あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

西暦2022年水無月蝶人映画劇場その5

2022-06-30 10:06:10 | Weblog

闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2885~89

 

ジョージ・キューカー監督の「アダム氏とマダム」

スペンサー・トレーシーの検事補とキャサリン・ヘプバーンの弁護士夫婦が法廷で対決する1949年のドタバタコメデイで笑える。

 

1)エルンスト・ルビッチ監督の「生きるべきか死ぬべきか」

33歳で夭折したキャロル・ロンバード主演の1942年のコメディずら。

ナチ台頭のポーランドを舞台に、敵味方が入り乱れての複雑怪奇なプロットがややこしすぎて映画的興味を殺ぐ。

 

2)ダニエル・バーバー監督の「ハリー・ブラウン」

マイケル・ケインが元海兵隊の老人を熱演。凶悪犯の悪ガキどもを単身独力で退治する2009年の快作なり。

 

3)リチャード・ブルックス監督の「デッドラインUSA」

報道の自由と正義にためにテッテ的に闘うハンフリー・ボガートがかッこいい1952年のアメリカ映画。

「カサブランカ」などの駄作で、彼を評価してはならない。

 

4)ジュエル&イーサン・コーエン監督の「ヘイル、シーザー」

コーエン兄弟のよくある失敗作。こんな映画のどこに取り柄があるというのだろう。

 

5)ケネス・ロナーガン監督の「マンチェスター・バイ・ザ・シー」

2016年の暗い映画だが、主人公がニヒルなので、なお暗くなる。

 

 朝ドラもいろいろあれど朝ドラは朝ドラらしきものであればそれでよし 蝶人

 

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谷川俊太郎作・会田里美絵「ぼく」を読んで

2022-06-29 10:55:37 | Weblog

照る日曇る日第1758回

 

ともだちがすきで、いちばんになりたかった、かねもちになりたかった「ぼく」が、突然自殺してしまう。

 

「なにもほしくなくなって」「「なぜかここにいたくなくなって」「ぼくはしんだ」「じぶんでしんだ」と何度もいうのだが、いったいなんで死ななければならなかったのかは、まったく語られず、誰も説明はしない。

 

添えられた絵がとても透き通っていて美しいので、だんだん死んだ「ぼく」がヒロイックでカッコイイ存在に見えてきてしまう。死を禁断視しないで、むしろ神聖視し、賛美しているようだが、それでいいのだろうか?

 

いったいなんのために世に送りだされたのか、いくらっ考えてもさっぱり分からない不可思議な絵本だ。

 

  意味も無い言葉をペラペラ誰彼が喋り続けるミヤネ屋番組 蝶人

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主婦の友社版「誰もが泣いて喜ぶ愛と感動の冠婚葬祭その他諸々挨拶&スピーチ実例集No.125」

2022-06-28 11:08:38 | Weblog

西暦2022年水無月蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第411回

 

  • バイオリンコンクール入賞祝いの恩師のスピーチ

 

漆畑キリコさん、このたびの「パガニーニ国際バイオリンコンテスト」第2位入賞おめでとうございます。*1

 

キリコちゃんを手塩にかけて育て上げられましたお父様、お母様のお喜びもさぞやとお察し申し上げます。*2

 

今回漆畑さんが受賞された「パガニーニ国際バイオリンコンテスト」は、5年に1回イタリアで開催されるのですが、世界中でもっとも評価が高く、権威ある世界最高のバイオリンコンテストとされています。*3

 

キリコちゃんはとってもおとなしい女の子で、「私はまだ8歳だからとてもこんなコンテストなんか無理です」とおっしゃっていたのですが、私は「あなたの実力は先生だけが知っている。その先生が太鼓判を押しているのだから絶対だいじょうぶ」と何度も励ましました。

 

その結果、1位なしの2位という素晴らしい賞を頂戴することができまして本当に良かったと思います。*4

 

キリコちゃん、どうか今回の成果におごることなく自分の力を信じて精進してください。そうすれば世界の桧舞台はあなたのものです。

 

  • アドバイス
    • 1 娘に一流の音楽教育を身に付けさせるためには両親の物質的・精神的支援が欠かせない。
    • 2 あまり音楽に詳しくない一般客のために、コンテストにかんする説明を行っている。
    • 3 当事者である恩師ならではのエピソードが披露された。
    • 4 愛弟子に対する激励である。

