先週マイク・ブルームバーグ氏(元ニューヨーク市長、本年米国大統領選の民主党の候補者のひとり)について2回投稿したら、普段このブログを見たことの無い人がずいぶんこのブログを見てくださったらしいことがこのブログのアクセス解析機能から読み取れた。
今回は再びブルームバーグ氏について書いてみる。

前回述べた通り、アベちゃんのサクラ問題よりも米国大統領選の行くえの方が、我が家の経済にも日本の公的年金の財政にも日本のメーカーの経営戦略にも日本の金融機関のポートフォリオにもはるかに与える影響が大きいので、私は起床したらまず海外のニュースを見ている。
2020年の大統領選挙に関して共和党はトランプ以外に強い候補がいないが、民主党はずっと乱戦模様。
ところがその乱戦中に、候補としてものすごい勢いで注目を集めだしたのがブルームバーグ氏だ。
ブルームバーグ氏が出馬することを決めたのは昨年11月のことだ。ずいぶんと遅い決断である。彼はトランプ政権を葬り去りたいと予てから考えていたが、民主党から出ている候補者たちでは、今年の大統領選挙でトランプに勝てないと彼は考え、やっと自身の出馬を決めた。12月になっても彼は静かにしていた。しかし彼は何も考えていなかったわけではないだろう。分析力ではだれにも負けない彼のことだから。

今年1月になると、彼ははっきりとした形で多くの私財をメディア戦略につぎ込みはじめた。なにせ彼にはカネがある。彼はあのトランプよりけた違いに多いカネを持っている。ソロモン・ブラザーズの証券トレーダーだった彼は同社を解雇され、仕方なく現在の金融情報帝国であるブルームバーグ社を他の3人の仲間と創業し、時間をかけてビリオネアーになった。私にとっても80年代半ばから見て来た企業なので、とても親しみがある。
最初の小さな予備選で序盤が重要だとばかりに他の民主党候補は舌戦を繰り広げたが、彼はその予備選を無視した。それでも彼は大量のメディア広告により民主党の大統領候補としての彼の知名度を高めた。
2月19日にABCニュースが伝えたSurveyUSA社によるカリフォルニア州の調査結果は以下の通りだ。今の民主党候補の中から選ぶとすれば、誰に投票するか? というのがその調査の質問だ。

【(↑)2月19日のABCニュースの結果を私がエクセルでグラフ化したもの】
緒戦では泡沫候補と言えたブルームバーグ氏は、ここで一挙に21%となり、サンダース氏に続いた。
こういう調査では、調査する場所や調査会社によってかなり異なった数値が出る。かなり偏ったものなのだ。しかし同じ場所の調査、同じ調査会社のデータを時系列で比較してみれば、世の中の時系列的変化はかなりハッキリと捉えられる。同じABCニュース、同じSurveyUSA社のリサーチ、同じカリフォルニア州で、同じ質問をちょうど1カ月前に調査した結果もあるので、先ほどのグラフ(↑)に、その1カ月前の調査をグレーの棒で書き加えてみた。
それがこのグラフ(↓)である。

青(ブルームバーグ氏だけがオレンジ)が2月19日、グレーが1月19日。それぞれABCニュースで放送されたデータである。
ちょうど1カ月でこれだけ変化したのだ。
ブルームバーグ氏は急伸したが、早期から有力とされていたバイデン氏やウォーレン氏は勢いが大きく落ちてしまった。
ブルームバーグ氏は1月から私財を使い知名度を一挙に上げた。そしてこれにより彼は民主党候補たちの討論会に参加する資格を得た。
ワシントンポスト紙によれば、下のグラフが先月(1月のみ)に各候補が使ったとされる資金だ。

ブルームバーグ氏の支出はケタ違いなのだ。しかもこれは彼にとっては、ほんのわずかな端金に過ぎない。一方で早くから立候補し、政治活動にカネを使ってきたウォーレン氏はすでに資金が尽きかけていて、新たに巨額の借り入れを行ったようだ。
これまでお互いの潰しあいに終始していた他の民主党候補たちは、ブルームバーグ氏の財力と急激な知名度の上昇に恐れおののき、彼が初めて参加できるようになった先週の討論会で彼に集中放火を浴びせた。ブルームバーグ氏にとっては悪夢のような討論会となった。ステージの上で彼の隣に立った金欠ウォーレン氏は徹底的にブルームバーグ氏を攻撃している(↓のYouTube)。
ブルームバーグ氏自身のビジネスにおける慣行や、ニューヨーク市長時代のStop-and-Frisk(ニューヨーク警察が歩行者を立ち止まらせて銃やその他の所持品検査を実施したこと)という過去の問題が性差別・人種差別的だったとするのが、他の候補者たちの彼に対する批判だ。彼は彼が金持ちだというだけで叩かれてもいる。彼にとっては最初の討論会がなんとも苦い記憶になったことだろう。
トランプとは異なりブルームバーグ氏はあっさりしていて、それらの批判についてはかなり早期にサッサと謝罪している。彼の関心はとにかくトランプを叩き落すことなのだ。他の民主党候補者のように党内で攻撃し合うことにも関心がない。
ブルームバーグ氏の応援者になると、ブルームバーグ陣営のオリジナル商品が格安で買える。選挙用にこの立て看板はいかが?

