眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

タヌキ・オン・ザ・ストリート 

2021-02-22 06:05:00 | ナノノベル
「この辺りにお蕎麦屋さんは?」
「ああそれならすぐそこですよ」
「よかった。近いんですね」
「もうすぐそこですよ」
「ちょっと教えてもらってもいいですか」
「もう近づいています」

「えっ?」
「もう来てますよ」
「えっ、どこどこ」
「近づいてますよ」
「見えます?」
「来てます。打たれてます」
「打たれる?」

「いらっしゃい。何しましょう?」
「あー、あなた店の人ですか?」
「はい。もう席に着いたら茹で上がってますんで」
「熱いのでもらえますか」
「タヌキの方でよろしかったですか」
「じゃあそれでお願いします」
「はいよー! タヌキ一丁!」
(へいよー! 喜んでい!)
「つながってるんですね」

「蕎麦湯をお持ちます」
「食後にお願いします」
「じゃあ覚えてたら。お客さん印象が薄いもんで」
「いやしっかり頼むよ」
「1800円になります」
「なかなかですね」
「創業200年十割蕎麦でございます」
「ほー」

「1800円いただきます」
「前金ですか」
「前金現金でお願いします」
「はあ」
「1万円お預かりさせていただきます」
(へいよー! 1万円毎度!)
「はい」

「どうぞごゆっくり!」
「えっ? どこですかお店は?」

「ごゆっくりー……」
「おい、ちょっとあんた!」

チャカチャンチャンチャン♪




駅蕎麦はオーバーゼアー曲がり角
一分あれば知るに十分


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