 

 とりあえず弁護士にでもなって世の中を相渉らんとする手合いを憎む 蝶人

 

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西暦2022年水無月蝶人映画劇場その4

2022-06-27 09:58:43 | Weblog

闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2880~84

 

1)新藤兼人監督の「絞殺」

家庭内暴力をテーマにした1979年のATG映画。積雪の高原でのセクス、母乙羽信子を強姦しようとする息子などの「衝撃」シーンもある。

 

2)菅原比呂志監督の「ぼくらの七日間戦争」

宮沢りえも加わって官僚的な学校権門に実力で抗する11人の中学生戦士たち。戦車が出て来たのにはびっくりぽん。

 

3)廣木隆一監督の「ナミヤ雑貨店の奇蹟」

善意の輪廻がぐるぐる回る。「山田洋次にちょっと似たところのある東野原作を主演で映画化。

 

4)瀬々敬久監督の「最低」

題名通り最低の女が出る最低の映画ずら。

 

5)西川美和監督の「永い言い訳」

もっくんが厭らしい流行作家を熱演。最後を無理矢理ハッピーエンドにする必要はない。

 

 

  資本家は「タイムイズマネー!」と喚きつつ他人の時間を奪って儲ける 蝶人

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西内ミナミ作・堀内誠一絵「ぐるんぱのようちえん」を読んで

2022-06-26 08:31:36 | Weblog

照る日曇る日第1757回

 

大きな象さんのぐるんぱの物語ずら。

 

なんせずうたいがだかいから、ビスケットもお皿も、靴も、ピアノも、自動車も、みなみなどでかすぎる。

 

でも最後の最後にそれが大勢の子供たちの役にたって万事メデタシ、メデタシとなるのよ。

 

この絵本ではいつもと違って堀内選手の絵よりも西内選手のプロットの方が大事な役割を果たしているよおだ。

 

  県議選、市議選、国会議員選 おんなじ場所に貼られるポスター 蝶人

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日没閉門~これでも詩かよ 第299回

2022-06-25 08:24:03 | Weblog

 

ある晴れた日に 688回

 

青空の 美しさについて 空は 知らない

そこが 空の いいところ

 

フルムーンの 美しさについて 満月は 知らない

それが 月の いいところ

 

バラの 美しさについて 薔薇は 知らない

そこが 花の いいところ

 

ミドリシジミの 美しさについて 緑小灰蝶は 知らない

それが 蝶の いいところ

 

ところが 自分の 美しさについて 人は よく知っている

(じっさいには それほど 美しくは なくても)

それが 人間の厭らしいところ

(でも それが 人間の 人間らしいところ)

 

くびら大将 ばざら大将 えきら大将

あんちら大将 あにら大将 さんちら大将*

なんとか なるろう

 

いずれにしても 人間 多少 厭らしくても

ヘレネーも クレオパトラも 楊貴妃も 小野小町も 生きていく

「鏡よ 鏡 世界でいちばんは 誰?」

と 毎朝 鏡に 尋ねながら

 

ランボーも チェ・ゲバラも 在原業平も 中原中也も 生きていく

「鏡よ 鏡 世界でいちばんは 誰?」

と 毎朝 剃刃に 尋ねながら

 

いんだら大将 はいら大将 まこら大将

しんだら大将 しょうとら大将 びがら大将*

なんとか なるろう

 

「世界でいちばんすんごいのはあなたです」と 鏡が 答えて くれなくても

それが どうした なんとか なるろう なんとか なるろう

みんな 図太く 生きていく

清く 正しく 生きていく

 

   *薬師如来の大願に応じて、煩悩多き我々を守ってくれる十二神将。

 

「なんとかなるろう」その一言を胸に懐き道なき道を辿りゆくなり 蝶人

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益田肇著「人びとのなかの冷戦世界」を読んで

2022-06-24 09:59:20 | Weblog

照る日曇る日第1756回

「想像が現実となるとこ」という副題が付けられているように、冷戦なら冷戦という事実が、教科書風の政治的事実よりも、その事実を下支えしている民草の想像によって機能していることをグローカルに証していく、刺激的かつ動態的な世界歴史新カタリの書である。

 

