碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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大切な人たちと一緒に戦う『ザ・ファイター』

2011年03月28日 | 映画・ビデオ・映像

26日から公開が始まった『ザ・ファイター』を観てきた。

実在のボクサー、ミッキー・ウオード。その実話映画だ。

「貧しい大家族に生まれたミッキー(マーク・ウォールバーグ)は、天才的な元ボクサーで麻薬中毒の兄、ディッキー(クリスチャン・ベール)や、マネジャーを務める母(メリッサ・レオ)と世界王者を目指す」という内容。

ミッキー役のマーク・ウォールバーグは、私の好きな俳優のひとり。

昨年ホノルルで観た『ジ・アザーガイズ』(日本未公開?)以来だが、あのコメディ調と同じ役者とは思えない。

本物のボクサーに見えるほどの、徹底した役作りだ。

また、先日のアカデミー賞では、クリスチャン・ベールが最優秀助演男優賞を、メリッサ・レオが最優秀助演女優賞を獲得した。

確かに、マーク・ウォールバーグを含め、3人とも見事な演技だ。

ボクシング映画だと、『ロッキー』や『レイジング・ブル』や『ミリオンダラー・ベイビー』が思い浮かぶが、そのどれとも違う。

“家族愛”とか“兄弟愛”というものが主軸だ。

それにミッキーの恋人(実話としては後に結婚)であるシャーリーンも大きな存在。

彼を支えることで自分自身も“再生”していく。そんな彼女を演じたエイミー・アダムスも良かった。

自分を大切に思ってくれている人たちがいる。

自分もその人たちを大切にする。

当たり前のことみたいだが、困難の中でどこまでそれが出来るか。

「決してあきらめず、一緒に夢を実現する」という物語。

それこそ、いつか被災地の人たちに見てもらいたい、と思ってしまいました。