碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

7万人の皆さんに、感謝

2010年01月07日 | テレビ・ラジオ・メディア

ふと、というか、つい、というか、このブログを始めてしまったのが2008年4月のことだ。

自分なりの記録にでもなれば、という軽い気持ちだった。

あと3ヶ月で丸2年になる。

ふだん三日坊主が得意なので、自分でもびっくりだ。

しかもアクセス数のカウンターを見たら、閲覧数のトータルが約18万。訪問者数が7万人を超えていた。

有名な方々のブログの数字は途轍もないものだが、一個人である私にとって、7万人は大変な数だ。

何しろ、私の故郷の町の人口が約6万7千人。市民全員が一度は訪問してくれたことになる。

すごいじゃないですか(笑)。

また、知り合いの中には、「見てますよ」と言ってくれる人もいて、私が、いつ、どこで、どんなことをしているのか、本人よりも詳しかったりする(笑)。

このブログのおかげで、物理的には離れた所にいる方々も、自分を見守っていてくださるような気がして、とても有難い。

たかが7万人、されど7万人。

今年も引き続き、気張らず、楽しみながら、専門であるテレビを中心に書かせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。


北海道での放送まで、あと3日

2010年01月07日 | テレビ・ラジオ・メディア

昨夕、『北海道新聞』からFAXが届いた。

夕刊に掲載された、「課外授業ようこそ先輩」五十嵐威暢篇の紹介記事を送ってくださったのだ。

そう。

全国的には、昨年12月27日にオンエアされた「おもいをカタチにしてみよう~彫刻家・五十嵐威暢」。

しかし、“ご当地”北海道では、今週末10日(日)の放送なのである。

いわゆる「時差編成」というものだ。

時差という言葉が使われているのが、何だか楽しい。

“多くの人に、同じ情報を、同時に伝える”というのが、テレビ最大のチカラだ。しかも“全国あまねく”のNHKである。

まあ、NHKにはNHKの事情があっての時差編成なのだが、やはり不思議な感じがする。

というのは、北海道単身赴任時代に、ちょっと驚いたのが週刊誌の発売日だったのだ。

たとえば、それまで東京で月曜日に買っていた「週刊現代」や「週刊ポスト」が、北海道では月曜に店頭に並ばない。

2日遅れの水曜日くらいに、書店やコンビニで発見することになる。

赴任早々の頃は、こんな小さな国なのに、情報の“時差”がしっかり存在することに驚いたものだ。

もっとも、あっという間に「水曜発売」に慣れちゃったけど(笑)。


とにかく、北海道における『課外授業』は、1週ずつ、ズレながら放送されているわけです。

12月27日全国放送の五十嵐篇は、1週後だと1月3日ということになり、それだと正月編成期間なので、10日のオンエアということになった、と。

では、道内の皆さんに、あらためて告知させていただきます。


『課外授業 ようこそ先輩』
 おもいをカタチにしてみよう ~彫刻家 五十嵐威暢~

NHK総合テレビ(北海道)
 2010年1月10日 (日) 午前10時50分より

ナレーター:中嶋朋子
ディレクター:藤島保志
プロデューサー:碓井広義/原 徹(NEP)
制 作:アウンビジョン

詳細情報(番組サイト)
http://www.nhk.or.jp/kagaijugyou/archives/archives322.html


・・・放送まで、あと3日。もうしばらく、お待ちください。

女優・森口瑤子さんは「新アラフォーの星」!?

