23日は大学の卒業式だった。
いや、卒業式のはずだった。
今回の震災の影響で中止になったのだ。
それでも、学生に直接、学位記(卒業証書)を手渡す学科別集会は開かれた。
ひとりひとり、名前を呼ばれて、仲間たちの拍手の中で卒業証書を受け取った。
また、その後の謝恩会も行われた。
卒業生たちによる手作りのイベントだ。
我が家にも大学4年の娘がいるが、やはり卒業式は中止。
こちらは「学位記」を手渡す会も、謝恩会もなく、卒業生たちは各自、大学事務室で卒業証書を受け取るのだという。
ちょっと寂しい。
もちろん、まだ余震が続き、計画停電も続く中では、仕方ないかもしれない。
卒業式に地方からたくさんの父母が東京にやってきて、式の最中に何かあったらいけない、という配慮もわかる。
卒業式など所詮形式ではないか、という意見もあるだろう。
しかし、卒業生本人たちにしてみれば、学生から社会人へという大きな区切り、ひとつの旅立ちであり、それを祝福してあげられないのは残念でした。
3・11以前と以後、という区分けができそうなほど、社会のあらゆる面での価値観の変化や転換が起きているように思う。
彼らは、「3・11」を経験した最初の卒業生だ。最初の社会人だ。
そこから生まれるものも、きっとあるのではないか。
いや、そんな何かを生み出していってもらいたいと思う。
そのためには、これまでの常識や既成概念にとらわれず、自分のアタマで考えること。
池上彰さんに聞いてばかりじゃいけません(笑)。
そして、ぜひ、お父さんやお母さんに、心からの「ありがとう」を。
・・・・といった話を、謝恩会の挨拶で、させてもらいました。
卒業、おめでとう!