「端的に言えば、冷戦とは世界各地の社会内部のさまざまな異論や不和を封じこめて「秩序」を生み出すための社会装置だったのではないか、そしてそれは政治指導者によってというよりも、むしろ「普通」の人びとによって創り出された想像上の「現実」だったのではないか」、と著者は本書を解題している。

 

そうして著者は、こうした原理と、具体的な民草の証言を駆使しながら、1950年当時のアメリカの「マッカーシズム」や中国の「鎮圧的反革命運動」、台湾の「白色恐怖」、本邦の「レッドパージ」、英国の「労働運動抑圧」、フィリピンの「非フィリピン活動取り締まり」などを、当時世界各地で同時多発的に発生した「社会戦争」という同根の枠組みに絡め取って解き明かしていくのだが、そのプロセスが、さながら魔法使いが快刀乱麻を断つようで小気味よい。

 

この本が取り扱っているのは、たまたま大戦後の冷戦時代だが、この方法論は、ウクライナ戦争まっさかりの現代世界にも有効であり、眼前の戦争を見つめながら普通の人々が脳裏でイメージする「平和」と「秩序」への希求が、戦後にどのような「社会戦争」を生起させるかが、おぼろに幻視できるような気もするのである。

 

「江戸」を主題とする次著の刊行が、切に待たれる。

 

 「ごおしちごお」の形式だけは残るだろう短歌の中身が死んじまっても 蝶人

 

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大塚雄三再話・赤羽末吉絵「スーホの白い馬」を読んで

2022-06-23 08:58:41 | Weblog

照る日曇る日第1755回

 

横暴な権力者の犠牲になった白馬のからだで作られた楽器の妙なる調べが大草原に流れていく。モンゴルに伝わる哀しい物語を、大塚雄三の再話と赤羽末吉の抒情的な飾画で届けられる不滅の絵本である。

 

  アルマーニのぶかぶかスーツが闊歩した80年代は夢のまた夢 蝶人

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東京オペラシティアートギャラリーで「篠田桃紅展」をみて

2022-06-22 11:57:10 | Weblog

蝶人物見遊山記 第347回

 

次男と妻の付き添いで、生まれて初めて初台というところに行って、107歳か8歳まで長生きして、生涯現役で書や造形に取り組んだ偉大な芸術家の個展を見物しました。

 

和紙に時には朱も交えて墨痕淋漓と描かれたモンドリアンみたいな構成は、書家というより隅々まで計算されつくした画家の仕事で、そのすぐれた造形感覚が建築物の内装や壁画に連なっていったのは理の当然といったところ。

 

終わり近くに野上弥生子の「秀吉と利休」という本の題字をみて、ああこの書体が篠田選手のものだったんだ、と気づきました。

 

旧電通ビルのロビーにあった彼女の壁画をビデオでみて、俄かに懐かさを覚えましたが、丹下健三の設計によるこのビル自体が、既に解体された模様。あの作品はいったいどういう運命を辿ったのでしょうか?

 

ビデオはもう1本、昭和の時代に仏蘭西人スタッフが本邦の「書」を取材したドキュメンタリーがあって、その一番終わりに若き日の彼女が書をするシーンが登場しますが、これが筆チョンチョンのスイスイスイといった安直な代物で興ざめでした。

 

終了まぢかの会場は、趣味の良さげな女性たちでいっぱい。いかに彼女が同性のあこがれの星であったかを雄弁に物語っていました。

 

  戦争は映像戦争となりゆきてロシアとウクライナが激しく競う 蝶人

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河出書房版ゴーゴリ集(「死せる魂」他)を読んで

2022-06-21 08:14:59 | Weblog

照る日曇る日第1754回

 

ニコライ・ゴーゴリは現在のウクライナに1809年生まれ、1852年に42歳で死んだロシアの優れた作家である。

 

本巻に収録されたのは3つの作品であるが、まず有名なお芝居の「検察官」は、さながらロシア歌舞伎。最後の「だんまりの場」をいつか舞台でみてみたいな。

 

次なる「鼻」は理髪師イワンによって切り落とされた8等官コわリョーフの鼻が、紆余曲折を経て元通りにくっつくまでの顛末を記した1篇の笑話で、カフカや芥川龍之介を思い出さずにはいられない。

 

