あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

西暦2015年葉月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2015-08-31 10:40:21 | Weblog


ある晴れた日に 第331回


コンビニに三浦西瓜がわんさか並び湘南の地に盛夏来たれり

吾輩は今日もはよから熱帯の和風リゾートに滞在ちう

由比ヶ浜にジュリア・ロバーツ似の魚が三匹泳いでいました

鎌倉の由比ヶ浜沖でこんにちは赤きイルカに乗りし少女よ

鎌倉の由比ヶ浜で戯れる半世紀前の僕たち君たち

甲子園で勝たせたきは公立校それもできたら初出場の

武者人形のやうな顔した早実の清宮選手がホームランを打つ

ほらご覧あれに見ゆるは兼好法師「能ある人は無能になるべし」とぞ

断言をすればするほど引いてゆく潮の流れを人の心を知らぬ宰相

図書館で予約していた「明治天皇伝」取り忘れたがそれもよかろう

四方の海みなはらからと思ふ世になど戦争法案上程するらむ

ゆくゆくは天皇になるてふ八歳の少年が観たとふ昆虫映画

「絶対に断じてまったくいささかも戦争なんてありえないのであるんであるん」

戦争が起これば由比ヶ浜のホンダワラを採って朝比奈峠に逃げよう

戦好きの猪八戒が履くといふ切れ目なき十のパンスト破りて捨ててよ

誰かさんの振り付け通りに歌い踊るAKB自公の阿呆ずらを見よ

「違憲なり戦争法案撤回せよ」サメザメと泣きながら訴える三十匹のサメ

猪八戒に賛成はしないが反対もしなかったそんな三蔵法師が招く戦争

ああウナジロウウナジロウよ!行方不明の天然ウナギをその名で呼びにけり

暗闇にウナジロウの名を呼ぶ暑さかな

「一頭」と誰に呼ばれん蜆蝶

宰相が憲法破る葉月かな

蝉の声ひときわ高し敗戦日

原爆忌黙祷をしてさてどうする

一分の黙祷の後どうするんだ

カンナ咲くイデオロギーに違いあり

クマゼミの姿は見えず空に雲

真夜中にミンミンゼミが鳴いている妻が欲しいと泣いている

蝶よりも蛾を低く見るそのこころ人種差別のはじまりなるか

三年ぶりに真夏の午後に聴きました吉田秀和「音楽のたのしみ」

中国の肉食系のバリバリの弾いて弾いて弾きまくるピアノは玩具

「ウィーンの三羽鴉」なぞといわれつつ尾羽打ち枯らす鴉もあるさ

猛烈な暑さを押し返さんと繰り返し聴くブルックナーの交響曲第8番

わが心飛べ遥かなる宇宙の彼方へブルックナーが見た神と会うべく

社会の窓を開けたままにする車谷長吉妙な奴だと思いしがいつのまにか自分でもしておる

葉山町一色の県道を歩いていた23歳の女子大生を轢き殺した20歳の会社員

世の中はなかなかうまいこといかんのお 残念、残念、残念じゃった 

国会を全日本を埋め尽くす安倍打倒違憲戦争法案反対の声 


   「今月はもうお休みはありません」鎌倉市立中央図書館 蝶人

         長男の浮輪潰して葉月尽 蝶人
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八月の歌~「これでも詩かよ」第156番

2015-08-30 11:50:04 | Weblog



ある晴れた日に 第330回


いやさか、いやさか
葉月になれば、
ものみなすべてが、帰ってくる。
みんな、みんな、帰ってくる。

朝から高らかに鳴き誇るのは、クマゼミ、ミンミン、アブラゼミ
負けじと声を合わせるのは、ニイニイ、ヒグラシ、ツクツクボウシ
みんな、みんな、帰ってきたんだ。
去年のやつらが、帰ってきたんだ。

滑川には、毎度お馴染みのカモのカップルに加えて、
大亀のドン太と息子のドン太郎、
久しぶりに青鷺のザミュエルも姿を見せて
みんな、みんな、ブルームーンを見上げています。

いやさか、いやさか
葉月になれば、
ものみなすべてが、帰ってくる。
みんな、みんな、帰ってくる。

八月二日の夜七時
三つの連続台風で由比ヶ浜に流された、と諦めていたら
オオウナギのウナジロウが、帰ってきたんだ。
懐かしい故郷の川に、帰ってきたんだ。

「おいウナジロウ、小町の鰻獲り名人の爺さんの手から逃れて、よく戻ってきたな」
と声を掛けると、
天然ウナギのウナジロウは、夜の滑川でくねくね、くねくね泳ぎながら、
いつものように軽やかにジャンプしてみせたんだ。