2010年01月06日 | メディアでのコメント・論評

本日発売の『週刊新潮』(1月14日号)に、コメントが掲載されている。

TEMPO欄のテレビジョンのページ。

テーマは、今週始まったフジテレビ系の昼ドラ「インディゴの夜」(制作:東海テレビ)、主演の森口瑤子さんについてだ。

記事のタイトルは、<雌伏26年「森口瑤子」が摑んだ「昼ドラ」主役>。

ドラマ「インディゴの夜」の内容に続いて、森口さんの“これまで(ミス松竹とか)”が紹介されている。

要するに、美人女優であり、松竹の看板でもあるのだが、羽田美智子さんとキャラがかぶるなどの理由で、あまり目立たなかった、というのだ。

記事の最後にある私のコメント部分は・・・


で、この店長(森口さんが演じるホストクラブ「インディゴ」の店長)、高原晶役。ひょっとするとブレークしそうだ、というのは碓井広義・東京工科大教授(メディア論)。

「5話完結なので、展開も速く、スカッとした役どころは、彼女の魅力が前面に出てくるのでは、と期待しています」


・・・確かに、森口瑤子という女優さんは、もっと表に出てきてもおかしくなかった人だと思う。

「インディゴの夜」の原作は、加藤実秋さんの小説。

この本が出た時に面白く読んだ。

いわば“ホスト探偵”たちが活躍する異色ミステリーの連作であり、サスペンスとユーモアの配合が絶妙だった。

店長の高原晶は彼らの司令塔みたいな存在で、森口さんとしても“見せ場”は豊富だ。

記事に添えられた写真のキャプションは「新アラフォーの星」。

ぜひ、がんばっていただきたい。


インディゴの夜 (ミステリ・フロンティア)
加藤 実秋
東京創元社

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倉本聰さん曰く「テレビは“劣化のスパイラル”」

2010年01月05日 | テレビ・ラジオ・メディア

今日の『産経新聞』に、脚本家・倉本聰さんのインタビューが載っていた。

記事のタイトルは「話の肖像画 臨界の日本(上)」。

長年続けてきた富良野塾を閉じるに当たって、ということだが、現代の若者たちに対する感想はかなり苦いものだ。

そして、テレビについて問われると、次のような言葉を返している。

――(記者)最近のテレビをどう見ていますか。バラエティー、お笑い番組全盛で、いつも同じ顔ぶればかり…

倉本:全く同感ですね。こうした番組は「数字(視聴率)が取れるから」というけど、視聴率調査はそもそもCMがどれぐらい見られているか、の調査ですよ。つまり「経済ベース」でモノを見ている。本当にどんな番組が見られているのかを調べるなら国(総務省)が主導して録画率まで調べるべきでしょう。

――ドラマはどうですか

倉本:まったく見ませんね(苦笑)。見ると、どうしても批評家になっちゃうんですよ。「こうすりゃいいのに」ってね。テレビも視聴率(つまり経済本位)ばかりに目が行って“劣化のスパイラル”に陥っている気がします。こっちも視聴者の方が、ずっと先を行ってますよ。
(産経新聞 2010年1月5日)


うーん。辛いことだが、倉本さんの指摘は的を射ているのだ。

草創期からテレビと関わってきた脚本家の、この深い絶望感のようなものに、今、テレビはどう応えられるだろう。

2010年のテレビ界を展望

2010年01月05日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』での連載コラム「テレビとはナンだ!」。

今年最初の原稿は、2010年を展望する形で書かせていただいた。


見出し:

民放が貧すれば鈍するにならないことを祈りたい

コラム本文:

昨年、テレビ界の“流行語大賞”は「予算削減」だった。

今年も引き続きこの路線が進むはずだ。

何しろ好景気は望めないし、たとえ多少景気がよくなっても視聴者側での「テレビの優先順位落ち」は回復が難しい。

スポンサー側もその辺りは承知していてテレビ広告を控える。

するとまた予算削減→質の低下→視聴者のテレビ離れ→スポンサー離れと“負のスパイラル”が加速するのだ。

一方、昨年元気だったNHK。

不況でも受信料は入ってくるから今年は民放との差がより開く。

「坂の上の雲」など超大作はもちろん、昨年の「ブラタモリ」や「ワンダー×ワンダー」のようなエッヂの効いた娯楽番組を繰り出してくるだろう。

ならば民放はどうするか。

まず、これまで以上に知恵をつかう。

昨年のテレビ東京「空から日本を見てみよう」がいい例だ。

さらに少ない予算を有効に生かすこと。

自社の利益を減らしてでも、予算を制作会社に回し、番組の“中身”にお金をかけるのだ。

それでこそ“現場”も頑張れる。

昨年11月、放送倫理・番組向上機構(BPO)がバラエティ番組に対する異例の意見書を出した。

「バンキシャ!」など報道系の次は、バラエティで問題が起きそうだとの予感があったからだ。

民放が「貧すれば鈍する」に陥らぬ1年であることを祈りたい。
(日刊ゲンダイ 2010年1月5日付)

