『過ぎたるは及ばざるがごとし』
です。
抜いて持って来てしまった物は仕様が無いと、確かに秋桜は移植を嫌う花な為、
また元に戻しても枯れてしまうだけなので、これ以上どう仕様も無いのでした。
それで、おばさんからは仕様が無いからいいわ、もうしないでねと釘を刺されて、
それ以上はきつく言われる事も無く、私は無事放免されて帰って来ました。
その後どうしたか覚えが無いのですが、やはり人の物という事で、
植え替え出来ないと聞きながら、庭から掘り返し、また持って行って植えて来たかもしれません。
私って困った物ですね。
私に限らず、秋桜は万人に愛される花らしく、皆私のように持って行ったり、摘んで行ったりと、
花泥棒の後が絶えなかったようです。
植えている人にとっては非常に腹立たしい結果になったようです。
翌翌年にはかなり数が減り、土地も荒れて土がむき出しの所もあるようになりました。
もちろん私はその後一切摘んだり抜いたりしていません。懲りましたからね。
それに秋桜は雑草では無いと朧気ながら分かりました。
実は、空き地に生えた花が綺麗なので、
おばさんも秋桜は好きな花だと言っておられたし、花を惜しがって独り占めにしたくてそう言っておられるのかな、
と思ったりもしていたのです。
こんな点でもまだまだ子供だった訳です。
幾つの頃の話かというと、中1か中2だと思います。
もしかすると、秋桜は野山の草花として図鑑に載っていたのかもしれません。
それで私は雑草だと思い込んでいたのかもしれません。(何処の図鑑でしょうね。)
何にしても、植えた人にとってはとても迷惑な話なのでした。
どうも申し訳ありませんでした。
過去をほじくり返しても仕様が無いし、褒められた話では無いので書くの止めようかと思います。
ただ、これが、この広い土地と綺麗な秋桜畑のあるお家が、
Fさんに紹介された人の家だったのは偶然かもしれません。
「こ―君もいいけど、ちー君もいいよ、頭がいいし、すごくモテるから。お家もいいし。」
こっちにするといいよ、
家を教えてあげると自転車で連れて行かれ、置き去りにされたのでした。
その後、何気なく秋に行くと、綺麗な秋桜の咲き揃う野の向こうにその家がありました。
私は一遍でその秋桜畑に魅了されて花が見頃な時期にせっせと通いました。
今から思うと、家の手前のアプローチに秋桜が綺麗に咲き揃っていたというべきですね。
そこは垣根が無い素通しの、とても広い所有地を持つお金持ちの坊ちゃんの住むお家だった訳です。
この話、とても恥ずかしい話ですよね、やっぱりこの辺で止めますね。
ちー君とはクラスが一緒になりませんでしたから、Jさんから話を聞くだけに留まりました。
Jさんから話を聞いてみると、以前クラスが一緒だったという事でした。
やはりかっこいい人だそうで、Jさんも好きだという事でした。偶然って時にはあるのかもしれません。
ちー君もJさんも、私は共にFさんから紹介されたのですから。
それではと、私はFさんよろしくJさんにちー君のお家を教えてあげるのでした。
これは覚えています。中3の時です。もちろん、秋桜に手出しをしてはいけないと念入りに注意しておきました。