碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

『サンデー毎日』で、「京大入試投稿事件」に関してコメント

2011年03月14日 | メディアでのコメント・論評

発売中の『サンデー毎日』(3月20日号)。

特集「モンスターペアレントが生む携帯カンニング-京大入試投稿事件」でコメントしています。

記事のリードは、

京大の入試問題不正投稿事件で、仙台市の予備校生(19)が偽計業務妨害容疑で逮捕された。「携帯世代の出来心」では許されない事態。だが、大学側もカンニング摘発に積極的に踏み切れない事情がある。

内容としては、

大学では、様々な場面でモンスターペアレント(モンペ)の影響が大きいこと。

入試も、モンペの影に怯えながら実施しているのが現状だという。

一方、ネット掲示版が不正投稿に使われたことにも注目している。

予備校生が不正行為だと認識していたかどうかを懸念。

卒業論文での “ネット頼み”の横行。

定期試験でのネットの“悪用”。

といった事例の後、私のコメントになっている。

上智大の碓井広義教授(メディア論)は「ネットに依存するあまり、自分で考える力が奪われ、善悪の意識すら薄まっているのではないか」とみる。

「深く考えて思い悩むことは、自我を確立し成長する上で重要な過程です。けれど自ら考える前に、安易にネット検索で済ませてしまう人が増えた。

知恵袋では、検索すら省いた質問者に『人に聞く前に、自分で検索すれば簡単に分かる』など批判の書き込みが珍しくない。

若い世代に判断を常に他人に預ける習慣が定着するのは不安です」

(サンデー毎日 2011.03.20号)



・・・・上記の問題を踏まえた上で、今回の事件では、大学入試だけでなく、現在の大学のあり方も問われている。

これまでの入試、これまでの大学を再検証するきっかけになればいいと思います。