いやさか、いやさか
葉月になれば、
ものみなすべてが、帰ってくる。
みんな、みんな、帰ってくる。

もうすぐお盆
耕君の弟の健ちゃんも、
久しぶりにおうちに、帰ってくるでしょう。
亡くなったおじいちゃんやおばあちゃんも、
手に手をとって、帰ってくることでしょう。

いやさか、いやさか
葉月になれば、
ものみなすべてが、帰ってくる。
みんな、みんな、帰ってくる。


   コンビニに三浦西瓜がわんさか並び湘南の地に盛夏来たれり 蝶人

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夏休み大人の子供向け冒険映画ずら

2015-08-29 10:53:20 | Weblog


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.886,887


○リドリー・スコット監督の「ロビンフッド」をみて

 リドリー・スコットはこうした規模壮大な歴史劇を好むが、「グラディエーター」が大成功したので2匹目のドジョウを狙ったのだろうか。本作でも同じラッセル・クロウを主役に据えているが、私はこの見るからに陰鬱な顔立ちの男を見ているとだんだん憂鬱になり、生きているのが厭になるのである。

 しかし中世イングランドの伝説上の人物を、いかにも本物らしく仕立て上げるものだ。ちょうど我が国の鎌倉時代の話なので、弓を得意とするロビンフッドとは東西で平仄が合っている。

 鎌倉武士は100m先の敵を百発百中で仕留めたらしいが、それと全く同じシーンが出てくるのである。


○マーティン・キャンベル監督の「マスク・オブ・ゾロ」をみて
 
 悪代官と対決するゾロの1代目はアンソニー・ホプキンスであるが、不幸にして愛妻を殺され愛娘を悪代官に奪われ牢の中で徒に20年の歳月が流れるが、どっこいしぶとく生きながらえて2代目ゾロをアントニオ・バンデラスという若者につなげるという趣向は面白いと言えば面白いが、詰らないと言えば詰らん脚本で、かつて名だたる映画に出て名声を博したホプキンスがこんなになんでこんなのに出ているのかという怒りも湧いてくる1998年製作の凡庸なアメリカ映画ずら。


  賛成はしないが反対もしなかったそんなわれらが招く戦争 蝶人
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シドニー・ポラックの2本ずら

2015-08-28 11:40:01 | Weblog


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.884、885


○シドニー・ポラック監督の「大いなる勇気」をみて

 1850年代のアメリカで街場暮らしに愛想をつかして山の中で一生を送った元南軍兵士の物語をロバート・レッドフォードが演じているが、私はそんな不便な山奥で暮らす人間には興味がないので、終始冷淡に見物して終わった。

 主人公はたまたま先住民の娘と親兄弟を皆殺しにされた男の子の3人で一つ屋根の下で暮らしささやかな幸せをつかむのだが、それも一場の夢と消え去ってしまう。哀れというも儚し。


○シドニー・ポラック監督の「ザ・インタープリター」をみて

 原題の「The Interpreter」は通訳という意味。ヒロイン(ニコール・キッドマン)の職業が国連のアフリカの少数民族の言葉の通訳をしているので、それをそなまま邦題にしたのはいいけれど、「ザ」ではなく「ジ・インタープリター」にすべきではないだろうか。

 ヒロインの母国で反対派を皆殺しにしている独裁者の大統領が、NYの国連本部で演説をすることになったが、暗殺者が跳梁跋扈しているので、その身辺警護をショーン・ペーンが担当することになり、孤独な2人が次第に情を深めていくという社会派ラヴ・サスペンスドラマの佳作であるが、これが「追憶」の監督の最後の作品になったとは淋しい限りである。

 ところでニコール・キッドマンもショーン・ペーンもなんだか正体不明のアジサイみたいな俳優だね。


  家毎に三つの憂い窓閉ざす 蝶人

  葉山町一色の県道を歩いてた23歳の女子大生を轢き殺した20歳の会社員 蝶人
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2本の時代劇ずら

2015-08-27 13:42:10 | Weblog


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.882,883


○滝田洋二郎監督の「壬生義士伝」をみて

官軍が火砲を乱発している最前線に抜刀した主人公が突撃していけば即死するに違いないのに、それが生き延びて親友が留守居役を務めている南部藩邸に逃げ込んだら腹を切れと言われたので切腹して果てた。

という子母澤寛経由浅田次郎の原作にリアリテイがないので大いに興を殺がれるが、貧しい妻子を養うために脱藩して新撰組に入り、どんどん人を斬る「優しい東北人武士」吉村貫一郎役を中井貴一が好演している。

