碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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テレビ朝日「都市伝説の女」の長澤まさみ

2012年05月30日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』に連載している番組時評「TV見るべきものは!!」。

今週は、テレビ朝日「都市伝説の女」を取り上げました。

少し深夜のほうが、ゴールデンタイムよりも自由度がある分、面白いドラマがあったりします。


ショートパンツからのぞく
美脚を眺めるだけでも価値あり

こんなに生き生きした長澤まさみを見るのは久しぶりではないか。テレビ朝日の連ドラ「都市伝説の女」である。

タイトルに「都市伝説」とついているが、正面から扱うわけではない。どんな事件も無理やり都市伝説と関連付けたがる困った女刑事の話だ。

この少し変わった設定のおかげで、ありがちな刑事ドラマに民俗学、超常現象、オカルトといったプラスアルファの要素が加わった。

初回の平将門・首塚伝説に始まり、ドッペルゲンガー(もうひとりの自分)、高尾山の天狗、国会議事堂の開かずの間、先週は座敷わらしが登場。ストーリーを大いに盛り上げている。 

もっとも、最大の見どころは、ちょっと天然なヒロインを体当たりで演じている長澤だ。何しろ地上波で主役を張るのは、3年前のTBS「日曜劇場・ぼくの妹」以来。その意気込みは長い足が映えるショートパンツ姿にも現れている。

これは、ついに美脚という〝資産〟の運用に打って出たと言うべきだ。堀北真希、綾瀬はるから同世代のライバルたちに水をあけられている現状を打破するためだろう。この美脚を眺めるだけでも当ドラマを見る価値は十分にある。

また長澤の上司役は竹中直人だが、このコンビの抜群の相性は昨年のNHK「探偵Xからの挑戦状!」で実験済み。竹中は今回も〝コメディエンヌ・長澤〟を余裕で支えている。

(日刊ゲンダイ 2012.05.29)