我が家の庭にも立ててみようか?

いや、それでは生垣がじゃまして外に見えないので、生垣の外に公道に面して立ててみようか?

立て看板なんて要らないって人は、マグカップはいかが?

彼のTシャツもあるよ。

FACTS OVER FICTIONって、彼らしい言葉だ。フィクションより事実。
データ収集とその分析の情報提供がすべてである彼の金融情報ビジネスを体現したような言葉のTシャツだ。
ワンコ向けのシャツもある。

XSから各種サイズあり、大型犬までオッケー。
いかがですか?(笑)
ソロモン・ブラザーズを解雇される前の証券トレーダー時代の若きブルームバーグ氏。

しかしその後このビジネス(↓)で、彼は何兆円もの財をなした。

潤沢にカネがある大規模金融機関を顧客として、彼は高度な情報ビジネスに専心して世にもまれな成功を手に入れたのだった。
たいしたものだね。

こちらは金融ビジネスらしからぬというかそれらしいというか、とにかく変わったデザインのブルームバーグ社のロンドンの巨大ビル。

ブルームバーグ氏のサイトに登録すると、自分のメールアドレスに時々刻々と陣営からメールが送られてくる。

このメールにある通り、彼にとっては民主党の他候補のことはどうでもよく、彼の優先事項はとにかく打倒トランプ!なのである。
彼は次々と政策を発表しているが、その中には彼のビジネスの顧客である巨大金融機関の活動を縛る施策がいくつも含まれている。彼はもはや巨大金融機関に気兼ねする必要もないのだ。特定の業界におもねる必要がない兆円単位の大金持ちだから。
加えて彼はもし彼が大統領になったら、彼が持つブルームバーグ社の株式を売却するとの計画を発表した。利益相反も、そして金融機関との面倒なしがらみも徹底的に排除するつもりらしい。彼はもはやカネは要らないわけだからそれら金融機関に媚びる必要はない。なんでも思ったことを主張し、それを実践する立場になりたいということのようだ。
そして彼にはまだカネがほとんど無尽蔵にある。

今後の展開が楽しみだ。
半社会主義者のような民主党有力候補者やトランプが大統領になるよりは、ブルームバーグ氏の政権の方がはるかに良いだろうと私は思う。
彼の宣伝だ。YouTubeでどうぞ♪
MIKE WILL GET IT DONE
明らかにブルームバーグ陣営だけれど、存在理由がかなり不可解な鎌倉七里ガ浜支部から、おちゃがお話しました。
今回は再びブルームバーグ氏について書いてみる。

前回述べた通り、アベちゃんのサクラ問題よりも米国大統領選の行くえの方が、我が家の経済にも日本の公的年金の財政にも日本のメーカーの経営戦略にも日本の金融機関のポートフォリオにもはるかに与える影響が大きいので、私は起床したらまず海外のニュースを見ている。
2020年の大統領選挙に関して共和党はトランプ以外に強い候補がいないが、民主党はずっと乱戦模様。
ところがその乱戦中に、候補としてものすごい勢いで注目を集めだしたのがブルームバーグ氏だ。
ブルームバーグ氏が出馬することを決めたのは昨年11月のことだ。ずいぶんと遅い決断である。彼はトランプ政権を葬り去りたいと予てから考えていたが、民主党から出ている候補者たちでは、今年の大統領選挙でトランプに勝てないと彼は考え、やっと自身の出馬を決めた。12月になっても彼は静かにしていた。しかし彼は何も考えていなかったわけではないだろう。分析力ではだれにも負けない彼のことだから。

今年1月になると、彼ははっきりとした形で多くの私財をメディア戦略につぎ込みはじめた。なにせ彼にはカネがある。彼はあのトランプよりけた違いに多いカネを持っている。ソロモン・ブラザーズの証券トレーダーだった彼は同社を解雇され、仕方なく現在の金融情報帝国であるブルームバーグ社を他の3人の仲間と創業し、時間をかけてビリオネアーになった。私にとっても80年代半ばから見て来た企業なので、とても親しみがある。
最初の小さな予備選で序盤が重要だとばかりに他の民主党候補は舌戦を繰り広げたが、彼はその予備選を無視した。それでも彼は大量のメディア広告により民主党の大統領候補としての彼の知名度を高めた。
2月19日にABCニュースが伝えたSurveyUSA社によるカリフォルニア州の調査結果は以下の通りだ。今の民主党候補の中から選ぶとすれば、誰に投票するか? というのがその調査の質問だ。

【(↑)2月19日のABCニュースの結果を私がエクセルでグラフ化したもの】
緒戦では泡沫候補と言えたブルームバーグ氏は、ここで一挙に21%となり、サンダース氏に続いた。
こういう調査では、調査する場所や調査会社によってかなり異なった数値が出る。かなり偏ったものなのだ。しかし同じ場所の調査、同じ調査会社のデータを時系列で比較してみれば、世の中の時系列的変化はかなりハッキリと捉えられる。同じABCニュース、同じSurveyUSA社のリサーチ、同じカリフォルニア州で、同じ質問をちょうど1カ月前に調査した結果もあるので、先ほどのグラフ(↑)に、その1カ月前の調査をグレーの棒で書き加えてみた。
それがこのグラフ(↓)である。

