱いたままで時が過ぎて行きます。
それっきり、何の変化も無い日常の授業と学校生活の毎日です。
私は時折男の子の後ろ姿を眺めてみます。
今までと変わりなく机の上の本を読んでいるようです。
何の変化もありません。
もう一方の男の子も眺めてみます。
普段通り、特に私に何の興味も示さない儘で過ぎて行きます。
私の中の疑問は残ったままです。
『何だったんだろう?』
時折自分の指先を眺めてみます。
何でしょう?
そんな言葉の繰り返しです。