そして師匠プーシキンの示唆によって書かれた未完の長篇「死せる魂」も、ヤマ師チーチコフが地主から死んだ農奴の所有権をを安く買いたたいて大儲けをしようとする奇妙なホラ話で、やはり全篇に漂うシュールな味わいが、近代的というより現代の小説世界を思わせる。

 

   またしても銀座が上海と化してしまうのか中国の観光客が来て 蝶人

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西暦2022年水無月蝶人映画劇場その3

2022-06-20 10:34:26 | Weblog

闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2875~19

 

1)ゲイリー・ロス監督の「オーシャンズ8」

むかしはあんなに可愛かったサンドラ・ブロックが主演する2018年の阿呆莫迦泥棒物であるが、彼女の醜い整形手術顔に失望落胆。なんでこんな酷い顔にしちまったんだろうね。

 

2)ガブリエル・アクセル監督の「バベットの晩餐会」

1987年の素晴らしいデンマーク映画。ふとっちょの歌手が「貧しい芸術家はいない」と言う。その気持ちはよく分かるが、やせ我慢でなければ嘘である。

 

3)ジム・ジャームッシュ監督の「パターソン」

パターソンの町に住むパターソンという運転手は詩人だった。この映画に出て来る詩はロン・パジェットによるものでみな素敵だが、いちばん素敵なのは主人公が出会った女の子の「雨の歌」である。映画の終わりに出て来る大阪の商社マン風の詩人、永瀬正敏がとてもいいが、考えてみればこの映画自体がぜんぶ詩なのだった。

 

4)カーティス・ハンソン監督の「激流」

メリル・ストリープ一家が激流下りをしてとんでもない災難に遭うお噺ずら。しかし夫婦の不和の原因は、夫を追い詰めた自分に在る。夫は、愛する妻にふさわしい自分になりたくて仕事ばっかりやっていて家族から完全に浮いていた、というのは妙な話ずら。

 

5)リー・タマホリ監督の「NEXT-ネクスト」

フィリップ・K・ディックの原作の2007年の拙劣な映画化。ニコラス・ケイジもジュリアン・ムーアも下らない映画に出たものだ。

 

   世の中を解釈したい人ばかりいて変えたい人はあんまりいない 蝶人

 

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岩城宏之著「森のうた」を読んで

2022-06-19 09:56:35 | Weblog

照る日曇る日第1753回

 

早世した熱い指揮者による猛烈アタロー的青春珍道中記ずら。

 

芸大のタイコ科に入って作曲家のヤマモトナオズミ選手と肝胆相照らす親友となり、至る所で捧腹絶倒の珍事をしでかすのだが、そのご両人の肝胆の相照らし方が半端ではなくて、涙が出るほど可笑しい話なのだが、なおも読み続けているうちに涙が出てくる。

 

作者は別に名文家ではないのだが、怒濤の青春時代の思い出をまったく飾ろうとせずに、ただそのことを無類の率直さで語りに語る、「文は人なり」を地でいった、類のない名文だと思う。

 

音楽が、指揮が好きで好きでどうしようもない、そんな無二の大親友を大好きにならない読者は、誰ひとりいないだろう。

 

   公明党創価学会が取り囲む我が家ばかりは染まらずに立つ 蝶人

 

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スコット・フィッツジェラルド著・村上春樹訳「最後の大君」を読んで

2022-06-18 08:46:55 | Weblog

米国の俊英作家の、最後の遺作大恋愛小説である。

 

主人公は実在の辣腕映画プロデューサーからイメージを借りたらしいが、まだうら若い彼が、その日に撮影されたばかりのラッシュを見ながら、年配にして超ヴェテランの監督や、キャメラマン、シナリオライター、そして往年の大俳優を向こうに回して、簡にして要を得たダメ出しをしていく箇所は、本書の白眉で、まるで映画を見ているような迫力と臨場感に満ち満ちている。

 

晩年にNYからLAに主戦場を移して、当時全盛のハリウッドで実際に映画の仕事に携わった作家ならではの知識と経験が総動員されて、この珠玉の数ページが生み落とされたのだろう。

 

されどまことに残念無念ながら、およそ半分くらいのところで未完成に終わった本書だが、付録につけられた全体図や梗概、それらをしっかりと補強するいくつもの断片やラフスケッチを一読すると、主人公の「純愛」のみならず、映画産業の腐敗と堕落を取り巻く組合運動や政治的陰謀、40年代のアメリカ社会の階級闘争といった「大きな物語」が、その大伽藍のような骨格をあらわにしてくる。

