Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

並木道、11

2016-11-14 20:38:30 | 日記

 負けられません!

私は、問題集を盗んだ犯人に対して俄然ファイトを燃やしていました。

犯人というより、試験に対して意欲を燃やしていました。

問題集をとって行ったという事は、私の点数を下げることが目的なのだなと思っていました。

学年で1番2番という訳じゃ無しそんなにライバル視されるような順位でもない私に、

一体どんな恨みがあるというのでしょう?

 それでも、とにかく私の勉強の邪魔がしたいのだと、そんな犯人の思惑通りに点数を下げていてどうする、

悪質で卑劣な犯人に、負けられませんと、せっせと頑張りました。

 きちんとした知識習得をと思うのですが、自分が見ていない問題を、既に見て練習し、

解く事になる皆に対抗するにはやはり不安がありました。

皆より確実に解く時間は遅くなります。

正しい解答に辿り着く確率も低くなりそうです。

やはりどうしても不安になり溜息が出ます。

 こんな時の友人頼みと、試験前の10分休みに、5分でもよいから問題集を見せてもらえないかとJさんに頼んでみました。

試験の席順は出席簿通りでしたから、試験時、丁度良くJさんは私のすぐ後ろの席になるのでした。

嬉しい事にJさんは、いいよと引き受けてくれました。

これで少しはほっとしたものです。

 結論から言うと、実力テストには新年度の問題集から出題されている物が1問ありました。

Jさんの問題集と、自分の問題集の新旧の両方を知っていた私は、この事が分かりとても驚きました。

新しい問題集を手に入れていて、得をした気分になりました。

そして、Jさんに申し訳なく思いました。

そこで彼女に実力テストの問題の出され方について正直に話すと、次のテストの10分休みには問題集を交換して、

Jさんにも得をしてもらうことにしました。

 

 


並木道、10

2016-11-14 19:39:16 | 日記

 その日1日如何しようかと考えてみます。

犯人捜しの名案が浮かぶはずも無く、先ず、犯人を見つけるよりテスト対策と思います。

 幸いな事に、次の実力テスト迄にはまだ間がありました。

それでも早急に何とか問題集を取り戻す手立てを考えなければいけません。

「犯人が分からないのに、問題集をどう探すかよね。」

そんな話もありましたが、私自身はもう問題集は戻ってこないものと思った方が得策だと感じていました。

もう、すっぱりと自分の問題集は諦めて、新しい問題集を買おうと思います。

「今日本屋さんに行ってみるわ。」

と、私は友人2人に言います。放課後直ぐに、家に帰る前に行ってみるわと言うと、

感激した事に、2人とも付き合ってくれると言います。私には嬉しい驚きでした。

 放課後まで焦りながらその日の授業を受けて、早速3人でこの街1番の大きな本屋さんに出かけました。

同じ問題集が置いてあればよいのだけれど、大きな書店だからあると思うのですが、

実物をこの目で見るまでは安心できません。

 書店に着いて、参考書や問題集のコーナーへとやって来ます。

眺めてみると、高校入試対策の問題集が広々と並べてあります。

あるんだ、良かったと、失くなった本と同じ物を探します。

同じ名前の問題集はあるのですが、表紙が違います。

がっかりです。違う本だねとFさんが言うので、うーんと、私はちょっと黙して本の出版社名を見ます。

私は本の名前の他に出版社名も覚えていました。

 失くした本の出版社名と同じ会社です。あれっと思い、出版年度を見ます。

私達の問題集は2年時の年暮れに購入したものでした。

今は5月です。新しい今年の年度が出版年になっています。

 パラパラと中身を見てみると、失くした問題集と同じような構成になっていました。

解説の後に問題のページ、項目毎に同じ形式で続いています。

値段も失くしたものと同じ値段でした。

 本の中身までは分かりませんが、高校入試対策として同じ形式の問題集だという事が分かりました。

念のため書店の店員さんに尋ねてみます。

○○出版の高校入試対策問題集はこれですか?と聞くと、

そうそれですよという答えでした。

表紙が昨年暮れに買ったものと違うんですけど、中身は同じですか?

そう聞くと、

昨年暮れに購入されたなら、4月切り替わりなので、この本は今年の新しいものです。

中身までは分かりませんが、今年の傾向に合わせた新しい物になっているので、全く同じでは無いと思いますよ。

との事でした。

 困りましたね、全く同じ物でないとテストでは役立たないと悲観的になりました。

店員さんは、

「今年の傾向に合わせた新しい物なので、それはそれでよいと思いますよ。」

と仰るのですが、試験に出てくる問題と違う物が書かれているのでは…と、がっかりしてしまいます。

 今年の問題集を元の置き場所に戻して、新しい表紙の写真を眺めながら、

私は失くしたものと同じ年度の問題集を新しく手に入れることが出来ない事を悟りました。

 如何しましょう、もう古くなってしまった物は片付けられて、入れ替えられてしまった新しい問題集。

同じ物でも新年度の物で、中身が違う問題集です。

真新しく見慣れない表紙が余所余所しく感じられます。

 でも、と、私は思います。これしか手に入らないのだし、

社会の教科の知識は変らずに同じで、出て来る問題はその知識に対する問題なのだから、と、

今年度の物で賄うしかないと結論します。

 さっと新しい年度の問題集を手に取ると、私は迷わずにその問題集を購入して帰りました。

如何であろうと、もうこの問題集で間に合わせてやるしかないのだから、と決意していました。

 


