眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

風とポメラ

2020-10-28 04:42:00 | 短い話、短い歌
風を受け書き出せば今日実になった
一首は君を示す全文
(折句「鏡石」短歌)


 扇子からは特別に優しい風が送られてくる。
「なんて優しい風でしょうか」
「特別な紙を使っておるからな」
 風の送り手は言った。
「どんな紙なんですか」
「風と親交の深い紙を特別に折ってある」
 秘密は紙の周辺に隠れているようだ。
「どう親交を得るのです? どう折るのですか?」
「何が知りたいのだ?」
「風のことです」
「根ほり葉ほりきくなー!」
 そう言って送り手は、扇子を振りかざした。
 優しかった風は厳しくなり、僕を押し戻した。


膝の上にあった
pomeraはまだ少しあたたかい
短い旅を終えて
ふりだしに戻る
このまま風化して行くの
化石となった手のひらを
誰が掘り起こすだろう


もう眠ったの
威勢はいいけど
構想がないのねいつも
おやすみ 
私も眠ろう
膝の上
少しあたたかい


風下に風の便りが満ちた時
行こうみんなの知らない街へ
(折句「鏡石」短歌)


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