回れ右と話しかけても駄目で、「迂回せよ」というカードを見せても虫は硝子の向こうを一心に見つめて動こうとしないので、決して触れることはできない私にはもうどうすることもできなかったけれど、その時、ああ硝子の向こうで一瞬にして夜を作り出したのは近づいてきたクジラだった。 #twnovel
泥棒と叫ぶ人の声があいつの背中に貼り付いて、一際光り輝いているため、どこにも逃げることが出来なかった。光は、不滅の生命力を持って長い時を経てもあり続け、それを闇の中に沈めるためには、誰かが運んでくる新しい知らせが必要だったのに。あいつは依然、泥棒として光っている。#twnovel
誰の手も借りない強さを装いながら突き進んでいたけれど、本当はいつも頼りにしていた、あなたはいつでも僕のために、他の束縛を決して受けずに自由の中にその身を置いていてくれたのだから。あなたがいなければ進み続けることなどできなかった。あなたの背番号は140でしたね。 #twnovel