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Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

うの華 89

2019-10-29 11:20:50 | 日記

 何処の家庭でも相関図と言うのは有るのだろう。元々私の祖父と父は相性が悪かったらしい。そこに祖母と私の母、私が加わると、矢印への書き込みは多岐に渡り始める。長年の犬猿の仲が固まった感の祖父と私の父。祖父母と私の両親は共に夫婦仲は良かった。祖母と私の母が諦めの関係だろうか、共に仕様が無いだったのだろう。家の2世代親子関係はそんな感じの図といえる。

 この時期、父と私の親子関係は険悪になりつつあった。共に互いが気に食わない状態なのは確かだった。今後その一線を越えてしまうと、相手が大嫌いな奴になり互いに相容れない仲となったのだろう。親子間で常に嫌悪感を抱く存在になったのかもしれない。一つ家に共にいればの場合だが。

 この時の私達父子は互いに嫌悪感が爆発寸前まで行っていたと思う。それが表面化する1歩手前で祖父の声掛けがあったのだ。私は父の返答に言い返そうと待ち構えていたし、若し彼が筋の通らない事を言えば、即座にそれを指摘して彼に抗議しようと考えていた。また、父は父で、多分私に手を出そうと迫って来ていたのだ。生意気な、子の分際で親に逆らってと、力ずくでねじ伏せようという魂胆だったのだろう。私にもそれは父の顔付きと雰囲気から薄々感じ取れた。それならそれで、私は彼との一戦も辞さない覚悟を決めていた。その後どうなっても、それはそれでよいと考えていた。

 私達のこの劣悪な関係にいち早く気付いたのは、多分、家ではやはり祖母だったのだろう。祖父と共に私達親子を何とかしておこうと思ったらしい。この日以来追々と、息子である父は勿論、孫である私にも先手を打って語り掛けて来た。

 「お前のあの時の態度は良くないよ。」

私の、父が祖父に呼ばれた時の歓喜の態度を諭された。

「あの時のお前の態度をお祖母ちゃんは見ていたけどね…。」

祖母はその時の私の態度を実際に見ていたのだと言う。彼女から最初この話をされた時の私は、『何時の事だろう?、どんな態度の事だろう?。』と訝ったが、彼女の話を聞いて行く内に、この時の父との対決寸前の場面だった事だと合点が行った。

 多分、祖母は隣の部屋から障子の穴越しに私の様子を覗いていたのだろう。祖父の声しかしなかったが、あの時彼女も部屋の中に居たのだろう。もし彼女が廊下に居たなら、確かに私の飛び跳ねる歓喜の様子は見れたかもしれない。が、廊下側に背を向けていた私の表情までは決して見えなかっただろう。それはどう考えても廊下からは不可能だったのだ。何でも分かる聡明な祖母であっても、流石に自分に背を向けている人物の顔付き迄分かろう筈は無かった。

 祖母は私に、「あんなにニヤニヤして…、」と言っていた。その言葉を聞いた時の私は何処から彼女が眺めていたのだろうかと怪訝に思ったものだ。その時は、あの生真面目な祖母が障子の穴からこちらを覗くという事が有ろうとは想像だにしなかった。が、後になって考えると、あの時私の表情が分かる位置は障子の裏側、そこしかなかった。しかし、そうと気付いてさえ、私にはあの祖母がそんな姑息な真似をするとは到底信じられないでいた。

 やはり祖母は子の親だ。自身の息子の為に、その時の父と私の親子関係を案じたのだろう。私の性格を量り、その後の未来に、彼女の息子である私の父一家の家庭未来図を予想して、その安全で安泰な方向付けをしたかったのだろう。息子の家族が社会的により良い方向に進んで行ける様に計ったのだろう。祖父と自分の子孫達の行く末を彼女、そして祖父もだが、きっと案じていたのだろう。 


今日の思い出を振り返ってみる

2019-10-29 11:15:42 | 日記
 
土筆(239)

 「その先を言ってごらん」それで、「どんな…、…人でも、」うん、と祖母は言います。「そこまでは合っているよ。」「最後は一人になって死んでしまう。死ぬ時は一人だ。ごらん、......
 

 雨が降ると寒くなりますね。室内は17度程でしたが、肌寒く感じます。ストーブの試運転も間近かな。