「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

八ヶ岳西麓梅雨明け後の滞在(7) 雨ばかりなので「山荘内撮影大会」

2009-07-24 18:01:38 | 八ヶ岳西麓の楽しい暮らし
「梅雨明け」後も雨が降る。山荘の軒から雨が滴り落ちる。木々の緑が濃く見える。湿度も高いのだろうが、滞在期間中はずっと気温が20度を下回っていたので、寧ろ心地よいお湿りである。画像は我が山荘の軒先とその向こうの森。軒から雨水が一筋垂れているが見える。



外に出て日々の買い物等用事を済ませて山荘に戻ると、夕方の犬の運動まではすることがなく時間も中途半端だし外も雨が降っていることが多いので、屋内にこもりがちだ。することもないので、「山荘内撮影大会」を一人で開催した。私としては珍しく携帯ではなくフラッシュを使ってデジカメで撮影した。室内は暗いのだ。かろうじて撮影出来るが、非常に暗い感じがわかるだろうか。設計段階で、屋内への採光はかなり絞ってある。



屋内の構造材は、垂直の柱が6寸(18cm)、水平の梁や桁が1尺(30cm)幅のダグラスファー材で統一されている。我が山荘の平面図は単純な長方形だ。上左の画像が東面の内壁で、同じ物を後に引いて撮影したのが上右の画像である。「後に引く」と言っても、狭い山荘なので、たいして引きようもないが。左の画像の上部に、柱と棟木を結合するブレイス(垂直な柱と水平な梁、桁、棟木を斜めにつなぐ「ブーメラン」のような部分)が3つ並んで見える。

私は「建物内部については構造材をむき出しにして骨組みを見せてくれ」とリクエストし、「ブレイス」を屋号に冠したビルダー集団であるブレイス代表の丸山さんが、全体をデザインしてくれた。



次は180度ひねって西側の内壁だ。上左の画像が北西の角、上右の画像は吹き抜けの下から見上げた2階(屋根裏)の手すりである。諏訪大社のお祭り「御柱」の法被が飾ってある。来年にはまた次の御柱がやって来る。2004年の御柱祭は運良く見ることが出来た。原村の人達は諏訪大社上社の前宮2の柱の担当だった。6年なんてアッと言う間に経って、また次の御柱がやって来る(諏訪大社の構成や御柱の歴史については、関連サイトが多くあるのでそちらを見て欲しい)。

こちらの構造材も同様である。柱の幅が6寸、梁や桁の幅が1尺だ。ブレイスも随所にある。



次も同様。左画像が1階玄関脇の柱と桁とブレイス。右画像は天井棟木と2階の柱及び西面の壁上部に設けられた短い梁をつなぐブレイスである。柱、棟木、梁の幅は他と同じで、6寸と1尺である。

左画像では、桁と梁をつなぐ「水平な」ブレイスが見られる。これはかなり珍しい。



私は鎌倉の自宅を建ててもらう時にも、ブレイスを設けたいと思った。しかしながらそれを思いとどまらせる要因が2つあったのだ:

①山荘とは異なり、ブレイスをつけても差しさわりの無いくらいの室内高が自宅の居室にはなかった。
②自宅は普通の在来構法であり柱には4寸角の材を用いていることから、その細さでブレイスを設けるのはなんともバランスを欠いた。

ブレイスはティンバーフレーム構法に独特な部材であるからして、ブレイスにはある程度の太さが、さらに構造材にはそれを上回る太さがあって、初めて全体としてのバランスがとれる。

また天井高が十分確保出来ない場合、ブレイスをつけると不格好を通り越して滑稽になってしまう。室内を普通に歩いているだけで顔面をブレイスで打ちそうになり、まるで室内障害物競争会場のような様相を呈すことになるからだ。

上の画像は鎌倉の自宅のダイニングである。ここなら吹き抜けで室内高もある。棟木にブレイスがあるといいかなあぁ・・・などとも思ったが、残念ながら②の理由で断念した。



この太さのバランスを、上の画像で見る。ブレイスは本来単なる装飾品ではない。2つの異なる構造材を斜めにつなぐことからして、在来構法でいうと筋交いに似た役割を果たしている。したがってあまり薄っぺらいブレイス、というのは話として変である・・・と思う。上左の画像は幅6寸の柱と、水平幅が6寸で垂直幅が1尺の吹き抜け空間をさまよう梁をつなぐブレイスである。

梁の真下から拡大して撮影したのが、右の画像だ。この梁の水平幅は6寸(18cm)。それに対してブレイスの幅が10cmである。本来の意味から言ってブレイスにはこれ位の厚みが必要だ。それとのバランス上、またさらに「ティンバーフレーム」と称するからには、柱はそれを上回り、最低でもこれ位の太さが必要だろう。



