結局、こういうことになる。
日テレの報道番組「news every.」が、BPOの“審議入り”だ・・・・
<BPO>日テレ報道番組について審議へ
「公正と言えない」
放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は11日、日本テレビの報道番組「news every.」が4月25日に放送した特集「食と放射能 水道水は今」について、「公正な放送とは言えない」として審議入りすることを決めた。
同番組で神奈川県内の飲料水販売企業を取り上げた際、制作会社から派遣されたディレクターがこの企業経営者の親族の女性を顧客として登場させ、「水道水は不安があるので水を買って飲んでいる」といった発言を放送した。番組取材班は企業側から顧客として女性を紹介され、日本テレビの担当ディレクターらも事実関係を確認していなかった。
昨年1月放送の「news every.サタデー」でも、ペットが対象のマッサージ店を紹介する際、番組スタッフが店員と知りながら一般客として登場させていたことから、日本テレビは取材対象企業の関係者を利用者として扱わないようにガイドラインを設けていた。
(毎日新聞 2012.05.11)
・・・・日テレが番組サイトにアップした、あの「報告」で見る限り、自分たちの行為に対して、あまりに自覚が無さ過ぎたのだ。
去る5月5日、私はこのブログで、次のように書いた・・・・
「お詫び」とか「謝罪」ではなく、あくまでも「報告」(笑)。
しかも、「日本テレビ」からでも、「news every.」という番組からでもなく、「every.特集」という番組内のワンコーナーからの「報告」だ。
まあ、「その程度のことでしょ」と言いたいし、済ませたいわけですね(笑)。
別に構いませんが。
それに、「取材担当者がちょっとしたミスはしたけど、それ以外は誰も悪くなかった」的な、不思議かつ巧みな文章も、見事です(笑)。
ただ、今回の件が、つい昨年の出来事と重なって見えるのが、気になる。
昨年、「news every.サタデー」の中で紹介された、ペットサロンとペット保険の2人の女性客が、実は一般の利用者ではなく、ペットビジネスを展開する運営会社の社員だったのだ。
この時は、放送倫理・番組向上機構(BPO)が、事案「ペットショップの取材対象者が不適切だった日本テレビの報道番組」として審議し、意見書を出している。
つまり、社員と親族の違いはあれ、形としては、同じ番組が、前回問題になった時と同様の“手口”、いや“手法”で、取材を行っていたのだ。
さすがに今回は、「親族であっても利用者であることには違いない」とは言い張らなかったわけですね(笑)。
とはいえ、「意見書を真摯に受け止め、チェック体制の一層の強化と放送倫理向上のためのさらなる研修に取り組」んだ結果、1年後に、また同じ報道番組で、同じような“やらせ”、いや“ルール抵触”が起きたことになる。
「どうなってるの?」と思われても、仕方ないのではないだろうか。
残念です。
・・・・制作現場で、今回のような低レベルの“ものづくり”が連続して行われてきたのは事実だ。
そして、放っておけば、これからも同じような問題は何度でも起きる。
なぜなら、制作側に「基本的な常識」が欠けているからだ。
日テレは、以前BPOが出した、重松清さん執筆の「若きテレビ制作者への手紙」を、キャリアを問わず、現場の制作者たち全員に読ませるべきでしょう。
http://www.bpo.gr.jp/kensyo/decision/011-020/012_k_letter.pdf
<このブログ内での関連記事>
日本テレビ「news every.」の“ルール抵触”問題について
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/af97ef0661e01a1f0057b59d20e280a8