『日刊ゲンダイ』に連載中の番組時評「テレビとはナンだ!」。
今週は、TBS「さしこのくせに」を取り上げました。
本文にも書いた通り、まずこのタイトルがお見事(笑)。
「“さしこ”のくせに冠番組なの?」という内外のやっかみを封じながら、主役の名前をしっかり入れ込むあたり、さすが秋元さんです。
この番組を教えてくれたのは、“さしこ”こと指原莉乃がごひいきだという我が家の高校生の息子。
第1回目の録画を見て大いに笑った。
それ以来、毎週、親子で見ております(笑)。
指原莉乃と土田晃之の組み合わせが面白い「さしこのくせに」
何とも秀逸なタイトルなのが「さしこのくせに」(TBS)。
“さしこ”とはAKB48の指原莉乃(さしはら・りの)のニックネームだ。
指原は人気投票に当たる「総選挙」では19位。
前田敦子や大島優子といったトップ組ではない。
特別美形とか歌が上手いわけでもなく、むしろ“へたれキャラ”。
「さしこのくせに」はそんな指原の冠番組だ。
いや、AKB48メンバー初の単独冠番組である。
コンセプトは「指原の育成」。
毎回さまざまな課題が与えられ、それをクリアしないと番組は打ち切り(ということになっている)だ。
戦場カメラマン・渡部陽一を対談で混乱させようとしたり、ダチョウ倶楽部の面々からリアクション芸を習ったりする。
見ていると、指原には天然の愛嬌がある。
また自分をよく見せようとしない潔さがある。
ごくフツーの女の子がフツーに頑張る姿が共感を呼ぶのだ。
しかし、この番組で見るべきは指原だけではない。
共演する土田晃之の“番組回し技”だ。
視聴者に「テレビの作られ方」をさりげなくバラしつつ、指原のへたれぶりをショーアップし、ゲストの持ち味を引き出す。
番組も指原も「AKB商法」と呼ばれる巨大ビジネスの一部であることを十分認識しながら、「テレビで遊ぶ」を体現しているのだ。
土田晃之、芸歴20年。
もはや単なる“ひな壇芸人”などではない。
(日刊ゲンダイ 2011.03.07)
・・・・というわけで、“さしこ”というか、“さっしー”ファンの息子が今、
楽しみにしているのが4月の幕張メッセ。
AKB48の「大握手会」が行われるそうだ。
いや、普通の握手会(?)ではない。
「特定の相手」(息子の場合はさっしー)と握手ができるというのだ。
そのために、彼は「桜の木になろう」の劇場版CDを購入した。
しかも、同じCDを3枚!(笑)。
これでさっしーと3回握手ができるらしい。
ほんと「アホか!」でありますが、まさに「AKB商法」大当たり。
少年たちのお小遣いは、こうして吸い上げられていくんですね(笑)。