 

もしもスコット選手が、1940年12月21日に第6章の最初のエピソードを書き上げた直後の心臓発作によって44歳にして急逝することなく、せめてあと1年の余命を天から授かっていたなら、間違いなくかの「グレート・ギャッツビー」を凌駕する、偉大な代表作が日の目をみていたことだろう。ああ惜しいかな、惜しいかな。

 

   中国が輸入禁止にした台湾のパイナップルを美味しく頂く 蝶人

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家族の肖像~親子の対話その81

2022-06-17 11:26:43 | Weblog

家族の肖像~親子の対話その81

 

ある晴れた日に 第687回

 

「来たまえ」って、なに?

「来なさいよ」、のことよ。

 

到着までしばらくお待ちください、って、なあに?

到着までちょっと待ってくださいね、よ。

 

神様ってなに?

遠いところから、みんなのことを守ってくれる人よ。

 

お父さん、蓮佛さん、今晩録画してね?

分かったよ、コウ君。

そう言っってくれたよ、お母さん。

良かったね。

 

ぼく、バクダン嫌ですお。

お母さんもよ。

 

感じる、思うことでしょ?

そうだね。

 

ぼく、ヒトミさんですお。

こんにちは、ヒトミさん。

 

コウ君、ここにあったお菓子、どうしたの?

食べましたよ。

へええ、あんなにあったのに。

全部食べましたよーだ。

あらまっちゃん。

 

お母さん、ジャンパー変えたいですお。

そうなの。

これにしたいですお。

分かった。すごく暖かいと思うわ。

変えたいですお。

 

お父さん、「消えた初恋」、DVDにしてください。

分かりましたあ。

 

冷蔵庫、どこで買うの?

東急のノジマよ。

冷蔵庫、いつ来るの?

火曜日よ。

 

やりたい放題って、なに?

好きなことばっかりしてることよ。

 

お母さん、マシって、なに?

その方がいいよ、ってことよ。

マシ、マシ、マシ。

 

お母さん、笑って。

お母さん、笑ってますよ。

 

お母さん、いまどこ?

お父さんと病院よ。

 

コウ君、洗濯物もう取り入れたの? 乾いたの?

乾きましたお。

そう?

 

ぼく、お正月好きですお。

そう。

 

     東海は日本海だと決めつけてチェルノブイリはチェルノービリだとする 蝶人

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家族の肖像~親子の対話その80

2022-06-16 17:04:45 | Weblog

ある晴れた日に 第686回

 

ぼく、コンピューターおばちゃん、好きだお。

そうなんだ。

 

お母さん、証明は、はっきりさせる、でしょ?

そうね。

 

お父さん、注意したお。

注意しないよ。いっただけだよ。

 

社会構造って、なに?

え? そうねえ、まあ、世の中の仕組みのことだよ。

 

お母さん、「気持ちが悪くなったら教えてね」って、言ってくれたよ。

誰が?

ナカムラさんが。

良かったね。

 

お父さん、戦争の英語は?

ウオーだよ。

ウオー、ウオー、ウオー

 

コウ君、今日の午後の予定は?

お昼寝しますお。

そうですか。

 

お父さん、ビデオ録ってください。

分かりましたあ。

お父さん、そう言ってるよ。

良かったね。

 

お母さん、大町通ってくださいね。

大町、こないだ大火事になったから驚かないでね。

分かりましたあ。

 

お父さん、地震の英語は?

アースクエイク。

お父さん、地震の英語は?

アースクエイクだよ。

 

私はゴエモンです。

こんにちはゴエモンさん。

 

お父さん、アホ笑いしたらイシハラサトミは?

「コウさん、アホ笑いはやめちいよ」っていうよ。

ぼく、アホ笑いしませんお。

しないでね。

 

コウ君、レンブツさんとリコちゃんと、どっちが好き?

両方好きですお。

 

おばあちゃん、泣いた?

泣いたよ。

おじいちゃんが亡くなったから?

そうだよ。

 

花ざかりって、なに?

お花がいっぱい咲いてることよ。

 

  「自閉症」を「カナー氏症候群」に改めよと半世紀前から唱え続けて 蝶人

 

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