青(ブルームバーグ氏だけがオレンジ)が2月19日、グレーが1月19日。それぞれABCニュースで放送されたデータである。
ちょうど1カ月でこれだけ変化したのだ。
ブルームバーグ氏は急伸したが、早期から有力とされていたバイデン氏やウォーレン氏は勢いが大きく落ちてしまった。
ブルームバーグ氏は1月から私財を使い知名度を一挙に上げた。そしてこれにより彼は民主党候補たちの討論会に参加する資格を得た。
ワシントンポスト紙によれば、下のグラフが先月(1月のみ)に各候補が使ったとされる資金だ。

ブルームバーグ氏の支出はケタ違いなのだ。しかもこれは彼にとっては、ほんのわずかな端金に過ぎない。一方で早くから立候補し、政治活動にカネを使ってきたウォーレン氏はすでに資金が尽きかけていて、新たに巨額の借り入れを行ったようだ。
これまでお互いの潰しあいに終始していた他の民主党候補たちは、ブルームバーグ氏の財力と急激な知名度の上昇に恐れおののき、彼が初めて参加できるようになった先週の討論会で彼に集中放火を浴びせた。ブルームバーグ氏にとっては悪夢のような討論会となった。ステージの上で彼の隣に立った金欠ウォーレン氏は徹底的にブルームバーグ氏を攻撃している(↓のYouTube)。
ブルームバーグ氏自身のビジネスにおける慣行や、ニューヨーク市長時代のStop-and-Frisk(ニューヨーク警察が歩行者を立ち止まらせて銃やその他の所持品検査を実施したこと)という過去の問題が性差別・人種差別的だったとするのが、他の候補者たちの彼に対する批判だ。彼は彼が金持ちだというだけで叩かれてもいる。彼にとっては最初の討論会がなんとも苦い記憶になったことだろう。
トランプとは異なりブルームバーグ氏はあっさりしていて、それらの批判についてはかなり早期にサッサと謝罪している。彼の関心はとにかくトランプを叩き落すことなのだ。他の民主党候補者のように党内で攻撃し合うことにも関心がない。
ブルームバーグ氏の応援者になると、ブルームバーグ陣営のオリジナル商品が格安で買える。選挙用にこの立て看板はいかが?

我が家の庭にも立ててみようか?

いや、それでは生垣がじゃまして外に見えないので、生垣の外に公道に面して立ててみようか?

立て看板なんて要らないって人は、マグカップはいかが?

彼のTシャツもあるよ。

FACTS OVER FICTIONって、彼らしい言葉だ。フィクションより事実。
データ収集とその分析の情報提供がすべてである彼の金融情報ビジネスを体現したような言葉のTシャツだ。
ワンコ向けのシャツもある。

XSから各種サイズあり、大型犬までオッケー。
いかがですか?(笑)
ソロモン・ブラザーズを解雇される前の証券トレーダー時代の若きブルームバーグ氏。

しかしその後このビジネス(↓)で、彼は何兆円もの財をなした。

潤沢にカネがある大規模金融機関を顧客として、彼は高度な情報ビジネスに専心して世にもまれな成功を手に入れたのだった。
たいしたものだね。

こちらは金融ビジネスらしからぬというかそれらしいというか、とにかく変わったデザインのブルームバーグ社のロンドンの巨大ビル。

ブルームバーグ氏のサイトに登録すると、自分のメールアドレスに時々刻々と陣営からメールが送られてくる。

このメールにある通り、彼にとっては民主党の他候補のことはどうでもよく、彼の優先事項はとにかく打倒トランプ!なのである。
彼は次々と政策を発表しているが、その中には彼のビジネスの顧客である巨大金融機関の活動を縛る施策がいくつも含まれている。彼はもはや巨大金融機関に気兼ねする必要もないのだ。特定の業界におもねる必要がない兆円単位の大金持ちだから。
加えて彼はもし彼が大統領になったら、彼が持つブルームバーグ社の株式を売却するとの計画を発表した。利益相反も、そして金融機関との面倒なしがらみも徹底的に排除するつもりらしい。彼はもはやカネは要らないわけだからそれら金融機関に媚びる必要はない。なんでも思ったことを主張し、それを実践する立場になりたいということのようだ。
そして彼にはまだカネがほとんど無尽蔵にある。

今後の展開が楽しみだ。
半社会主義者のような民主党有力候補者やトランプが大統領になるよりは、ブルームバーグ氏の政権の方がはるかに良いだろうと私は思う。
彼の宣伝だ。YouTubeでどうぞ♪
MIKE WILL GET IT DONE
明らかにブルームバーグ陣営だけれど、存在理由がかなり不可解な鎌倉七里ガ浜支部から、おちゃがお話しました。