代役の滝田も敢闘しているが、できることなら相米慎二のメガフォンで見たかったずら。


○内田吐夢監督の「浪花の恋の物語」をみて

近松門左衛門の「冥途の飛脚」を原作に、忠兵衛を私の嫌いな錦之助が演じるが、これは監督が厳しくコントロールをしているので珍しく殊勝な味わいを出しているし、相方の有馬稲子も同様。

ほおっておけば放恣に流れかねない悲恋物をきっちりと古典の規範に収めたのはやはり監督の力量といえそうだが、あの大きな顔で長谷川一夫が近松を演じるのは勘弁してもらいたいずら。


  蝶よりも蛾を低く見るそのこころ人種差別のはじまりなるか 蝶人
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カール・シューリヒトのベートーヴェン交響曲全集、ブルックナーの3,8,9番を聴いて

2015-08-26 10:45:24 | Weblog


音楽千夜一夜第346 回


今は亡きEMIレーベルから出された巨匠カール・シューリヒトの定評ある銘盤ずら。

 巴里のコンセルヴァトワール管弦楽団を率いて1957、8年にサル・ワグラムで録音されたベートーヴェンは時代が古いせいもあってよくいえば典雅、どこかおっとりした温和な音がして、ヨーゼフ・クリップスがロンドン交響楽団と入れた全集と好一対をなす。

 この節はやれ古楽器だ、やれ改定版音譜だ、前衛的解釈だとかあの手この手の微に入り細にうがった最新式の演奏がもてはやされるが、そういうことは音楽の本質とはなんのかかわりもないのであって、それは耳のある人が黙って聞けばすぐに分かるのである。

 このコンピレーションには1960年代にウィーン・フィルと録音した3曲のブルックナーも含まれているが、これまた名演で、とりわけ眠れない真夏の夜に聴くハ短調の第8交響曲は、騒がしい世の中と人世を忘却し、疲れた心を宙外に飛ばせる不可思議な魔力を秘めているやうだ。

  わが心飛べ遥かなる宇宙の彼方へブルックナーが見た神と会うべく 蝶人
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夢は第2の人生である 第27回 

2015-08-25 11:33:09 | Weblog


西暦2015年如月蝶人酔生夢死幾百夜


「をが句愛もラテジナび詩ごで安画ずづレナベデグアジも短匹ら、具女駄ぺ土地うぞ殿鴈てれぴとだんき独輪階じ上舌で、聴わ人選鬱欒きららぺち雲虫郎舎が電畜以欄たですうぬ。だち、あり典膣、具みざて」2/1

(承前)私が自分のパソコンで打って印刷したパンフレットの文章は、私以外の人間には解読できないという不可解な理由で、私は長年勤務していた茂原印刷を解雇されました。さて、この文章、読めるかな。2/1

外付けHDDが壊れてしまったので困っていたら、誰か親切な男が、「大丈夫だよ、ほら、内蔵されていたソフトを全部取り出してあげたからね」と云いつつ、長い天秤棒を振り回しながら、茶色をしたそれらを地べたに丁寧に並べた。2/2

「今日は2月3日の節分なので、神様が天からマナを降らして下さいました」と言いながら、耕君たちにケーキをあげた。2/3

ブリザード吹きすさぶ団結小屋で一晩中ガタガタ震えながら、私は改めて冬山登山は危険だと痛感していた。しかしそれでもなぜ多くの中高年の人々は、冬山に登ろうとするのか?と考え続けていた私に、天啓がひらめいた。人は死ぬために冬山にやってくるのだ。2/2

「緑が必要だ。5月の青空に強烈に映える若草のような緑が! だから私は、そのまだ見ぬ緑を求めて、全国津々浦々の山野をロケハンしているのだ!」と、その監督は叫んだ。2/3

私たち親子がその温泉場に素っ裸で入っていくと、真っ白な大蛇の親子が待ち構えていて、真っ赤な舌をチラチラさせるので、恐怖のあまり私と耕君は、ひしと抱き合った。2/4

或る人が、「○○と人質の命のどちらかを選べと迫られたら、必ず○○を選べ」と云い切ったのは、どんなに人質の体がバラバラにされていても、後から必ず修復できる自信があっ
たからだろうが、首のない人間をどうやって元に戻すことができるのだろう、と私は訝った。2/4

僕らはお国のために役立つ善いことをしたご褒美に、全国を遊覧する無軌道不定期臨時列車を1カ月自由に乗り回す許しを得たのだが、どこへ行こうとしても定期運行の列車が間断なく走り回っているので、危なくてなかなかその隙間を走れないのだった。2/5