いいえ

2016-11-14 11:33:11 | 日記

 いいえありません。

ニトリの製品で買ったものというと、大きなものでは家具です。

ダイニングテーブルと椅子のセット、最近はベンチも加わりました。

大家族用になっていますから、家具は家族が増えるのを楽しみに待っているようです。

 他にはマット、鏡、小物、カーテンも買ったかもしれません。

小さな物でバス用のポシエットを母用に買いました。

元々アレルギーがあるので、何処の物でも羽毛布団は不安があり購入することは無いと思います。

 私の場合、タバコも厳禁です。

今吸っていなくても、過去に吸っていた人もNGです。

汚れてしまった肺から排出される息がダメなんです。

亡くなった父の深く吐く息でさえ、同乗していた車の中では困ってしまいました。

肺がむかむかして喉もエヘン虫にやられたみたい、かさついてしまいました。

炭酸がダメなので、CかH、多分Cかと思うのですが、事によるとHもダメなのかもしれません。

こんにゃくもダメですね。

 ニトリの羽毛布団からアレルギーを経て、禁煙、していてもダメという、こんな話になってしまうなんて。

努力して喫煙を止めた人には辛い話でしょうね。私も辛いです。

過去のお友達と長話が出来ません。 

だから、自身の健康を考えるとお付き合いも疎遠になってしまいます。ごめんなさい。


並木道、9

2016-11-14 09:45:06 | 日記

翌日は早めに登校しました。

机の中に問題集を見るまでは気持ちが落ち着きませんでした。

何しろ、実力試験の問題が毎回必ずその本から出される事は決まっていましたから、

本が無いと私は他の皆より相当不利になるという事が分かり切っていました。

私は必至です。

 学校に着くやいなや急いで机を覗き込みます。

ありません!私の机の中はもぬけの殻、何時ものように空っぽで何も入っていませんでした。

 もの凄くびっくりしました。

完全に誰かが持ち去ったのだという事がこれでハッキリ分かったからです。

誰かの悪意ある行為、悪意ある感情に出会って、私はこの時、暫く呆然としてしまいました。

 …呆然と暫く机の前に立ちすくんでいましたが、ハッと我に返ると、

立っいてもしょうがない、精神的にショックを受けただけに疲れるだけと、

座って落ち着いて今後の事を考える事にしました。

 椅子に座って、机の中を再び覗き込んで、いくら眺めてもカラはカラと、如何したものかと思います。

今の状態で今後の事を落ち着いて考えられるかどうか、自身でも心配になってしまいます。

兎に角、問題集は無くなってしまったのだから、次の実力試験迄に何とか対策を立てなければなりません。

無くなったのは入試対策問題なのに、実力試験の対策を考えるなんて、

それ以前の話にショックを受けた反動か苦笑いして、可笑しくさえなってしまいます。

 笑っている場合ではないなと思い、私は真面目な顔に戻ってどうしたらよいかと考えてしまいました。

まず、何を一番に考えたらよいでしょうか。

 「Jun大丈夫?」

声に気が付くと、登校してきたJさんが私の顔を覗き込んでいました。

ああ、と私も気が付いて、ええ、実は、昨日言っていた社会の問題集がやはり無くなっていたの。

と打ち明けます。

Jさんもえーっと驚き、困るんじゃないの、と問いかけてきます。

ほんとです、当然困ります。みな考えは同じだと微笑んでしまいます。

 どうするの、と聞かれてもどうしようもありません。

そうね、困っているのよと答えているところへFさんがやって来ました。

 おはようと挨拶しながら、JさんがJunの問題集やっぱり無いんだってとFさんに話します。

えー困ったね、如何すると、Fさんも浮かない表情になって皆一様にシーンとしてしまいます。

 「先生に言った方がいいよ。」

と、Fさんは言うのですが、小学校時代から聞きなれていたFさんのこの言葉、

私は今回そうねと答えたくないのでした。

 それは、一寸、如何かなと思ってねと言葉を濁しながら、修学旅行のカメラの件を思い浮かべていました。

担任の先生に言った方がいいよとFさんは勧めるのですが、私にするとどうも気乗りがしないのでした。

 あの先生大丈夫だと思う?それは私自身への問いかけでもありました。

何か解決してもらえるだろうか?

1年からの嫌がらせの件がまた頭をもたげて来た様で、

未だにそれが解決されていない事に腹立たしさと不信感が込み上げて来ます。

 多分、先生は当てにならないと思うの。

 2年を過ぎて私が出した結論でした。自分で何とかしないと。

自分でって、犯人も分からないのにどうするのかとFさんは言うのですが、

直ぐに答えが出るはずもありません。

如何仕様も無い事は如何仕様も無いんだけど…。そんな事を言っている内に朝のホームルームの時間になりました。