あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

ルネ・クレマン監督の「海の牙」を見て

2012-02-07 08:18:29 | Weblog


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.197

第2次大戦末期の北海を舞台に、あくまでも第3帝国の勝利を目指す人々のUボートの中での戦いと離反を名匠が最後までスリルとサスペンスを保ちながら演出しています。

敗色濃厚のスエーデンのオスロ港から南米脱出を図る潜水艦に乗り合わせたのはナチスドイツの将軍やゲシュタポ、ムソリーニ支持のイタリア財界人夫妻やノルウエーの学者と娘、途中で誘拐されたフランス人の医師(アンリ・ヴィダル)たち等の国際色豊かな顔ぶれが興味深い。呉越同舟の呪われた敵味方を乗せたUボート内部の息詰まる人間関係と最後の対決がみものだが、将軍の妾に扮したフロランス・マルリーが妖艶。

たった一人で潜水艦に取り残された医師が米軍によって救助され、1947年製作のこの映画のネタを執筆するという筋立てになっているが、いずれにしても潜水艦が登場する映画はすべて面白い。



一匹の山猫となりて巣に潜む 蝶人
コメント
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