フマ君が呉れたペットボトルの水を飲むと、その中に入っていた虫が口の中に入ったのでペッペと吐きだしたが、これは単なる虫ではなく吸血蛭で、彼の家にはたくさん繁殖しているというのであった。2/6

三越の岡田が、自家の銘菓栗饅頭を抛り投げたので、ドタマにきた私が、彼奴に摑みかかろうとしたら、神戸のモロゾフおじさんが、梶川与惣兵衛のように懸命に阻止するのだった。2/6

土地測量の結果、3人の土地所有者のうちの一人である切通氏の所有スペースが無くなっ
てしまったので、氏は残る2人を激しく怨んだ。2/7

ベルリン映画祭の初日にメイン会場で上映を待っていたのだが、待てど暮らせど始まらない。そのうちに超満員だったはずの会場がガラガラになり、私はたった一人で取り残されてしまった。2/8

撮影が終わって草原でランチをしていると、北欧生まれの透きとおった肌をした若い女優が、どういう風の吹きまわしか艶然と微笑みながら、その柔らかいからだを押しつけてきた。こういうことは人世では稀有なことなので、絶対に機を逃してはならない。

私が彼女の手を引きながら、鬱蒼と茂った大樹の黒い木陰に身を隠し、大急ぎで抱擁し、接吻し、乳房を愛撫しているうちに、彼女は急速にその気になってきたというのに、私のはまたしても我関せず焉で、物の役に立ちそうもない。嗚呼!2/9

もうすぐ芝居の本番が始まるので、私はさっきから何回も自分の台詞を大声でしゃべったり、全身を屈伸させたりして、一瞬もじっとしていなかったが、それはそうすれば緊張がほぐれると思っていたからだ。2/10

急激に没落しつつあるユニットMASOPのために起死回生の新作を書け、と依頼された私は、七日八夜七転八倒した挙句、四畳半の押し入れの中から出てきた旧曲「みんな、みんな、ありがとう」を恐る恐る発表した。2/10

私がひそかに盗み出したカタログを彼女に渡すと、彼女はとても気に入って5日間貸してほしいとねだる。1日、2日ならともかく、それ以上はとても無理だと断ったのだが、どうしても貸してほしいと、彼女はあくまでもねばるのだった。2/11

朝誰かから電話が来て「飛行機は今日成田から出るやつに乗るんだよ」と云われたが、何時のどこ行きの便かも分からず、チケットはおろかパスポートもないので、いったいどうしていいのか分からない。2/12

旅行に行く学生には、学校からその費用が全額支給されるのだが、国内外各地の行き先によって値段が違う。だから僕たちは、北極や南極などできるだけ遠方の海外旅行を選ぶことにしていた。2/12

旅行に持って行くBGMに何を選ぼうかとさんざん迷った挙句、「バナナボート」か「ビデBIO」のどちらかにしようと思ってヨーコに尋ねたら、即座に「ビデBIO」にしなさいと言うので、どうしていつも彼女のいいなりになってしまうのかと思いつつ、私は喜んで彼女に従った。2/12

中国の有名デパートに台湾の友人と一緒に買い物に出かけたら、その友人がどんどん値切り始めた。いつまでたっても値切るばかりでなにも買わないので、業を煮やした店長がやってきて、「いい加減にしてくれ」と怒鳴って、僕らはとうとう追い出されてしまった。2/13

敵のサロチュウ軍とわれらハクコ軍が一蝕即発の事態を迎えていたので、某国が仲介に立って国連監視団の派遣を要請したのだが、その間情勢はますます緊迫し、ふと外を見回すと、私と吉田が乗った戦車を両軍がずらりと取り囲んでいた。2/14

錦織の私は、テニスの試合を前にしていろいろ慣れないことをして疲労困憊していたので、肝心の本番では実力を発揮できず、無様な姿で敗北してしまった。2/15

ふと気付くと、何匹ものカツオが三雙の船の上に降り注いでいたので、私は網を海に入れる作業をただちに中止して、空から落ちてくるカツオを捕まえることに全力を集中するように指示した。2/15

ここアンデスの山奥深くに埋められていた茶色い金属の板が偶然発見され、これが地球各地の古代世界で共通して使われていた「カロン」という単位の重量原器であることが分かった。1カロンはだいたい1キロに相当するようだ。2/16

商標課からこの営業部へ配転になった男は、「わが社の製品につけられているすべての商標がもぐりであるから、1日も早く販売を中止してほしい」と会議のたびに訴えたが、誰も耳を傾ける者はいなかった。2/16