屋根裏は寝室となっている。奥に吹き抜け部分とさらにその向こうの東面の壁が見えている。

ドアも壁もなく開放的でありながら、狭く天井の低い寝室だ。狭さや低さを言うとネガティブに聞こえるけれども、うまくアレンジ出来れば心地良さともなる。最近の温暖化で、八ヶ岳山麓でさえ夏ともなれば、こうした屋根裏部分に暑い空気が滞留してそこでの昼寝もままならないというが、今のところ我が山荘は寒過ぎることはあっても、暑くて困ることはまったくない。それだけ建物が、採光を絞る作りになっており、寒冷な場所に建っているということなのだろう。

ここで見える柱、棟木、梁なども、皆今までご紹介したとおりの幅6寸あるいは1尺のものである。手元に資料がないが、左右から天井の勾配(45度)にそって伸びる登り梁はもう少し細い。4寸角くらいだろうか。



柱や梁や桁ばかりをお見せしたので、縦横の直線で目が疲れたでしょ。上の画像は平面、内壁だ。珪藻土を荒く、色を混ぜて塗ってある。左よりは右の画像の色合いの方が、実態に近いと思う。白以外には、黄色と赤だったか。まったく異なる色をベテラン左官職人が微妙にコテで混ぜながら、塗って行ったものである。かなりの技術だと思う。

左の画像に写る額に収まる美男子は、10年ちょっと前時点でのブレイス代表の丸山さんである。我が山荘の玄関正面の壁を飾り、「魔除け」の重責を担っている。彼の画像はこれだけではない。山荘のトイレにもある。実は写真が掲げてあるのは山荘だけではない。自宅のダイニングにもトイレにもある。ちょっと怖い。私は彼の「追っかけ」なのだろうか?



どんどん撮影する。次は床だ。山荘の床はパイン材を採用した。これも私がリクエストしたものだ。パイン材はよく「年月を経て美しいアメ色になる」と言われる。確かにそうなった。しかしこれを床材として採用した私は、少数派に属するらしい。パイン材は柔らかいからだ。小さな画像ではわかりにくいだろうが、あれこれ傷がつく。犬のひっかき傷はすごい。代々のワンコ達がそれぞれ記録を残してくれた。



さらに撮影大会が続く。左の画像は酒屋の前掛けだ。諏訪地方最大の酒蔵「真澄」の宮坂醸造のもの。これが我が山荘の台所入口の暖簾を務める。暖簾としては不適当なくらい分厚く重い布地だが、面白いので使っている。

右の画像は「ワイト島の6つの不思議」を題材にした絵皿である。ワイト島とは何か?ご存じない方も地図を見れば思い出す。英国本島の南海上にある菱形の島のことだ。地図は下の絵にあるとおりである。この島の北スグの所に英国本島があって、対岸にはポーツマスなんて街がある。日露戦争の後、1905年に米国を仲介役として日露間で締結されたポーツマス条約があるでしょう。それが締結された街のこと・・・ではないよ。あのポーツマスは米国にあるポーツマスだ。英米両国にはやたらと同じ名前の街があってややこしい。



では「ワイト島の6つの不思議」とは何か? これがまたなんとも他愛のないものなのである。例えば、最北端に「Cowes」という街が書いてあるでしょう?一般的な言葉としてはCowは「雌牛」の意味だが、この場合は単なるワイト島内の地名に過ぎない。だから「ミルクを絞ることの出来ない雌牛(Cow)」。これが「6つの不思議」のひとつだと言うのである。なんだかオヤジのダジャレ以下で、つまらなねぇ~という感じだが、そういう絵皿なのだ。他にも「水の無い湖(Lake)」、「糸を通すことの出来ない針(Needles)」等が書かれている。「不思議」と言っても、LakeだってNeedlesだって皆地名にあやかったダジャレである。

以上、「山荘内撮影大会」終了。
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おめでとうございます。 (原村)
2009-07-25 16:01:10
足跡に参加ですね。
アクセスが増えますよ。
自分の所に訪問頂いたので何方のブログがと思い訪問したら、なんとおちゃさんではないですか。
いよいよ足跡さんかですね。
友達の輪も拡がりますよ、たぶん。
返信する
Unknown (管理人)
2009-07-25 16:33:48
原村さん

なんだかよくわかってないのですが、
入ってみました。今まであまり
諸機能に関心をもっていませんでした。

さあ、どうなるのでしょう?
返信する
Unknown (のっぱらひろし)
2009-07-26 09:30:35
写真、どれもきれいですね。
家の中、整理整頓が行き届いてますね。
そしてブレイズ。
ほこり、くもの巣がはっていないのが不思議?
我が家の吹き抜けの張りなどには、ほこり、くもの巣、虫の死骸がのっかってます。
返信する
Unknown (管理人)
2009-07-26 09:48:26
ひろしさん

キレイに見えますが、実はほこりだらけです。
水平方向のブレイスは、上にほこりが
いっぱいたまってます。

どうしようもないのがファンで、
ものすごいほこりがたまりますが、
拭きようがありません。
たまに回転させていると、ドサッと
ほこりが落ちて来ます。

今年はウチの周辺、アリの当たり年みたい。
屋内で、たくさん死んでいるのを発見します。
確か前は2000年が当たり年だった。
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