新宿から高円寺へ。
まだ新しい小屋「座・高円寺」で、ラッパ屋公演『凄い金魚』を観た。
驚いたのは、開演前に、脚本・演出の鈴木聡さんからの「ご挨拶」があったこと。
20年近く、ずっとラッパ屋を観ているが、初めてのことだ。
鈴木さんいわく・・・・
「震災の影響で、都内のさまざまな芝居や音楽会やイベントが中止となっています。
けれども、こういう時だからこそ、ほんのいっときでも、ラッパ屋の芝居を観ていただき、笑って、少しだけ元気になってもらえたら、と思います。
芝居には、そういう役割、使命もあるのではないか。
余震もあり、交通の便も悪い状況の中、こうして足を運んでくださった皆さんに感謝します」
・・・・といった内容でした。
続いて、制作の山家かおりさんから、
「この観客席は特設のため、皆さんがどっと笑ったりすると揺れます。
ぜひ地震と間違わないでください。
本物の地震の場合は、舞台の上の照明機材が、カチカチと音をたてて揺れます。
そうなった時は、しっかり係員が誘導しますので、皆さん落ち着いて、それに従ってください。
本日は、ありがとうございます」
・・・・てな、お話でした。
客席は7割の入り、といったところ。
でも、お二人のご挨拶のおかげで、一体感ばりばりになりました(笑)。
そして、余震も、交通の便もかえりみず駆けつけたラッパ屋ファンたちの気持ちに応える形となった舞台は、それはもう迫力いっぱいでした。
何度目かの上演だが、観るたびにバージョンアップされている『凄い金魚』。
何度も笑って、やっぱりちょっとほろりとして、大満足の舞台でした。
ちなみに、帰りの地下鉄が地震のため途中で止まったりしましたが、芝居の余熱で苦になりませんでした。
『凄い金魚』は、予定通りであれば、21日(月)までやっています。
ラッパ屋第37回公演『凄い金魚』
会場:座・高円寺1
http://za-koenji.jp/detail/index.php?id=414
<脚本・演出>
鈴木聡
<出演>
福本伸一、おかやまはじめ、木村靖司、弘中麻紀、岩橋道子、俵木藤汰、大草理乙子、宇納佑、熊川隆一、岩本淳、中野順一朗ほか
<口上>
家族や親せきが集まる通夜の晩の、リアルな日常と、急に訪れるへんてこりんなドラマ。1996年に初演した、ラッパ屋の「原点」とも言える本作を、現代の私たちにぴったりくる新演出でお届けします。