私が働いている外資系企業には、政治的チョンボで首になった渡辺氏や、英語やフランス語はペラペラだが日本語が全然出来ない帰国子女などのユニークな社員が大勢いたが、なぜかうちの耕君もそのメンツに加わっていて、3時になると好物のキャラメルアイスを美味しそうに舐めるのだった。2/17

お隣のMサンちに、いつの間にこんな可愛い子供が生まれていたのだろう。大きなかまぼ
こ板に乗せられたその子の首には、目も、鼻も、口も、ちゃんとついているのだった。2/18

ある企業の新任ADとして招かれた私は、先輩ADと事あるごとに対立競合していたが、企業CMの製作では2人とも社長にギャフンと言わされた。彼は「小異を乗り越えて大同につく」という手法で、大成功したのだ。2/19

先輩はその企業製品の機能性を、私はデザイン性を強調するプランを提示したのだが、したたかな社長は、「会社は機能やデザインより、やっぱり人だね」と云って、創業を共にした90代の3人のOGを引っ張り出して福知山音頭を踊らせたのだった。2/19

今世紀最大と称せられる天才男と天才少年が一堂に会したので、大きな話題になった。まず天才男が「お前は誰だ?」と聞いたら、天才少年は「糞ったれ!」と応じたので、世界中のメディアが「糞とは何か?」「誰とはたれか?」と大騒ぎになった。2/20

まず前菜を、次いでカレーライスを喰い、最後にコーヒーを飲みほしてから外野の守備についていると、突如大空の高みからボールが落ちて来たので、思わず両手を伸ばすとグローブにすっぽり収まったので、観客席は「ナイスキャッチ!」と大騒ぎだった。2/21

対立する両勢力が泥沼の戦いを繰り広げているので、とうとう本邦最大のヤクザの大親分が仲裁に乗り出してケジメをつけることになったのだが、裏世界でケジメをつけることが出来るのはヤクザしかいないからこそ彼らは廃れないのだ、と改めて思い知った。2/22

そこで私はこの際新たにケジメカメラマンになって、世界中で対立抗争する勢力がケジメをつける現場へ駆けつけ、その証拠写真を撮ろうと思いついたのだった。ケジメカメラマン! どうだ、新しいだろう。2/22

すると山口百恵や桜田淳子、西田佐知子、ちあきなおみなどもう2度と歌わないと思われていた歌手たちの一期一会のコンサートが開催されるというので、日比谷公会堂へ駆けつけると、長嶋茂雄という人が悪くない方の足で私の突進を阻止したのである。2/22

私は腰と辞をうんと低くして「長嶋さん、申し訳ありませんが、あなたの長くのびたこの足を引っこめてくれませんか」と頼んだのだが、世紀の打撃の天才児は知らん顔して、あろうことか今度は悪いほうの足まで投げ出す。2/22

頭にきた私が、「長嶋さん、いやさ長嶋。なんてことをするんだ。これでは百恵の写真が撮れないじゃないか。おいらはこれまであんたの大ファンだったけど、今日限り生涯敵に回るぜ」と凄んでいると、王や金田選手が出てきて「シゲさん、ええ加減にしろや」と云うてくれたので、長嶋茂雄はやっと両脚を引っこめた。2/22 

折悪しく春一番が吹いて一睡も出来なかったので、私は夢と眠り、眠りと夢の間を区切る鉄板を大量生産し、その2つの間に建ち上げるのに大わらわだった。2/23

開演5分前になったのに、誰ひとり聴衆がいないので、私はだんだん不安になった。このT先生の大講演会は、私が企画し入場券を売りだしたから、このままでは経済的に破滅してしまう。

開演時間がやってくると先生は、無人の会場に向かって「ザウルスというてもフジザウルス、ウツボザウルス、エレクトロザウルスなどなどいろいろな種類のが別々の山で美味しい水を飲みながら楽しく暮らしているんだ」と云って、ワハハハと豪快に笑った。2/23

M社に投稿した短歌が入選したので喜んでいたら、似たような短歌をA社にも投稿していたことに気がついて、大慌てしているうちに朝になった。2/24

ガス屋さんがやってきて配管工事をしてくれたのだが、待てよ、昨日大工さんは、「ガスの配管はとっくに終わっているから何もしなくても大丈夫ですよ」といっていたことを思い出した。はて、どっちが本当なのだろう?2/24