“読み初め”は、梶山季之『小説GHQ』

2010年01月04日 | 本・新聞・雑誌・活字

今年の“読み初め”に選んだのは、敬愛する梶山季之さんの名作『小説GHQ』。

昭和51(1976)年の初版本だ。

テーマはGHQの占領政策であり、財閥解体というかなりヘビーなものだが、それを堂々のエンターテインメント小説に仕立て上げている。

登場するGHQの面々は実名だし、現実の出来事が活写されているのはもちろん、謎に包まれていたはずの内部もきっちり描かれている。

つまり、当時として可能な限りの取材を行い、その上でフィクションとしての面白さを加味しているわけで、そのあたりが梶山さんの凄さだ。

この小説の重要人物の一人である島田子爵夫人は、実在の鳥尾子爵夫人がモデル。

占領当時、GHQ民政局にいたケーディス大佐との親しい関係が噂になった。

以前、その鳥尾夫人に、ドキュメンタリーの取材でお会いしたことがある。年齢を感じさせない記憶力と艶やかさが印象深い。

この小説を読んでいると、GHQが行った占領政策が、その後、現在にまでつながる太いレールとなっていることを、あらためて感じる。

梶山さんは、この小説の連載が終わっても、単行本化を許さなかった。

書き直そうとしていたからだ。

しかし、その死によって果たせなかった。

巻末には、山口瞳さんによる解説がある。

この本が出版される1年前に亡くなった親友への哀悼の思いに満ちた名文だ。

結びの文章は、「自分の構想の半分も実現し得ないで、不可能とも思われるテーマに組みついて、しかもこれだけ読ませてしまう作家がどこにいるかという思いを新たにしたのである」。

活字が立ち上がってくるような、梶山さんのペンの勢いに刺激を受けた“読み初め”だ。

今年の“初取材”は、NHK『龍馬伝』

2010年01月03日 | メディアでのコメント・論評

週刊誌から、今年の初取材を受ける。

お題は、NHK『龍馬伝』。

今日の第1回目を、どう見たか、だ。

まずは、面白かったです、と答える。

岩崎弥太郎が“語り手”という構造を含め、福田靖さんの脚本がいい。

さすが、『ガリレオ』や『CHANGE』の脚本家。

次に、その脚本を映像化するために、NHKがきっちり予算と手間をかけていること。

民放の窮状が今年も進行することを思うと、これぞという番組に潤沢な予算を投入するNHKとの“格差拡大”が心配なほどだ。

演出は『ハゲタカ』の大友啓史ディレクター。

映像も期待を裏切っていない。

そして、龍馬の福山雅治、岩崎の香川照之、武市半平太の大森南朋と、俳優陣の芝居も充実している。

女優陣も、草刈サン、広末サン以外は(笑)、皆さん、達者だし。

とりあえず、来週も見ると思います。

今年の”聴き初め”は、昭和の音と音楽

2010年01月01日 | 舞台・音楽・アート

弟が、ブログを立ち上げた。

タイトルは「浪漫紀行」。

「昭和のなつかしいメロディを、当時のオーディオ機器で鑑賞します」と説明がある。

で、これが結構充実の内容。

趣味で集めた古いオーディオ機器、特に昭和のレコード・プレーヤーを公開しているのだ。

歯科医師としての腕を生かし(笑)、壊れていたものを修理して、実際に使えるように再生。

さらに、当時のレコードをかけて、聴かせてくれる。

動画なので、懐かしいプレーヤーが動き、曲が流れる様子を目と耳で楽しめるのだ。

かなりマニアックですが(笑)、よかったら、立ち寄ってみてください。


浪漫紀行
http://keiai1515.blog51.fc2.com/


というわけで、今年の”聴き初め”は、昭和の音と音楽でした。

新年

2010年01月01日 | 日々雑感

明けまして、おめでとうございます。

2010年。

さあ、どんな年になりますか。

政治方面は、昨年の大きな動きの実相とその影響が、今年は具体的に出てくるはず。

経済方面は、急に好転する要素はあまり見えないわけで、”引き続き”という具合でしょうか。

そんな環境の中で、仕事や日々の生活としては、自分の中で優先順位をつけながらやっていくことが必要かもしれません。

個人的には、「これからの10年」という貴重な時間をどう使っていくか、がテーマです。

とはいえ、「やりたいこと」と「やれること」の重なり具合と相談しつつですが(笑)。

まずは、今年も元気で元旦を迎えられたことに感謝して、この1年をスタートしたいと思います。

今年も、どうぞよろしく、お願いいたします。


                        2010年1月1日
                          碓井 広義