悪ガキどもがうちの耕君をいじめていたので、私は彼とワルツを踊る振りをしながら様子を見ていた。すると、そのうちの一人が突然襲いかかろうとしたので、私は耕君を巨大な振り子のようにいったん遠くに飛ばしておいて、ガツンと彼奴にぶつけた。2/25

すると、私の手を離れた耕君は、その悪ガキもろとも物凄い勢いで、よもつひら坂を転がり落ちていった。周章狼狽した私は、急いで真っ暗な坂道を駆け下りて愛する息子を探そうとしたのだが、坂下から広がる黄泉の国は真っ暗で何も見えなかった。2/25

彼女はラテン、ギリシア、英独仏露語を自在に操るカリストと聞いていたので、もしかすると日本語もできるのではないかと思って、私は学食でコーヒーを飲んでいる彼女に「やあ、こんにちは」と話しかけたのだが、まるで「女のキリスト」のように微かに頬笑んだだけだった。2/27

はじめはいつもと同じ坂道と見えたのに、登れども登れども、いっこうに行程がはかどらない。それでも我慢して急峻な坂を登攀しているうちに、翻然と悟った。いつの間にか私の体がいつもの三分の一くらいに縮んでしまっているのである。2/28

「世界何でもギフト本舗」の高橋という人からメールが舞い込んできて、全世界の恵まれない人々のために貴殿の短歌を寄付してくれないか、という申し出があったのだが、それはいったいどういう意味なのか分からず、私は途方に暮れていた。2/28


 猛烈な暑さを押し返さんと繰り返し聴くブルックナーの交響曲第8番 蝶人

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アルゲリッチ、クレメル、マイスキーthe complete duo recordingsを聴いて

2015-08-24 13:33:48 | Weblog


音楽千夜一夜第345 回


 独グラモフォンによる3人の二重奏や三重奏曲を集めた13枚組のCDを聞きました。

 集められているのはベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの全曲を柱に、バッハのチェロソナタ、シューマンバルトーク、メシアン、プロコィエフのヴァイオリン・ソナタなどですが、やはりその中心にいるアルゲリッチのピアノが重要な役割を果たしていて、特にクレメルと組んだ時にその即興性や自発性が炎のように燃え盛る。

 ベートーヴェンはもちろんですが、私の大嫌いな(あの馬鹿馬鹿しい「3つのオレンジへの恋」!)プロコフィエフで巻き起こった台風15号と16号がドッキングしたような激烈な興奮は、おそらくこれからも他の誰によっても引き起こされないであろう嵐のような音楽体験でありませう。


  図書館で予約していた「明治天皇伝」取り忘れたがそれもよかろう 蝶人
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生きるよろこび~「これでも詩かよ」第154番

2015-08-23 10:39:16 | Weblog


ある晴れた日に 第329回


日曜日
イタドリの葉っぱの上で、ゴマダラカミキリが交尾している。
こっちでも、もう一組が夢中で交尾している。
するとそこへ、もう一匹がブーンと飛んできた。
「僕も混ぜてくれよ」

月曜日
朝夷奈峠を登っていたら、
まだ学習中の鶯が「ホー、ホケキョウ、ケキョウ」と鳴くので
「ホー、ホケキョ」と口笛で教えたが、
また「ホー、ホケキョウ、ケキョウ」と鳴いた。

火曜日
大水が轟々と流れる光触寺橋のほとりにじっとたたずむ青鷺のザミュエルを、
1年ぶりにみつけた。
「おいザミュエル、元気だったかい」と呼びかけても、
知らん顔で水面を見ている。

水曜日
亡き母の家の庭に亭亭と茂る無患子の花冠が、風にそよいでいる。
藝大の庭で拾った一粒の実から、十五年を経てとうとう花開いた無患子の黄緑色の花。

木曜日
太刀洗に散歩に行ったら、今朝生まれたばかりの無数の瑠璃蜆に取り囲まれた。
瑠璃蜆また瑠璃蜆てふてふてふダンスだダンスだ瑠璃色ダンス。

金曜日
滑川をまた蛇が泳いでいないかと覗きこんでいたら、川向うの野原を茶色いものが跳ぶ。
40年目にして初めて見る野兎だ。
「おーい、ラビット太郎」と呼びかけたが、
森に消えた。

土曜日
夜、次男と一緒に三郎の瀧まで散歩したら、
蛍が舞っていた。
高く高く飛んでもはや星と見分けがつかなくなった蛍を、
二人でいつまでも眺めていた。

日曜日
長男の大好きなカレーライスを、家族揃ってお昼に食べる。
世の中にこんなおいしいものがあるだろうか。

月曜日
次男がアパートの外でずぶぬれになってミャアミュア鳴いていた子猫を拾って、医者に連れて行ったら、元気になったそうだ。
いい人に貰ってほしいな、青い瞳の子猫チャン。


  真夜中にミンミンゼミが鳴いている妻が欲しいと泣いている 蝶人


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ピエール・トレトン監督の「イヴ・サンローラン」をみて

2015-08-22 10:58:27 | Weblog


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.882&ふぁっちょん幻論第95回

 2008年に亡くなった偉大なクリエーターの生涯を辿る伝記映画ずら。40年に及ぶ公私にわたるパートナー、ピエール・ヴェルジュ自らが出演して貴重な証言をしているのでこの偉大なクリエーターの栄光と孤独と悲惨が白々と浮かび上がってくるようだ。

 いくら才能に恵まれていたとしてもオートクチュウールだけで年間500点、プレタポルテを合わせたら総計1000点のデザインを無から作りだす作業は、彼自身が引退記者会見で語っているように「地獄の苦しみ」だったろう。

 アルコールや麻薬におぼれるのも当然の異常な世界だが、でも同業のシャネルのカール・ラガーフェルドなんかは黙々とその地獄の世界を浮き沈みしているというわけだ。

 桑原桑原、たかがふぁっちょん、されどふぁっちょん、あな恐ろし。



  三年ぶりに真夏の午後に聴きました吉田秀和「名曲のたのしみ」 蝶人
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ブライアン・デ・パルマは怪しい奴

2015-08-21 11:33:54 | Weblog


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.880,881


○ブライアン・デ・パルマ監督の「愛のメモリー」をみて

 松崎しげるじゃあるまいし原題の「Obsession」を「愛のメモリー」とはこれいかに。ヒッチ大好きのデ・パルマがヒッチ御用達の音楽家バーナード・ハーマンを起用してでっちあげた疑似「めまい」的迷作ずら。

 ネタは最初から割れているようなものだが、実の娘とケッコンしたら近親相姦になることくらい犯人も分かっていそうなものだけど、それも想定内で強行したとすればそうとうエグイ噺だ。

 もっともデ・パルマという人自体が相当エグイのでこういう恥ずかしげもないエグイ映画を平然と作るのだろう。

 ラストの全方位グルグル長回しは、トリュフォーの真似ずら。


○ブライアン・デ・パルマ監督の「ミッション・インポッシブル」をみて

ずいぶん捻った原作&脚本なので、一体全体なにがどうなっているのかよく分からないが、いくらなんでもCIA本部に潜入できるとは思えない。

あまつさえ仏蘭西高速鉄道のトンネルの中にヘリコプターが突入して、列車の上のトム・クルーズがジョン・ヴォイトと空中を飛んだり、駆けたり、組んず、解れつの大格闘とは思わず笑ってしまう。呆れ果てるほど凄いアクション映画ということなのか。


  吾輩は今日も朝から熱帯の和風南洋中級リゾートに無料滞在ちう 蝶人
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井上ひさし著「井上ひさし短編中編小説集成第10巻」を読んで

2015-08-20 13:03:58 | Weblog


照る日曇る日第807回

 本巻の目玉は、なんというても忠臣蔵ならぬ「不忠臣蔵」でありましょう。

 古来数多くの作家、戯曲家がこの主題を取り扱ってきたわけですが、著者の目の付けどころはまったく独創的なもので、そこから切りだされた19の短編も他の凡百の凡庸な作家の追随を許さない個性的なものだった。

 著者いわく。「赤穂藩には当時300余人の家臣がいたんですが、討ち入りに参加するのは全体のわずか六分の一弱。参加しない方が圧倒的に大勢なわけです。それなら参加しなかった人たちを徹底的に書いた方が日本人というものがハッキリ出るんじゃないかと思いましてね」

 これが瓢箪から駒ならぬピッタシカンカン。搦め手から本流を取り込む反主流派のアプローチがどんぴしゃりと嵌って、前代未聞、空前絶後の「裏忠臣蔵=真忠臣蔵」像を生みだしたのだから、いかに対象への光線の当て方が大事か分かります。

 登場するのは小納戸役・中村清右衛門から始まって、江戸給人百石・松本新五左衛門まで、ほとんど初めてその名を聞く赤穂藩関係者19名。本当は47名を扱う計画だったそうですが、それが実現しなかったのがじつに惜しまれる、これは小説家井上ひさしの代表的傑作と断言できませう。

 おまけに巻末には、著者による労作「不忠臣蔵年表」もついていて、泣かせてくれます。

 蛇足ながら、在々奉行・渡部角兵衛の項に登場するかの「葉隠」の著者山本神右衛門常朝は、日頃は「昼行燈」と評されるくらい何もしなくて、討入に際してだけ獅子奮迅の働きをした大石内蔵助に批判的で、「常日頃から短気で問題を起こしやすかった主君を、全身全霊を尽くして間違いを仕出かさないように善導すべきであったのに、情けない家老もあったものだ」と罵っているそうですが、むべなるかなと思った次第です。


社会の窓を開けたままにする車谷長吉妙な奴だと思いしがいつのまにか自分でもしておる
 蝶人
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マイケル・チミノ監督の「サンダーボルト」をみて

2015-08-19 13:40:46 | Weblog


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.879


 世の中なんて、人世なんて、なんぼのもんじゃ。この映画には全編を通じて、まぎれもなく七〇年代のアナーキズムが流れている。

 マイケル・チミノは、そんな時代精神とか空気感を、壮大な自然を背景に描くのが上手だが、ときどきその横道に逸れて、ドラマの本筋を見失ってしまうことがあるずら。が、それでも映画史上類まれな独特の感性の持ち主であることに変わりはない。

 本作においても死ぬほど苦労して大金を目前にしたジェフ・ブリッジスが、先輩の相棒クリント・イーストウッドを裏切ろうかと自問するシーンやラストで彼が死んだのか否かをはっきり描かないために、物語の輪郭が曖昧になっているが、こういう映画を撮りながら考え込んでしまう優柔不断さがチミノの長所でもあり弱点でもあるのだろう。

   武者人形のやうな顔した早実の清宮選手がホームランを打つ 蝶人

        蝉の声ひときわ高し敗戦日 蝶人
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アラン・レネ監督の「風にそよぐ草」をみて

2015-08-18 11:35:21 | Weblog


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.878


 昨年91歳で亡くなった偉大な監督の最後から3番目の作品ずら。

 よくあるといえばよくある大人の男女の恋が題材になっているのだが、それを扱う手つきがいかにも軽妙で、人世というものを、映画というものを楽しみ、いとおしむような気持ちがワンカット、ワンカットの編集の隅々にまでしみわたっていて、これこそが偉大な芸術家であり職人でもあるシネアストが、かのエリック・ロメール共々ついに到達した無二の境地ではないか、と思わるれ。

 原題の「 Les Herbes folles」は1963年の「Le Feu follet 」と1対をなすつもりでつけられたタイトルのような気もするのだが、はてどうであろうか。

 本編で繰り広げられる狂気のようなラブロマンスも見ごたえ十分であるが、いきなり歩道の上の葉っぱのアップから物語を始めたり、恋する男女が接吻したところで仮のエンド・マークを出したり、ヒロインの趣味が英国の戦闘機スピットファイアの操縦であったり、随所で散見されるさりげない道草もまことにチャーミングずら。


   甲子園で勝たせたきは公立校それもできたら初出場の 蝶人
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谷崎潤一郎著「谷崎潤一郎全集第1巻」を読んで

2015-08-17 12:54:51 | Weblog


照る日曇る日第806回

 わおお、本邦最高の作家の全集が右翼の読売新聞社に乗っ取られた哀れな中央公論新社から発売されましたぞえ。

 私はすでに昭和41年に出た第6回目の全集を持っているのだが、やっぱせっかく最新版が出たんだから、これから死に土産にせっせセッセと読んでこましたろ。

 第1巻はもちろん最初期の「刺青」を柱にしたセレクションで、その「刺青」や「少年」や「秘密」、「悪魔」など、彼のひきだしの奥の奥に大切にしまいこまれた女性への拝跪主義、マゾヒズムの魅惑が、検閲に気おくれすることもなく正々堂々と全面展開されているずら。

 世間で顰蹙を買いかねない己が性癖を、処女作から潔く開陳する未来の文豪の己への誠実さは、どうも後続の川端や三島にはなかったような気がする。

 マゾや耽美への陶酔はともかく、歴史に題材を取った「象」や「信西」、学生時代のやっさもっさをだらだら描いた「羹」(なんでこういう題名になったのかよく分からん)、明治45年に京都を始めて訪れた時の見聞を率直につづった「朱雀日記」、漱石の「門」を大胆不敵に論じた「門を評す」などなど、新人時代のどんな小品でも「さすが谷崎!」と大向こうから掛け声をかけたくなるような出来栄えで、いやあ、これからどんどん大成していけば物凄い作家になるだろうなあ、と思わせるに足る充実したコレクションなのであるんであるん。


   断言をすればするほど引いてゆく潮の流れを知らぬ宰相 蝶人
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